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旅立ち編突入

物語は序章の学園編を終え旅立ち編へ。


旅立ち編


<社会科見学>

水曜日。

週一回のサマー部に顔を出す。

情けないことに両部に掛かりっきりでサマ―部が蔑ろになっている。

本来こちらの部を優先すべきだが…… 部長中心にしっかりまとまってるからな。

悪いとは思いながらもついつい任せっきり。


もう間もなく夏本番。

サマー部が活発になる。

「先生はお忙しいので週一回の集会に顔を出すだけで充分です。

ただ合宿には付き合って頂きます。それから大会の引率もお願いします」

協力的で本当に助かる。不満が漏れると構えたがどうやら杞憂だったようだ。


三つも掛け持ちとなると手が回らずどうにもこうにも。

サマー部までミホ先生に頼む訳にもいかない。

ミホ先生はあくまでタピオカ部と異世界探索部の副顧問でありサマ―部と無関係。


「分かったよ部長。君たちは本当に優秀で助かるよ。

後のことはすべて部長の君に一任するから。しっかり頼むよ」

言えた義理でない。完全にこちらの責任。もとから三つの掛け持ちは無理がある。

恨むべきは前顧問のスケルトン。美人三姉妹をだしに誘い込まれた。

当然部員から不満が上がっても何ら不思議ではない。

そんなギリギリなバランスの上で成り立っている。


「承知しました」

それでも文句一つ言わない部長。現状を理解してるとは言え立派。大人だ。

俺も見習うべきだな。

サマー部は心配ないだろう。問題なのはもう二つの部。


六月が過ぎ暑い夏がやって来た。

七月はどの部も大会や合宿で大忙し。

予定表には三部の予定がぎっしり詰まっていて見ていて気持ち悪くなるほど。

これは大変。嫌だ嫌だ…… 今から憂うつ。


サマー部の合宿が七月の末にあるのだがどうしてもタピオカ部の旅行と重なる。

異世界探索部の社会科見学も七月の中旬に控えている。八月上旬に合宿も。

旅行に社会科見学、合宿と三つが重なることはなかった。

各部と相談し調整したお陰。

だがサマー部の合宿は盲点だった。ここは調整役のミホ先生の力の及ばない範囲。

夏を乗り切るにはミホ先生の協力が必須。


旅行? 大会? 合宿? どれを取るべきか?

大会の引率時間はサマー部の強さに比例する。

弱ければすぐにでも終了。強ければ七月末。と言うことは合宿直前まで。

サマー部の実態が分からない以上どれほど強いのか判断がつかない。

未知の部であるサマー部。三つの中で唯一まともな部だと信じたい。


水曜日。

「それでは後を頼むぞ」

「はいありがとうございました! 」

気合いの入った受け答え。これは良いところまで行きそうだ。

約束だからな当然引率するつもりだが無理だけはしないでもらいたい。

それにしてもいい顔をしている。

逞しいと言うか自信に満ち溢れている。

うんうん俺がいなくても勝手にやってくれそう。

もう高校生だもんな。顧問不在でもリーダーである部長が何とでもしてくれる。

ただいるだけの存在なので虚しい限りだが。

三つも任されてはどうにかやりくりするだけで手一杯。気が回るはずもない。

生徒の自主性に任せて最低限の役割を果たす。

これでいい。理想の教師像などとっくの昔に崩壊してしまってるのだから。


開始から二時間。サマー部は活動を終え部長と立ち話に興じる。

「では先生も頑張ってください」

「本当に頼んだぞ」

「失礼します! 」

日に焼けた男の子が白い歯を見せ帰っていく。

楽しそうで充実してるのがよく伝わる。

制服は夏仕様の半袖で紺のズボン。靴下はなく直に靴を履いている。

涼しくていい。俺も真似したいがさすがに教師がみっともない格好は出来ないか。

教員もクールビズの名のもとに半袖シャツと薄手のズボンを着用している。

もともとジャージだったので大して変わらないのだが。


暑い…… 

夏本番太陽が容赦なく照りつける。

何て暑いのだろう? 溶けそうなほどの暑さに頭がぼうっとする。

これがずっと続くかと思うと嫌になる。

もちろん俺は夏が好きなんだが最近の夏は限度と言うものを知らないから嫌いだ。


あれここは……

気がつくといつの間にか足をZERO館の方へ。

もはや習慣と化している。

仕方ない少し様子を見て行くか。

今日は水曜日なので両部ともお休みのはず。

だが部室には明かりがついている。これはどう言うことだろう?


                  続く

注;

旅立ち編に入るもまだ日常が続きます。

旅立ちまで少々時間を要します。

それまでに選ばれし五人のヒロインを予想しよう。

もちろんまだ登場してない可能性も。

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