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最終回前編 求め合う者たち

三日目の夜。

別に夜と言わずに昼でも朝でも構わない。

もう俺たち六人だけしかいないのだから。

でもこだわってしまう。やはりどうしてもこの手のことは夜となる。

なぜならまだ現代世界の感覚が染みついてるから。

俺が教師だからであり他のメンバーの目もあるからな。


「隊長! どうしたんですか元気ないですね? 」

ミルルが笑顔で近づいてきた。

「捻挫はどうした? 」

「ミホさんが大げさだから…… 問題ありません」


「それで俺に何か用か? 」

今日も何事もなく一日が過ぎた。平和は良いことだけど刺激が足りない。

もう三日にもなれば異世界にも慣れて恐怖もさほど感じなくなっている。

「隊長はどうもタオさんたちとの関係に悩んでいるみたいですね」

「それをどこで? いやいい。正直悩んでるんだ。俺はどうしたらミルル? 」

こんな一番下の子に相談してもな……

「鏡島ではあんなに少女たち手を出してたのに今更ですか? 」

呆れるミルル。

「いやあれは…… 不可抗力で生徒たちを守るために」

「なら今回だって生徒を守るためにやればいいんですよ」

「それは…… 」


「隊長! 私ではダメですか? 」

いきなりふざけるミルル。

「バカを言うな! 」

「いいから早く。もうウジウジしないで隊長! 」

どうやらミルルは先頭を切ると。だがそんなこと俺には……


「いいのか? お前はそれいいのか? 」

「いいんだよ」

いつになく子供っぽく言い放つミルル。

俺は彼女に気を遣われている。情けないな。


「ホラ早く! 」

そう言うと服を脱ぎだした。

ミルルの豊満なボディーに戸惑いながらも体を重ねる。

「ふふふ…… 隊長。これでいいの」

「ミルル。俺のことはサプロウタでいい」

「サプロウタさん。さあもっと楽しみましょう」


ミルルもそうだしミコもそうだ。

彼女たちは自分の使命がある。そのためには己の体を捧げることを厭わない。

ミコは異世界発見でミルルは異世界や故郷を守ることを目標に。

そのすべてが叶った今彼女たちは実に協力的だ。

ミコなど超積極的と言っていい。


異世界生活七日目。

異世界発見してから一週間経過した晩。


はあはあ

はあはあ

俺は今追いかけられてるところ。

「アオイ! アオイ! どこ? 」

昨日も一昨日もでもう二日も続いている。

隠れてどうにかやり過ごそうと隠れるがすぐに見つかってしまう。

「アオイ! アオイ! 恥ずかしがらないで出ておいで」

おかしなテンションのミコに追いかけ回されている。

まったく何を考えてやがるんだ? 三日も続けやがって。

絶対に捕まって堪るか。

昨日だって俺が嫌がってるのを無視してお構いなしにほぼ無理やりだからな。

仮にも俺は教師だぞ。なぜ生徒に襲われなければならない?


はあはあ

はあはあ

しかしもう逃げるところなんてないよ。

まさか未知の世界を踏み出す訳にもいかないし。

「先生こっち! 」

タオが久しぶりの制服姿で強引に引っ張て行く。

「タオ…… 何だその格好は? 」

「先生が喜ぶって言うから…… 」

自分で言っといて恥ずかしそうに下を向きそのまま黙ってしまう。


「ありがとう。嬉しいよ」

俺は確かに制服が好きだけど一体誰がそんな話を?

どうせアイだろうな。そんなつまらない話をするのは。

今は元気もなくその影も見られないぐらいだが。


「先生伏せて! 」

目の前を通過するミコ。暗さもあってどうにか気づかれずに済んだ。

「先生! 」

「タオ…… 」

堪えよう堪えようとしたがもう無理だろうな。


「本当に良いんだな? 」

「先生早く! 」

どうやらタオは覚悟を決めたらしい。

そんな時に躊躇ってるようでは彼女に申し訳ない。

ここは思い切ってタオの気持ちに応えることに。


「かわいいよ。その制服。暗くてよく見えないけどな」

「もう先生の意地悪! 」

「ははは…… 冗談だって。さあゆっくりな」

まずは軽く挨拶のキス。そこから抱きしめてついに準備万端。

後は制服を脱がせるだけ。


「先生…… お願い早く! 」

タオが強く求めるものだからつい俺もそれに応えようとする。

「さあ最後の砦に手が掛かったところでストップ。

タイミング悪くミコが戻って来た。

「済まない。捕まったら大変だからな」

「ダメ! 離さない! 」

タオが強引に迫る。

うわ…… 気づかれた? 

ふう危ない危ない。

ミコをやり過ごしたところでタオが抱き着いてきた。


「先生! 」

「静かに…… まあいいか? 」

こうして二人は愛し合った。


異世界生活も十日目を迎える。


                 続く

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