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×5 祝祭の表裏  作者: 有栖川優悟
1/8

*参拾壱

岸波きしなみ おうぎ

この作品の主人公。平凡な無能力者ブランカーの少女だったが、異形のクラスメイト達を見返すためにアヴァロンへ入り、“破壊の狂戦士”ベルセルクとして異形を抹殺する行動に出始める。

笹部ささべ 穂香ほのか

無能力者とクタニドのクォーターで、嶋村の従姉妹でもある。ちなみに目が金色なのは遺伝である。また、怒ると怖い。

吉野よしの 陽菜はるな

サバサバした性格のクトゥグアの少女。炎を操ることができる。いちごミルクをこよなく愛する。

間宮まみや しのぶ

穂香と扇の間の席の少女。イモータルであるためか、異常なまでの自殺願望を持っている。紅茶に飴玉と練乳を入れて飲むくらいには甘党である。

時坂ときさか 神楽かぐら

このクラスには数える程しかいない無能力者。不幸体質で、スクールバッグにいつもお守りをつけている。


駿河するが 東香とうか

三年B組の、ハスターの少女。生徒会長を務めている。基本的に何でもできるので、扇に劣等感を持たれている。

日笠ひかさ しきみ

三年B組の、雪女の少女。コードネームは「エンジェル」。

能前のうまえ 菊里くくり

三年C組の、妖狐ようこの少女。コードネームは「エクスカリバー」。

すめらぎ 昏羽くらは

アヴァロン本部長(長官)を務める、死神の女性。

 夏休みも明け、九月を迎えた朝葉原ともはばら。そこに位置する学校・銀庭ぎんてい学園では一年に一回の文化祭が開かれようとしていた。

「どうする?」

 ホームルームの先頭に立つのは学級委員の岸波きしなみおうぎ。彼女にとってはこの学校での文化祭そのものが初めての経験であるが、同じく学級委員の千石せんごくと共にクラスを先導している。

「はい!」

 真っ直ぐ手を挙げたのは八神やがみ

「私も初めてなんでよくわからないっすけど、喫茶店とか!」

「王道じゃん八神ちゃん!」

「あの…喫茶店をやるなら、ただの喫茶店じゃなくて、コンセプトを付けたほうが良いのではないでしょうか?」

「それもそうだねー…あ!」

 陽菜はるなが何かを思いついたのか、目を見開いている。

「例えばファンタジー喫茶とか!」

「いいじゃんそれ!うちのクラスには異形とか結構いるし!和洋ごった混ぜのファンタジー喫茶でしょ?」

「ですね!私は賛成です」

「扇ちゃんはありだと思う?」

「うん、そうだね」

 黒板にチョークを走らせ、『ファンタジー喫茶』という文字を書く。

「賛成の人ー」

 扇が声の束を投げ入れると、満場一致で賛成の声が上がった。

「それで客引きとかどうするの?」

「はい!まっかせといて!」

 意気揚々と名乗りを上げたのは御崎みさき志步しほ。今大人気のジュニアアイドルグループ『八人ミサキ』の一人である。

「私もやるっす!」

「…私も売り込みがしたい」

「そっか…じゃあその役割分担は明日のショートホームルームでしていくってことで!」


 扇はまだ、自分が『八人ミサキ』の騒動に巻き込まれることを知らずにいた――

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