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洗練されてないものには、あたたか味が宿る

作者: 樋口諭吉

 洗練されてないものには、あたたか味が宿る。

 我輩がそれを保証しよう。


 都会のクラスで一番かわいい子に対し、田舎のクラスで一番のかわいい子に宿るあたたかみ。


 イケメンで女友達のたくさんいる細マッチョな彼氏に対し、ぽっちゃりしたあなた思いの彼氏に宿るあたたかみ。


 おしゃれなだいだい柚子ゆずに対し、酢橘すだちに宿るあたたかみ。


 お鍋の美味しい季節です。なに? ゆずぽん派? よろしい、ならば戦争だ!


 きのこの山に対し、たけのこの里に宿るあたたかみ。


 苦情は、コメントで聞こうじゃないか!


 澄んだ黄金色のピルスナーに対し、濁った赤色のボックに宿るあたたかみ。


 アルコール度数が高いだけ? そこに気付くとは天才か?


 フルーティーな山田錦に対し、米臭くて無骨な五百万石に宿るあたたかみ。


 碧寿も萬寿もおいしいよ。


 ブランド物のカシミアのセーターに対し、彼女がくれた不格好な手編みのセーターに宿るあたたかみ。


 ふっ。そのセーター、実は彼女がフリマで買った、近所のおばちゃんが編んだセーターなんだけどなッ!


 洗練されてないものには、あたたか味が宿る。

 我輩がそれを保証しよう。

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― 新着の感想 ―
[一言] 温かみ。良い言葉です・・・( ;∀;) (何があった)
2018/12/07 13:59 退会済み
管理
[一言] 洗練してないとディスられたとしても、好きだと言ってもらえる事の有り難みを思い出せました(*´∇`*)
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