表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/61

目覚め

 静寂の中、偶に水滴が落ちる音が響き渡る。


 俺は深い眠りからゆっくりと覚醒していくが、頭の中に靄がかかったように、ぼんやりとまどろんでいる。

 どうやらうつ伏せになったまま寝ていたようだ。

 そろそろ起きるかと体を起こそうとすると、いつもと違う感覚に襲われ、そのまま倒れこんでしまう。


 起きようと手をついた感触と、倒れこんだ時の衝撃から、どうやら自室のベッドではなく砂地のような場所で寝てしまっていたようだと気が付く。


(・・・どこで寝落ちしたんだ俺は)


 (いぶか)しみながら、うつ伏せのまま目を開けて周囲を見渡してみる。

 しかし、周囲は闇に覆われており何も見えない。


(ここはどこなんだ?)


 しばらく目を細めて何か見えないかと周囲を窺っていると、闇に慣れてきたのか少しずつ周囲の様子が見えてくる。

 ピロン!と小さくベルが鳴るような音がするが、それを気にする余裕は既になく、自分が置かれた状況が理解できず困惑する。


 闇の中から徐々に見えてきたのは岩場。

 洞窟だろうか。

 自分が寝そべっているのは、そんな岩出できた洞窟の中にある砂地でできた地面のようだ。


(あんなゴツゴツとした岩の上じゃなくてよかった)


 そんなことを考えつつ、もう一度起き上がろうと手に力を入れようとする。

 先ほど起き上がろうとした時と同じ違和感を覚える。

 まるで自分の手じゃないような・・・と自分の手を見てみる。


(手が・・・ない・・・?)


 いや、確かに手はある。

 あるのだが、それは手というより何かの前肢のようだ。


 慌てて周囲を見渡すと、右のほうに水たまりがあるのを見つける。

 先ほどからしている水滴の音は、天井から落ちた水滴がこの水たまりに落ちた時に鳴っていたようだ。

 水たまりの際まで急いで四つん這いのまま進み、覗き込んでみる。


 すると、水たまりの中から覗き込んでいる爬虫類のような生物が見えた。


(トカゲになっている!?)


 ◇ ◇ ◇


 俺、知立(ちりゅう)銀次(ぎんじ)は、起きる前の事を必死に思い出す。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ