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第一話
…目が覚めると、白だった。
見渡す限り、白くて、白くて。
意識がはっきりしてきた頃
まずは自分が誰なのかを考えた。
頭が重い。
自分という存在を認めることすら
気だるくて、億劫になった。
今、分かることと言えば、自分が女で
白いワンピースを着ていて
この世界が真っ白だということだけ。
それ以外はポッカリと記憶がなく
考えるだけで頭が痛くなった。
どのくらいその場でボーッとしていただろう。
時間の感覚もない。
風もなければ、匂いもない。
ここはどこなんだろう。
自分は何故ここにいて、眠っていたのか。
……そうか。
夢を見ているのだ。
もう一度眠ればきっと
この世界から出られるだろう。
真っ白な世界に真っ白なワンピース。
なんだか自分が消えてしまったようで
気味が悪かった。
体もだるいし、もう一度眠ろう。
現実がどんな世界だったかは
思い出せないけれど
この世界にいるよりは帰りたかった。
もう一度、もう一度眠ればきっと……。