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朝風呂危機一髪

三日連続の夜の誘いは体力的にも精神的にもきついと無視を決め込む。

だが相手は一枚上手。誘っても来ないなら行ってしまえと部屋に押し掛ける。

そうなってはもう断れない。俺は渋々受け入れることに。

まったく何て強引なのだろう?

結局昼も夜も外も屋敷内でさえも落ち着くことはなかった。

もはや体力の限界だ。


夜の戦いを終え朝風呂へ。

ふう気持ちいい。睡眠不足が解消されるよう。

一人の時間を満喫する。

さすがに屋敷には怪物はいないだろうな。

だから安心して湯船に浸かっていられる。

でもやっぱり一人は寂しいものだな。

そろそろ飽きて来たことだし誰か入って来てくれないかな。

例えばミホ先生辺りが遠慮気味に。まさかのミルルだって構わない。

今の俺は誰であっても歓迎する。昨夜の女の子でなければ誰だっていい。

おっとこれは教師としてあるまじき思考。反省しなくてはな。


うんうん満足。風呂を浴びてリラックスもできたし切り替えるとしよう。

さあ今日こそは異世界を見つけるぞ!

一人で気合を入れる。

当然だが早いとこ見つけないと命がいくらあっても足りない。


部屋と同様の金ぴか風呂。

風呂場も鏡だらけなのでちっとも落ち着かない。風呂場だから当たり前か。

体を洗い急いで風呂から出る。

もう充分リフレッシュした。

昨日の嫌な思いでも昨夜のおかしな夢もきれいさっぱり流した。

新しい自分に生まれ変わる時。


「おはようございます」

ほぼ同時にミルルと鏡子が女風呂から出てくる。

何だタイミングは似た様なものだったのか。

だったらお邪魔しても良かったかな。ははは…… もちろん冗談だが。

「どうしました? 顔が赤いですよ」

「ははは…… 風呂から出たばかりですから。上せたのかな? 」

少なくても鏡子は俺に迫って来ることはないだろう。

構えつつ踏み込んでみる。


「鏡子さん。この屋敷は夜になると何か起きるみたいなんですが…… 」

信頼のおける仲間であり協力者の鏡子。

彼女なら詳しいことを知ってるかもしれない。

この怪奇現象が早く収まらないとな。

濁しつつ真相に迫る。そうしなければオチオチ寝てなどいられない。

睡眠不足になればぼうっとしてパフォーマンスだって低下するばかり。


「青井さんでしたか? そんなことありませんよ。

ここはあなたが想像するようなところでは決してありません。

唄子様の為に動く者が悪さをしてるだけでしょう。

ですがそれも限定的。あなたがしっかりしていれば恐らく問題ないのでは? 」

鏡子はどうしても黙ってられないのか強く否定する。

俺が貶したと思っているのだろう。

それにしてもこう毎日では神経が持たない。それ以上に体が持たない。


「そうですよ青井さん。私も何も感じませんし」

ミルルは鏡子の味方に付く。

おかしいな? なぜあそこまで大胆なのに誰も気づかない?

噂ぐらいあってもおかしくない。

それとも本当に俺の幻覚? しかし感覚はあるぞ。

まさか女性は守られているのか?

何か事情を知っていそうな鏡子の口ぶり。

どうやらターゲットは男性だけのようだ。

ミルルたち女性陣は今のところ目立った被害を受けてない。


「それで実は鏡子さんにお願いが。すぐに当主と会えないでしょうか 」

「急用でしょうか? 唄子様も何かと忙しいお方です。

恐らく午後以降になってしまいますがそれでも構いませんか? 」

もちろん今日中なら構わない。

詳しい話も聞いておきたいし鍵について知りたいしな。

鏡子に取り次いでもらうことに。


二人は一礼して部屋に。

二人は昔からの幼馴染らしく仲がよくここに来てからは我々と行動を共にする。

それだけに鏡子が我々を裏切ることはないだろう。

この鏡島で信頼出来る者は僅か。その一人がこの鏡子である。


朝飯まではまだ時間があるようなのでこの辺りをブラブラ散歩。

「ああ先生も朝風呂? いや何だか目が醒めちゃってさ」

昨日のことをきれいさっぱり忘れたかのような笑顔の二人。

着替えとタオルを持参し男風呂へ。と言っても暖簾がかけられている訳でもない。

ただ言われるまま使っていたがそう言えば夜は誰かと一緒になったことなかった。


二人が向かった方へ何も知らない女の子が入ってしまう。

「ちょっと待って…… 」

待てと言って待つこともなく二人のいる方へ。

これは急いで何とかしなくては。

二人に危機が迫る。


                 続く

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