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第二章突入

<第二章>

【タピるだけだと思ったのに! 】


<ZERO館>

ボロボロの旧校舎に足を踏み入れる。

恐怖の館に足がすくむ思い。

あーあ何て薄気味悪いんだろう。絶体に一人では入りたくない。

だが誰も居やしない。いいんだ。どうせ俺は孤独で一人ぼっちさ。


そう言えば生徒たちが学園七不思議だと騒いでいたな。

ここが七不思議の一つに数えられてるのか?

不気味で雰囲気はあるな。

もしかして俺呑み込まれちまうのか? いや考え過ぎか。 

うーん嫌だけど今日も元気に張り切っていこう!

気合いを入れる。


四月からタピオカ部の顧問に就任した。

前顧問が留学に帯同する関係で任せれたのだがどうも一年で済みそうにない。

もし戻ってきても俺が引き続きやることになりそう。

こうやってズルズルとタピオカ部顧問を続ける。

そうすると大学への復帰が遅れる。

それはそれで満足かもしれないが俺のキャリアはこれで終われない。


顧問を引き受けたは良いが就任早々風邪をこじらせ一ヶ月の長期療養することに。

英語の方は今年から赴任してきた新入りが代理を務めてくれている。

部活はそうも行かない。夏部やタピオカ部は顧問不在のまま一ヶ月が過ぎた。

その間両部の部長から定期的に連絡があり報告を受け指示を与えていた。

二人ともさすがは部長だけあって頼れる上にいい子そうだ。

ただタピオカ部元顧問の話ではそんな甘いものではないことが読み取れる。

どうかは実際会ってみてから判断するしかなさそう。


顧問不在時は原則活動を禁じられている。

だが危険がないことを条件に活動は限定的に許されている。

要するに会議と言う名のお喋り。集まって今後の予定を話し合うぐらい。

だから現状活動はほぼしてないことになる。随分と迷惑を掛けてしまった。


ゴールデンウイーク後の月曜日。初めてタピオカ部の部室へ向かう。

ZERO館の二階にその部室がある。階段をゆっくり上り廊下を進む。


コツコツ

コツコツ

遅くなったかな? 雑用を済ましていたらいつの間にかこんな時間に。

もう夕暮れ。夕陽が差し込んで眩しい。

タピオカ部の文字が見える。

さあ行くか!

最初はたとえ教師でも緊張するもの。

生徒たちは一ヶ月も経ち新入生も慣れてきたところだろう。


うん? あれ……

ふと隣の部屋が気になる。

関係ないはずだがどうも無性に気になってしまう。

世界探索部。ところどころ薄れたり剥げたりして見にくいが何とか読み取れる。


お洒落な天使かな? 妖精かな?

この醜悪な物は何だろう?

ケルベロス? 

少々不気味な絵に引き込まれる異様な世界。

うんいつかは俺もそんな世界に行けたらいいな。はい終わり。

余計なことに気を取られてどうする?

これ以上生徒たちを失望させられない。

さあ部室へ。


ZERO館には初めて来るがどうやら使用されてるのはこの二部屋だけ。

他は廃墟と化している。恐ろしく静かだ。存在感がない。誰もいないかのよう。

まさか本当にいないのか? いやそんなはず。部屋から明かりが漏れている。

一度立ち止り部屋の扉を思いっ切り横に引く。


ガラガラドーンバン

景気づけに思いっ切り開けたのがまずかったのか耳に響く。

ちょっと間が開いて叫び声が聞こえる。


キャア!

キャア!

ギャア!

イヤー!

あれ何だこれ?

意味も分からずに突っ立ってると叱責を受ける。いや…… それは俺の役目では?


「ちょっと! いきなり部屋に入らないでくださいよ! 先生? 」

代表者一名が吠える。恐らく部長だろうな。声に聞覚えがある。

その後ろでそうだそうだの大合唱。うっとおしくて敵わない。

もう静かにしてくれよな。


「あー悪い。悪い」

くそ俺が悪い訳じゃないのに…… 嵌められたか?

一度廊下へ出て一分ほど心を落ち着かせてから再度中へ。


「いや済まない。ちょっとしたハプニングだ。許してくれ」

なるべく感情を込めないようにする。

俺は気にしてないよと余裕ぶりたいだけだがどうも許してくれそうにない。


「うーん。大体皆揃ってるようだな」

「先生そんなところに突っ立ってないでこっちに来てくださいよ」

顧問だからな。当然生徒たちの指導をする。

部長に活動報告をしてもらい落ち着いたところで自己紹介。


                 続く

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