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異変 疑惑のサプロウタ

動悸がする。これは一体どう言うことだ?

「まさかあなた…… 」

ミルルはそこで止めてしまう。

「どうしたミルル? 俺の症状について何か知ってるのか? 」

「その…… 」

ミルルは恥ずかしいと黙ってしまう。

それでは困るのでタオに話を聞いてもらうことに。

だがそのタオも焦ってただブンブン首を振るばかり。

俺の異変が何か関係あるのか? 一体何が?

隠せば隠すほど不安が押し寄せて来る。 


仕方なくアイが代わる。

「もしかして先生ムラムラしてません? 」

とんでもないことを言い出したアイ。

仮にそうでも言えるか!

だがここは包み隠さずに告白する。その方がミルルからも信頼されるだろうしな。


「恥ずかしい話そうなんだ。東常冬町に来てから強くなってな。

港辺からどんどん酷くなってしまって。アイもタオも覚えていないか? 」

「ああ…… そう言えば先生がおかしかった。かなりいやらしかった」

アイがストレートに答える。そこはもう少しぼかすほうがいい。

下品に思われても知らんぞ。


「実はそのタイプの方は本来ここを抜けられないはずなんです。

ですがそれでは不便と言うことで威力を弱めてる」

何て恐ろしい…… 凄まじいパワーがあるなこの鏡には。そしてミラーロードも。

「これってまさか? 」

「はい男性にのみ見られるものです」

これ以上は言えないと再びタオに。


「先生最近やっちゃいませんでした? 」

タオを経由してアイが語るのだがどうも言葉を選んでくれない。

これはプライベートなこと。

「いや未遂だし…… ああ昨日? 一昨日だったかな? 覚えてないわ」

ついアイの軽さに口が滑ってしまう。


一気に疑惑の目が行く。

そうすると当然相手は誰だとなる。変な犯人探しが始まる。

「いや…… 冗談冗談。俺は無実だ! 無実に決まっている! 」

言い訳でしかないがどうにか罪人にならずに済みそうだ。

しかし誰と何をしたって俺の勝手だろう? まったくゴシップ好きな奴らめ。


ミホ先生は当然理解…… 

ダメだ鬼の形相だ。なぜ怒る必要がある。

タオは諦めた様子。

アイはしょうがないなと庇ってくれる。

しかし相手など言えるはずがない。クルミなんだぞ。

ミルルがショックを受けてもし万が一やる気を失ったらどうする?

まさかこれってお仕置きとかあるのか?


「先生! あれ何っすか? 」

大声を上げるカズト。うん。さすがは一番弟子。師匠のピンチを救う行動。

実は彼が一番興味を示している?

「おお! これは凄い! もはや何と表現すればいいものか」

少々大げさだがこれくらいの情熱を傾けなければ。

当然さっきまでの話が消えてしまうような衝撃。


前景は白いモヤのせいで隠れている。

黒ずんだ赤茶色をしたクラシックな感じが妙に場に馴染んでいていい。

壮大とも言えるし神秘的とも言える。


開門。

あれ門が動き出したぞ。

門が開き招き入れられる。

「おーい! 」

「誰かいますか? 」

「済みません! 」

「一晩泊めていただきたいのですが」

調子に乗って好き勝手述べる。

まったくこいつらには呆れるぜ。

警戒しろよな? そんな甘いものじゃないと言ってるだろうが。

それでも浮かれてしまって見ていられない。


初日から口を酸っぱく言ってるのにちっとも改善が見られない。

やはり人が多すぎるせいで緊張が緩むんだろうな。

自分たちの方が数的有利だと勘違いする。

仮にいくら人数が上回っていようと悪意の者の前には打つ手はないのだ。

相手がどんな人間か見極める必要がある。

またはどんな化け物か見極める必要がある。


「おい静かにしろって! 」

だがちっとも届かない。

「こら! お前たちうるさいぞ! 」

見かねた男が注意してから一礼する。

ここの人かな?


「さあどうぞ」

「お邪魔します」

皆叱られたからか大人しい。

うん? 十…… 百……

かなりの数の部屋がある。

旅館でも始めるつもりか?

あまり見ては悪いので前を見ることに。


                 続く

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