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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

とんこつスープ

作者: 森池優斗

前線の司令官が投石に当たってひしゃげることはよくあることだ。

その場で死んでくれるなら良い方で、時には円運動しながら飛んでいくこともある。大抵、こんな時には死体の鎧に当たって周りの兵士も死ぬのだ。

全く持って迷惑なものだ。


今日死ねばそれで終わり、生き残れば明日も戦う。

朝隣にいたやつが夜にはミンチになっていることもしばしば。


新兵の頃は命がけで戦い神経が昂って寝れず、慣れてくると疲れて寝る以外のことはできなくなる。熟練の兵士になる頃には暇を持て余すようになる。


403連隊の熟練兵たちが暇つぶしに始めたのがとんこつスープ作りである。

材料は至ってシンプル。我らが陣地に毎日のように突っ込んでくる活きのよいオークの肉と骨だ。

本来、魔物は食べれるようなものではない。硬い、臭い、まずいのすべてを兼ね備えている。

それを暇をいいことに飽くなき探求心を持って辛うじて飲めるものに仕上げるまでに至ったのだ。


辛うじて飲めるものを作るために必死になってオークをぶっ殺す。

そんな様子を見て新兵たちは俺たちに尊敬の視線を投げてくる。


だけど、本当は違うのだ。

一緒に前線に来た奴らはとっくに死んでいて、帰還許可が出るまで生き残れるなんて誰も思っていない。

気が狂いそうな現実から目を背けようと必死になった結果がたまたまとんこつスープ作りに行きついただけだ。


我ら403連隊。今日もとんこつスープを作り、明日も誰かが作る。


ランダム単語ガチャ(https://tango-gacha.com/)様から3単語を排出して頂き製作しました。

よろしければ、何の単語が排出されたか感想で頂ければ幸いです。

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