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カレー怖い

ようやくきちんとしたレッスンが出来た。

しかも二人とも思った以上に上達が早い。

これもすべて持ち物検査をし不安を取り除いたからだろう。

彼女たちも集中していたみたいだしな。

ははは…… 疲れた疲れた。


満足感に浸っていると二人が意外な提案をする。

どうやら今晩は彼女たちでカレーを作ってくれるらしい。

そう言えば来てすぐに冷蔵庫を開けていたな。

カレーか。はっきり言って好きではない。

ただそれは凝ったカレーの場合。

レトルトなどは好きでこいつらが作るんだから難しいのは避けるよな。


「先生は食べるでしょう? 」

「ああご馳走してくれるなら喜んで」

出来るなら今すぐ帰って欲しいがそれはそれで構わない。

荷物検査したんだから問題ないだろう。


俺は基本一人暮らしなので自炊することはもちろんある。

だがそれは週の初めぐらいで三日で飽きると言うか面倒臭くなる。

そうなると近くのファミレスか定食屋で済ましてしまう。情けないがこんなもの。

これではいけないと一念発起し食材を買い込む。

気がつくと腐らせてしまうのがいつものパターン。


食材を無駄にするのは罪深いので敢えてたくさんは買わないことにしている。

だからその日のうちか最低でも次の日に消費期限が切れるものを選ぶ。

こうすれば無駄にならない。

困ったら彼女にでも作ってもらえばいいさ。

もちろん今はいないのだけど。ミホ先生作ってくれないかな。


キッチンを使いカレーを作ると張り切る二人。

本当に任せて大丈夫だろうか?

奴らの問題行動もそうだがクソまずいカレーを作りそうで心配になる。

どのみち一口食べるまで気が抜けそうにない。



「おいそのままだと制服が汚れるぞ」

「また誘導して。好きなんだから。先生大丈夫? 」

「違うって。着替えろって言ってるんじゃくてエプロン…… 」

まずいまた変な目で見られる。自分からやってどうする?

「エプロン? 」

「何でもない。好きにしろ」

エプロンもまずいよな。そもそもどこにあるやら。

とにかくクールに対応。これで少しは安心だろう。


「鍋はそれを使ってくれ! 」

「嘘…… これ洗ってないじゃない! 」

「いや一昨日使ってあれ…… そのままだっけ。まあいいや」

「本気ですか先生? 」

軽蔑の目で見られる。


調理はするが洗うのは苦手。

まあ焦げたら取れないしね。面倒なんだよな。

「水はペットボトルを使ってくれ。どうしてもカルキ臭くてな。

それからニンジンは苦手だから少な目で薄く頼む。味は辛過ぎず甘すぎず」

「うるさい! 」

あーあ怒られちゃった。もう口を出すのはよそう。


「おーいまだか? 」

三十分経ったがまだ出来る気配がない。

「もう少しよアナタ」

「大人をからかうんじゃない! それから…… まあいいか」

自由に伸び伸びとやらせるのが良い。


作り始めて一時間が過ぎたところでようやく出来上がった。

カレーがテーブルに運ばれてくる。

一応はきれいに拭いたがどうせカレーだから適当でいいよな。

お鍋にはまだ残りがたくさん。

明日の分なのかもしれない。これは有難い。


一口カレーを口に。

二口、三口とかきこむ。

「どうですか? 辛い? 」

どうやら作ったのは料理に自信のある二女の方。

長女は指示に従って野菜を切ったりしていただけらしい。

「うう! 辛い! 」

「あれおかしいな。どこで間違えたんだろう? 」

分量を間違えて辛くし過ぎたらしい。

これはこれで美味しいからまあいいか。


三人で仲良くカレーを食べる。

これが生徒とのコミュニケーションと信じて。

「なあもう一人はどうした? お前たち二人もいいが彼女を招待したい」

ぜひ来て欲しい。だがまた同様の惨事が起きないとも限らないので慎重に。

ただなぜ一人だけ来ないのか気になる。

「先生のお気に入りですもんね」

どうしてそうなる? ただ最近来ないから聞いただけだろうが。

「もうあんたが中止だって言ったからでしょう! 」

長女が怒って見せる。

「だって…… まずいでしょう…… 」


中止? 何が中止? まずい?

「おい二人ともどう言うことだ? 中止って何だ? 

まさか仲間外れにする気か? かわいそうじゃないか! 」

一体何を企んでいる? またしても怪しい動き。

まさかまだ終わらないのか?

「あの子は私たちとは違う。それだけは信じてあげてね先生」


どう信じろと? 仲間だろ? 違うのか?

美人三姉妹にも多少の違いがあるらしい。


               続く

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