全て地雷なんてあり!?
ある日、気まぐれで買った
バーチャルリアリティゲーム。
私の日常がその時、ガラリと変わった。
「これが、今話題のゲーム…
始まりの世界か…
ネットでも高評価が多いけど、
ものは、試し!!」
私は、手に持っていた機械を装着して、
ベッドに横になった。
機械のスイッチを入れると
視界が一気に変わり
不思議な空間に出る。
「うわぁ…ここがゲームの中かー。
今のゲーム業界凄いなー。
っと…設定しないと…」
目の前のステータスを設定する板に
触れながら表示されているスキル
を確認していく。
「うーん。習得できるスキルは、三つ。
ここで習得したスキルから派生した
スキルで今後活動するのね…
魔法使いとかやってみようかな…?
ん?何か小さく書いてある…」
『この先のスキルは、ここでしか習得できない
上位スキルです』
「限定スキルってことかな!?
えーと…製造・採取・創造
よし!これにしよう!!」
まずは、楽しむことを考えながら
画面を進めていく。
「あとは、名前か…本名から取った方が
馴染みやすいよね…
うーん…アカネでいっか!」
少し考えてもいいのが浮かばないため、
そのまま本名を入力する。
『お疲れ様でした。
よい、ゲームライフを
お楽しみください。』
「え?ちょ!?
まだステータスの振り分け!!」
茜が消えた場所で無機質な声が
響き始めた。
『特殊スキル…錬金を取得されました
規定スキルの確認…調理を取得
製造・採取スキルを確認…
称号…生み出す者を取得…
称号生み出す者の効果により…
ステータスの振り分けが行われました
規定ステータスの上昇を確認…
ユニークスキル…創造神を取得
ユニークスキル創造神と
称号生み出す者を確認…
エクストラスキル…???を取得…』
町の広場で、データが構築され
アカネは、ため息をついた。
「ついちゃった…
自分でステータス振れないなんて…」
「えっ…君、
ステータス振れなかったってことは、
あの三つのスキルの
どれか取ったの!?」
落ち込む茜に、声をかけてきたのは、
青年だった。
「えっ?そうですけど…」
「あれ、全部地雷なんだよ。
どれか一つでも持ってると
ステータスのどれかが、
極端に上らなくなるんだ。」
「え…」
「このゲーム、アバターの作り直し
設定がないから…
まぁ…気を落とすなよ…」
そう苦笑いで言うと早足で
茜から離れていく。
他のプレイヤーも二人の会話を
聴いていたのか、不自然に、
目を逸らしていた。
こうしててもしょうがないと、
アカネは、人目のないところを探して
歩き始めた。
…
人目のない路地裏で、ステータスを、
見たアカネは、頭を抱えた。
「STR0とかどうやって攻略すんのよ…
しかも、知らない間にスキル増えてるし…?」
ステータスの表示画面でSTRの部分だけ
色が違う事に気づいたアカネは、
その部分に触れて現れた説明を
読んで崩れ落ちた。
「初見殺しにも程があるわよー!!!」
『エクストラスキル???
の影響により、この能力値の変動は、
一切不可。』
「なによ…???って、
スキル名すらわからないとか…
うぐぐ…やってやるわよ!
こうなったら、このまま楽しんでやるわよ!!
そして、こんなバカな初見殺し考えた
奴をギャフン!と言わせてやる!!」
そう決意して、
もってるスキルや称号を確認していく。
「うーん。調理は、
そのまま料理をするやつとして、
錬金って、あの錬金だよね…
これをうまく使えば、
戦えるようになるかもしれない…
称号の生み出す者は、
ステータスの自動振り分けにボーナス!?
創造神は、作った物にランダムで評価プラス!?
???は、レベル不足で説明の観覧不可…」
「あとは、最初に選んだ製造と創造…
製造は、レシピの公表されてるのを
模して作れる。
創造は、製造に、アレンジをしたり、
自分のオリジナルを作れる。
採取は、材料を集めるのに必要…と…」
一通りもってるスキルを確認して、
アカネは、手持ちの道具を確認する。
「食料のパンに…制作キット…
ポーション…所持金500G…終わり…」
素材すら、無いとまた頭を抱えると
素材屋を探す。
「ひとまず、なんでもいいから錬金で
攻撃アイテムを作ろう…
できれば、安い素材でいいの作れるといいな…」
アカネ レベル1
STR0 VIT5 DEX8
AGI4 INT5