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あいへいとゆー 4

「お願いだからマジで死んでください。大嫌いだからです。他に理由がいるんですか?ただあなたのことが嫌いなんです。嫌いのレベルは最高値数ですよ

「ゴキブリの次に嫌いです。ゴミ溜めの次に嫌いです。自分の次に嫌いです。順位なんか意味ないくらい嫌いなんです。

「だからマジで死んでください。ためらいもなく消えてください。あ、でも迷惑かけないように死んでくださいね。死ぬときまで迷惑かけるとか神様も苦笑する勢いでウザイですから。

「こんなに私が嫌いなのに、まだ愛されたがってるんですか?諦めてください。それとも馬鹿なんですか?

「あなたを産まなければ良かった。そう言ったはずですよね?」




「―――…お兄ちゃん」


目を、開ける。

ああ…生きてる。

僕は天井を掴むように手を伸ばし、動くことを確認する。

反対の手で腕をつねって、痛みを感じる。

生きてることの、確認。


「うで、いたくないの?」


シミルが不思議そうに僕を見る。

上から覗き込んで、首を傾げていた。

シミルが僕の宿舎にきてから一週間。

慣れたのか、我が物顔で僕のベッドに飛び込んでくるようになった。


「…痛いよ」


「じゃあなんで、ぎゅーってするの?」


「……クローンだから。人間のお前じゃ分かんないよ」


答えるのが面倒くさくなってきた。

シミルは疑問ばかりを口にしている。

僕が答えられない事ばかり。

クローンじゃないシミルには、分からない事ばかりなのかもしれないけれど。


「ねぇ、シミルとお兄ちゃんってなにがちがうの?」


「…いろいろ」


ベッドから起き上がり、まだぎゃあぎゃあ喚くシミルの髪をくしゃり、と触る。

痕がないからクローンじゃないことは分かったけれど、それ以外はまだ分からない。

その事について、シミルは全く喋ろうとしない。

ずっと僕の服の裾を握って黙るだけ。

…根負けした。


「お兄ちゃん、きょうはどこいくの?」


「…お前、またついてくる気かよ」


「シミルもいっしょにいく!」


すっかり勝てなかった。

最近仕事に一緒についてくるシミル。

はじめの二三日は待ってろと言ったら、黙って待ってたのに。

ユガミもそれを察してか、あまり危険な仕事を持ってこなくなった。

その代わり、粘って頭を使うような…捜索型のものばかり。今はクローン猫の捜索を担当している。ペットのクローンは既に流通しているので、こういう仕事がおそらく大半だ。

僕がやってきたクローン犯罪なんて、けっこう希少な仕事。危険が多いので、誰もやりたがらない。


「シミル、お兄ちゃんといっしょがいい!」


駄々をこねるとはこういう事か。

僕は渋々頷き、ユガミに連絡をする。

電話向こうから、あっさり了承の声。

心なしか嬉しそう。また読まれていたようだ。


『シミルと一緒だと楽しいだろ』


明るいユガミの声。


「お兄ちゃーん!

シミルのおようふく、どれきればいーの?」


飛び付いてくるシミル。

一緒に行けて嬉しいのか、テンションが高い。


「……前より、部屋がうるさい」


シミルの頭をくしゃくしゃしながら、僕は電話を切った。




二週間経った。

シミルが僕のベッドで一緒に寝るようになった。

シミルと名前で呼ぶようになった。

二人で食べるご飯がおいしいと思うようになった。

よく分からない夢を、見なくなった。


その朝、シミルがテレビに出た。

『大統領の娘が、失踪していた。警察は誘拐の線も含め、捜査を開始していく』


僕は驚いてテレビをもう一度凝視する。ベッドですやすやと寝ているシミルと、やっぱり同じだった。

イイネ!コメント



コメント


彩輝

何と! シミルは大統領の娘だったんですか。

ヒビキとユガミは大丈夫なのでしょうか。

人間ならともかく、彼等はクローンなので、心配です。


シミルと一緒にいるようになって、徐々に安定してきたヒビキ。

子供だから素直に疑問を口にして、一緒に行くと我がままを言うシビルを無自覚に愛おしく思うヒビキ。


続きがハラハラドキドキです。

2


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