戦闘候補生
旅立ち
「コラ!!シン!!何やっとる!!朝の鍛錬の時間5分前じゃぞ!!」
これは俺のジーちゃんといっても血はつながっていない。
「わーってるよ!もう外出るよ!じーちゃん!」
そしてこれは俺シン・ボイリア
「コラ!!」
バコッ!!木刀で頭をたたかれた。
「いって!!いてーよ!!なにすんだよ!?」
「鍛錬中はジーちゃんではないっ!師匠様じゃ!!」
「はいはい、ごめんなさい。お師匠様。」
バコっ!!
「返事は一回じゃ!」
「はい。ごめんなさい」
相当怖いのでジーちゃんには逆らえない。
こうしてジーちゃんと俺の毎朝が始まるのである。
ジーちゃんの名はジャンク・ボイリア。本名はジャンク・マキシマムスらしい。ありとあらゆる武器の使い手で過去には世界的に有名だったそうだ。しかし今は分け合って雲隠れをしながら細々と機械修理と剣術道場をやって暮らしている。生徒数3人すべて俺の幼馴染だ。
帝国が全宇宙を支配してから18年の月日がたっていた。そして今日は帝国学院高校の入学日だ。
俺には変わったことがある、なぜか生まれた時から前世の記憶なのか夢なのかちょこちょこあるのだがいまいちはっきり思い出せてはいない。そしてうっすらと思い出せる母の顔。正直覚えていないといってもいいレベルである。自分でもいろいろ試してみてはいるのだが一向に思い出せずにいる。
「ふぅ・・・。」
朝の鍛錬が終わり家に入ると相変わらずの朝飯が置いてあった。
毎度おなじみ米に味噌汁に納豆に目玉焼きにウィンナーだ。まぁ、the朝飯って感じで俺は満足している。
「シン。今日から戦闘候補生じゃの・・・。わかっておるな?目立った行動や。。」
「大丈夫!わかってるって、目立たない。怒らない。弱い者いじめをしない!!わかってるよ!」
「あと、何かあったら必ず連絡するんじゃぞ?んーそーじゃなーあとー・・・・。」
「じーちゃん、大丈夫だよ!夏にはまた帰ってくるし!」
ピンポーン
「おーい!シン!!もうでれるのか!?ぁっ!師匠!おはようございます!!」
こいつはマーボ・サンチュ。剣の腕もなかなかの俺の親友だ!頑固でおせっかい。これだと思うと止まらない猪突猛進タイプの男。友情には厚いが暑すぎて煙たがられることも…。
「お前はいっつも遅いから…。おはようございます…。ぉ師匠様…。」
このもごもごしてる奴はルー・コライゾン。魔法やピストルなどの遠距離や支援が得意な奴だ。たまに変な薬を作ったり使ったりしていて気味がられているが根はとてもいいやつなのを俺は知っている。
「おーおまえたち、シンを頼んだぞい!そしてお前たちも気を付けるのじゃぞ!困ったときはみんなで協力じゃ!」
「師匠・・・いってきます!!」