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アイされたいと願う

ついにアイの正体が分かった。

美人三姉妹二人とはまた違ったとんでもない趣味の持ち主。

そう俺を脅迫する気だ。間違いない。これは一気に危険な展開に。  


「そうかお前も秘密の課外授業に参加したんだったな。それなら分かるか」

もうアイをどう呼べばいいか分からない。

二人がいないのだから美人三姉妹の三女は違うよな。

だからって白々しくちゃん付けすれば逆鱗に触れる訳で。

だから関係性を気にしないお前。でも何だかしっくりこないんだよな。

三女がこの場合正解な気がする。


「先生何を怒ってるの? 私は誰にも言わないよ」

うわこの手を使うんだよな。怖い怖い。

笑顔で従う振りしてその場をやり過ごし明日にはおおごとに。

「悪いなアイ。このことは合宿が終わるまで内緒にしていてくれないか?

何とか最後まで顧問としての役割を果たしたい」

ついでにきれいさっぱり忘れてくれるといいな。

「本当に自分勝手な先生。楽しいことしてたんでしょう? 」

アイは薄々気付いてたのだろう。あの二人からちょこっと漏れ聞いたんだろうな。

自慢でもしたか? これではもう逃げきれない。


「意外にも頭がいいじゃないか。美人三姉妹の三女よ! 」

「それはやめてって言ってるでしょう? 恥ずかしい! 」

あれ……  おかしいな? 言われて嬉しいはずだが。褒め言葉だぞ。

「まさかお前。あの二人とは一緒に遊んでないのか? 」

「付き合いで少し。でも男の人は先生ぐらいだから」

「おいおいその言い方だとお前と俺が関係を持ってるみたいじゃないか」

いい加減おかしな物言いは止めろ! そう言えたらどれだけいいか。

脅迫者を前にしてどう振る舞えばいいか分からなくなっている。

取り敢えず主導権を握る為にもこちらから仕掛けるしかなさそうだ。


「ふふふ…… そうすると俺の気持ちも知ってるな? 」

余裕だ。こっちが立場は上さ。先生と生徒だからな当然だろう。

これがセクハラ? パワハラ? うひひひ…… おっとやり過ぎか。

「私って先生のお気に入り何でしょう? 」

「お前馬鹿か? 本人を前にして言うことじゃない。何がしたい? 」

だがアイは黙ってしまう。

まさか駆け引きでもしてるつもりか? それならあまりにも幼い。

リスキーな上にただ言い包められるだけだぞ。

俺が教師だから安全だと思ってるんだろうが甘い。

立場が危うくなれば脅迫者を始末することだって厭わない。

こんな夜遅くに一人で訪ねるべきではなかった。

ああそうか。ミホ先生ね? だが彼女だって俺が本気になればどうにでもなる。


「まあいいや。確かに俺は美人三姉妹の中ではお前がお気に入りだ。

そして恐らくタピオカ部の中でもな。単純に可愛いからな。

あのビキニ相撲での活躍で余計にな。

ははは…… ちょっと言い過ぎたか。別に裸を見たとかそう言う訳じゃない。

そもそも見えなかったしな。他は全員女の子。気にすることないさ」

慰めのつもりだがアイは恥ずかしがって俯いてしまう。

「よし説教はお終いだ。もう寝ろ! 」

アイの気持ちを無視して勝手に終わらせる。これは嫌われたかな?

少なくても失望はしただろうな。幻滅ってか?


「先生! 」

だがなぜか体当たりされてしまう。俺を殺す気なのか?

「先生好き! 」

「はあ? 何を言ってるんだお前? 」

こいつはバカだからまともに話も聞いてなかったのか?

だからってこの展開は異常。ついて行けない。


「先生も私がお気に入りだって…… 」

「そう言う意味ではなく…… いやそう言う意味だが…… 」

「お願い! もう少しこのままで」

いや吹っ飛ばされてるだけだから。これは抱き合ってるとは言わん。


「そうか。…… お前も二人と同じか? 俺を支配したいんだな? 

さすがは美人三姉妹だけあってテクニックは身に着けてるらしいな」

「先生? 」

「違うと言うのか? もし本気なら止めただろ? 俺たちの金曜日の楽しみをな」

「それは…… 」

「もういい! 今夜のことは忘れろ! 俺も言い過ぎた」

「でも最後に…… 」

なぜかこっちから抱きしめろと無茶な要求をしてくる。

断われば当然すべてバラすつもりだろう。

ことを収める為にもやるしかない。

「先生早く! 」

「アイお前…… 」

躊躇いながらもきつく抱きしめてやる。


こうして異世界探索一日目は過ぎて行った。


二日目へ。


                  続く

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