新たなチーム分け
二回目のチーム分け。今回は生徒たちによる話し合いで。
さあどう言うやり方でどんな組み合わせになるのかな?
これもミホ先生と充分に話して決めたこと。
前回は二択を迫ったが今回は自発的に決めてもらう。
こちらの方が絆も深まるだろうし責任感も出てくるはずだ。
一日を終えどうも無責任と言うか自分勝手な言動が目立った。
しかもすぐ俺たちを頼ろうとする。これではいけない。
だからもう一度チーム分けをすることに。
「くじ引きはどう? 」
カズトは話し合わずに運任せらしい。
思考を放棄するとは面倒臭がりに違いない。
または何か思惑でもあるのか?
「部で分けてはいかがでしょう? 」
パピコは日頃からの仲を重視。女性同士が良いらしい。
「それいいかもな? ミコはどう思う? 」
イセタンが大人しくしてるミコに振る。
「ジャンケンでいいんじゃないですか部長。興味ないですけど」
「そうだな。ジャンケンが一番公平だな」
おいおいジャンケンでは決まらない気が……
そうか。代表が一人ずつ選んでいくってことね。
でもそうだと最後まで残った子が可哀想な気もする。
俺も前回ミホ先生に全員持っていかれたから気持ちが痛いほど分かる。
ジャンケンはトラブルの元。
とは言え生徒たちが真剣にチーム分けを考えてるところは見ていて楽しい。
「やっぱりタピコが言うように男女別が良いよ」
いつの間にか俺だけでなくタピコ呼びをするようになったアイ。
やはりイセタンたち異世界捜索部の連中は嫌なのかな?
「誰がタピコよ! 」
俺の真似をして怒られるアイ。まだタピコ呼びは許してないらしい。
「ねえ先生。良いと思うでしょう? 」
甘えた声を出すアイ。これには本当に弱いんだよな俺。
「それだと体力的に差が出てしまう。
勝手に口出しして悪いがなるべく二チームの差がない方が良いんだ」
自分の考えを述べる。却下しないがお薦めはしない。
「ジャンケン! 」
「くじ引きだって! 」
「部活別! 」
「男女別! 」
くそ! ちっとも決まらない。このままでは雰囲気が悪くなる一方。
「よし分かった! 部活別にしよう」
決まる気配がないので仕方なく最初の組み合わせのまま。
「えー」
カズトから不満の声が上がる。
どうやらくじ引きと言ったのにもそれなりの思惑があったのだろう。
イセタンはうんうんと頷いてる。
彼は仲間想いで異世界捜索部に誇りを持っている。
だから余計なのが来て欲しくないと考えてるのだろう。
それに対してカズトの残念ぶりを見るとタピオカ部と仲良くなりたいんだろうな。
どっちだ? ただ女子ならミコで良いのだから。
狙ってるのはアイ? やっぱりかわいいもんな。
ミコは相変わらず興味を示さない。チーム分けなどどうでもいいんだろうな。
冷静で大人。一番頼りになる。でももう少し興味持ってくれると助かる。
「では部活別にします。それ以降はその都度組み直すでいいですね? 」
ミホ先生が仕切る。
結局生徒の自主性に任せると言っておきながら口を出してしまった。
とは言えやはり男女別ではバランスが悪いよな。
「ハーイ」
こうしてチームが決まった。
Aチーム。
異世界探索部三人とミホ先生。
Bチーム。
タピオカ部の二人と青井。
うん思った以上にバランスが取れている。
ただ無駄だったかな。結局前と同じ部活別では。
変に対立を煽っただけになってしまった。
「よし決まった! 誰も文句ないな? 明日はこれで行く。準備は怠るな! 」
「分かりました! 」
「よし、もう寝ろ! 」
「はい! 」
ミホ先生を残し生徒たちは部屋へ。
「ミホ先生。あいつらはもういませんか? 」
「ええ。青井先生はこれからどうしますか? 」
「もうすぐしたら寝ますがどうも興奮してしまって寝れないかも」
冗談を言って反応を見る。
「もう子供じゃないんだから! 」
ミホ先生の反応は分かり辛いから困るんだよな。
これはどっちだ? 嫌がってないよな? OKってことで。
ではもう少し踏み込んでみますか。
「ミホ先生…… 一緒に寝ていただけませんか? 」
「はいはい。冗談はそれくらいで」
あまりにも直接的過ぎたか? これは完全に嫌われた? それはないよ。
ここは切り替えるしかなさそうだ。
「待ってください! 明日の確認事項を。それから見回りも。
何かありましたら報告お願いします」
十分後ミホ先生が戻って来る。
「どうでした奴らの様子は? 」
「興奮して眠れないって言うんですよ。ふふふ…… 」
冗談っぽく言うが恐らく男たちは本気だろう。
「実は俺も。困ってるんです」
「あらもう子供なんだから。私も明日が楽しみです」
やっぱり今日は無理だな。まだ日が浅い。
ここは諦めますか。
続く