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誤算! 合言葉が違う!

ついに本格的に異世界探索を開始する。


館を離れミラーロード超えるとショップエリア、住宅エリアと順調に進んでいく。

昨日までの道をただなぞっていくだけだから今のところ問題はない。

体調も万全で特に留意することもない。

化け物出現スポットも難なく通り抜ける。


朝早くに出発したこともありここまで昼前に踏破。

予定通りことが進んでるようだ。

問題は日暮れとの関係。

もしこれ以上進んだら屋敷に戻ることはできないだろう。

今引き返すことも選択肢に入れるべきだろうな。

それだけは常に考えておく必要がある。

そんな風に考えごとをしてるといつの間にかチェックポイント。

第一チェックポイントってところかな。

大きな門が見えてきた。黒っぽい不気味な門がお目見えした。

ここを通り抜ければ第二ゾーン。

それはおそらく間違いない。


ついにデンジャラスゾーンへ。

想像の上を行く。しかも百倍は行くだろう。

とんでもなく恐ろしいところ。

想像するだけでちびりそうな場所。

今さらながらできるなら行きたくはなかった。


俺たちは一体何でこんな恐ろしいところへ行こうとしてるんだろう?

とてつもなく危険で軽率な行動を取っている。

もし引率の教師だというなら今すぐに引き返すべきだろうな。

だが第一ゾーンでは満足できない自分がいる。皆も嫌がる素振りを見せない。

それは二人が我慢してるから。男たちは自分の夢に向かっている。

それに対して女性陣はまだ経験してないから想像できないと見える。

結果的にそれが功を奏し何とかギリギリ保ってる状態。だが地獄はもう目の前だ。

命がけの異世界探索は緊迫し始める。


屈強な男二人が控えていた。

もちろん彼らも危険な任務に違いない。

とは言え大きな鏡がそこら中に捨てられたように置かれてるので危険は少ない。

確実に彼らを守ってくれるとは限らないが気休めにはなる。

どうやら彼らが門番なのだろう。さあ急いで済ましてしまおう。


上空を見上げる。

うん大丈夫。この近くには化け物はいない。

つい舞い上がって上空の監視を疎かにするとあっという間に餌食になる。

「通り抜けさせていただきたい! 」

挨拶は短いほうがいい。簡潔に要件を言う。

もちろんここは第二ゾーンの入口。

他に目的などあるはずがないのだが一応念のために伝える。


「ここは危険だ! 」

説得をする門番。彼らも本気であろう。

「お願いします! 」

「やめておけ! 」

「お願いします! 」

まったく気は変わらない。変わるはずがないのに押し問答を続ける。その意味は?

「仕方ない奴らだな。後悔しても知らないからな。もう勝手にしろ! 」

礼を述べて先を促す。


「合言葉を言え! 」

「合言葉ですか? 」

「そうだ! 合言葉を述べよ! 合言葉を述べぬ者は何人たりとも通さぬ。

ここから一歩だって通すものか! 」

そう二人同時に。

これが彼らの最大の見せ場で仕事である。尊重してやらねばな。


「それではさっそく。みぎ! ひだり! 」

「ダメだ! それでは通せぬ! 」

「何でよ? 合ってるでしょう? 」

アイが突っかかる。

すかさずミホ先生が宥める。


仕方なく合言葉を変えることに。

「ひだり! みぎ! 」

「間違っている! 次が最後だぞ! 」

三回でチャレンジ失敗となる。

それは俺も今さっき知ったこと。

これではいつまで経っても第二ゾーンへは行けない。

一体なぜ合言葉が違うのだろう?


「先生! 有料で詳しく教えるとあの男が言ってました。戻りましょう」

タオがどうやらこのからくりに気が付いたようだ。

「いやもう遅い。すでに店を閉めてるさ。どこに行ったか分からないぞ。

それに奴を捕まえても真実を言う義理はない。

我々をからかうか惑わすかが関の山だ」

男を追いかけてる暇はない。今は信じるしかない。


「しかし青井先生もう打つ手がありませんよ」

「そうだよミホ先生の言うとおりだよ」

「アイよ。これは俺たちに課せられた試練だ。自分たちの力を信じよう。

さあ考えるのだ皆! 」

仲間割れはせずに何とかまとまったかな。


                 続く

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