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×5 祝祭の表裏  作者: 有栖川優悟
3/8

*参拾参

おうぎ

 八人ミサキのことを知ってから数日後。私はとあるニュースを目にしてしまう。


『えー、次のニュースです。人気アイドル・八人ミサキのメンバーの御崎みさき志歩しほさんが行方不明になりました』

 つまりそれは、学校に御崎が来れない状態にあることを表す。どこかに誘拐されたとか、監禁されたとかだろう。いや、でも彼女の能力は並大抵の犯人なら殺せるはず――もしかして、彼女が信用している人が犯人だったりするのだろうか。

 となるとプロダクションの社長か、プロデューサーか、マネージャーか…ないとは思うが肉親か、八人ミサキの他のメンバーか、他のグループのアイドルか…異形絡みのことならまた私が関わる任務になるのだろう。


 そして、その予感は意外な形で的中することとなる。



 ***



「今日の任務は扇達三人に加えて、元メンバーの二人…つまり合計五人で当たることになった」

 すめらぎさんが言う『元メンバー』とは水沢みずさわさんとダチュラさんのことだろう。

「どうしてですか?」

「始末するのはそこのプロデューサーの仁坂にさかひとみだが、まずたくさんの社員をどうにかしなければならないからな。あいつらは殆どが屍人ゾンビだ」

 屍人。何らかの力で死体のまま蘇った人間の総称で、「腐った死体が歩き回る」という描写があれば大抵はこれに当てはまる。

「っえ…屍人ばっかりのプロダクションって…」

「それを束ねるのが死霊術師ネクロマンサー。死霊術師は死体や死霊を操る能力を持っているだけで体の作りはほぼ無能力者ブランカーなんだよ」

 そう補足していく水沢さんは死体愛好家ネクロフィリアである。

「そいつらは一応は超能力者サイキッカーに分類される。超能力者は無能力者より少し強いが、異形の中では限りなく弱い。だから屍人さえどうにかできれば死霊術師を倒すのは割と楽だ――普通の異形よりはな。ただ屍人をどうにかするのには、倒す側の人数が少なければ少ないほど時間がかかる」

 なるほど、だから五人もいなければ足りないのか。

「なんか久しぶりの任務だから気が乗ってこない?ウチ、親に捨てられた後育ての親を屍人に殺されててさ、あいつらが生みの親と同じくらい憎くてしょうがないんだよな…」

「なるほどねー。私は死霊術師見てるとさー、すごく勿体無い気がするんだよね。死体は動かないからこそ魅力的なのに、なんでわざわざ自分で動かしちゃうかな?勿体無いことするものだね」

 あの二人はそれぞれに恨みがあるのだろう。

「殴り込みってやつですね!」

「うんうん。私達で倒してやろうじゃないか!」

 しきみといい、菊里くくりといい、なぜ乗り気になっているのだろうか。しきみも菊里も、元メンバー二人と違って向こうに恨みはないはず。と言っても私が乗り気ではないといえば、嘘になるが。

「それじゃあお前ら、任務開始だ!」

「「はい!」」

 五人分の、声が重なった。

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