今日もまた、日記に記す
人の子は、なんと愚かなのでしょう。
人の子の先祖を辿れば、いずれは神の元へ行き着くというのに。感謝を忘れて……。
ただ、私達『神』も人の子を責める気はありません。
私達……。
少なくとも私は、人の子に愛着があります。
1つ、忘れてほしくない事を言うとするならば、『神様』と
いう存在を…………。
いえ、やめておきましょう。
それは、人の子自身で見つけるべき事です。
これは、私が戯れに記した『神様』の日常を描いた日記。
そういうことに、しておきましょう……。
☆。.:*・゜
「朝ダヨゥ!おはよぉーー!」
『天界』と呼ばれるセカイで、今日も1日が始まろうとしていた。
先程叫んだのは、『幻惑神,ムゥル』。
黒くふわふわした髪の毛は、先の方にむかうにつれ、淡い
浅葱色に染まっている。
訳あって下半身の無い状態である。
そして、彼。ムゥルが起こそうとしたのは……。
「いつも五月蝿いなぁ……」
『蟲神,ノゥル』という神。
手のひらほどのサイズで、背中には蝶の羽があります。
髪の毛は、紫のかかった黒。
顔立ちが美しく、さながらドールのようです。
ニコニコと笑うムゥル。
苦虫を噛み潰したような顔のノゥル。
この物語は、この2人を中心に歩みを進めていく……。