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中2な世界の攻略方法  作者: 銀焔
始まりはVRMMORPG
2/2

第1話 主人公vsスライム

短いです。

「ここは……?」

『ようこそ、SaSの世界へ。』

見渡す限り真っ暗な空間から突如、

金髪碧眼の愛らしい少女が現れた。

『私はヘルプ。プレイヤーを助ける役割を持っています。』

「そのまんまだねー?」

『そのままの方が親しみやすいでしょう?』

「ま、確かに。」

わかりやすいし、納得かも。

『では、軽くこの世界について説明させていただきます。』


どこが軽くだ!

そう叫びたくなる位話は長かった。

とりあえず、重要な事を纏めるとこうだ。

ある空間で神が目覚めた。

けれども、ぼっちでさみしかったので7人の王を創り出した。

神の心を7つにわけて生まれたそれらはそれぞれ、傲慢、憤怒、嫉妬、色欲、怠惰、強欲、暴食という所謂、七つの大罪と呼ばれるものとなり、暴れまくった。

そして時が流れ、いつしか争いは鎮まっていったが、ある時、とある大罪の生まれ変わりだと名乗る者が現れた。

当初は全く気にしていなかった隣国の王たちも次第に真実を理解していく事となる。

傲慢の生まれ変わりは自らの国をつくり、侵略を開始したためだ。

それからは、七つの大罪の名を名乗る者がちらほらと現れては戦うことを繰り返しているらしい。

そして、今回のゲームでは半年後、

七つの大罪を持つ者を抽選でプレイヤーの中から選ぶとか。

「ま、中々面白そうでいいと思うけどね。」

『チュートリアルを開始しますが、

よろしいですか?』

ヘルプちゃんの声でふっと我にかえる。

「よろしくー。」

『では、チュートリアルを開始します。まずはステータスを開いてください。』

ステータスって唱えればいいのかな?

「ステータス」

ポンっと軽やかな音をたてながら目の前に自分のステータスが現れる。



Name:レティシア(レティ)

Lv.1

Skil:



うーん?これだけ?

『SaSでは、ステータスは表示されません。初期設定の際に振っていただいたステータスを元にアバターは成長して行きます。

そして、日常の行動がスキルなどの形でその人の能力となります。』

うん。まぁ、なんとなくわかった。

リアルとあんまり変わらないんだ。

魔法とかあるけどさ。

『これから、〈始まりの地〉というチュートリアル専用のフィールドを解放します。このフィールドは他のフィールドとは異なり、パーティーを組んで挑むことはできません。また、一度このフィールドから出てしまうと再びフィールドに入ることはできません。出る際は私を呼んでいただければ対応いたします。それでは、よろしいですか?』

「もち、準備オッケー!」


説明は一通り聞いたし、早く〈始まりの地〉を出よう。

そう思っていた時期もありました。

よく考えてみよう。

いや、考えるまでもない。

私は攻撃と素早さに全てのステータスを注ぎ込んだ。

結果、防御が紙だ。

神ではない。紙である。

つまり、なにかというとアレだ。

多分、スライムの攻撃一撃で御陀仏だ。

多分、というのはまだ死んでないからなのだが、試したくない。

それに、素早さに振ったおかげで相手の攻撃は当たらない。

ゲームは下手だけれどもリアルの運動神経はそこそこであるのも幸いしたのだろう。

攻撃に振ったおかげで相手にダメージも入る。

まぁ、暫くは〈始まりの地〉に留まる他ないね。



戦闘の方向性を定めた私は、スライムやゴブリンを倒しまくった。

スライムは核を、ゴブリンは首を。

攻撃を避け、ひたすらに急所を狙って攻撃する。

次第に、確実に急所に当たるようになってきた。

私の戦闘スタイルは単純明解。

避けて、当てる。ヒット&アウェイ というやつだ。多分。

なつかしい。某狩猟ゲームではこれで死にまくったものだ。

だが、このゲームはちがう。

身体が自らの思うままに動くし、私の一撃をくらった者は一匹も残らない。

これは楽しいな。

だから、ちょっと調子に乗っていたのだ。


グオァァァァァァ!!!!


〈始まりの地〉に一つの唸り声が響いた。

当然、私もその存在を察知し、そちらの方角に目をやる。

「ちょっとは手応えある、かな?」

そして、駆け出した。


〈始まりの地〉はチュートリアル専用のフィールドだ。

だが、ボスモンスターが出現するのだ。

また、フィールドが一人一人違うため、出現するボスモンスターはその者のステータスに見合った強さとなる。

つまり、周囲の雑魚をどれだけ瞬殺できようともボスとの実力は基本的に互角。

だが、意気揚々と駆け出した彼女はまだその事を知らない。

そして、二者は対面する。

「さぁ、勝負だ!」

グオァァァ!!!




静寂の中、機械の起動音だけが響きわたる。

電気も点けずに佇む少年は笑った。

「………面白いのがいるね。」

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