春はもうすぐそこ
吹き抜ける風に一瞬気配を感じた。
未だ雪の降る北国だが、晴れず居座る雲間から気まぐれに陽が射す日もある。
「ねえ今、花の香りがした」
晴れてるからと手袋を忘れた彼女と繋いだ手をはしゃいだ声で引かれた。逆の手で持った買い物袋がガサリと鳴る。
儚い日差しより風は冷たいが、繋いでいれば柔らかな手は温かくなる。
結局何の香りかは判らなかったが、あちらこちらに残る雪から覗く緑に春を見つけ、二人で顔を見合わせて笑った。
吹き抜ける風に一瞬気配を感じた。
未だ雪の降る北国だが、晴れず居座る雲間から気まぐれに陽が射す日もある。
「ねえ今、花の香りがした」
晴れてるからと手袋を忘れた彼女と繋いだ手をはしゃいだ声で引かれた。逆の手で持った買い物袋がガサリと鳴る。
儚い日差しより風は冷たいが、繋いでいれば柔らかな手は温かくなる。
結局何の香りかは判らなかったが、あちらこちらに残る雪から覗く緑に春を見つけ、二人で顔を見合わせて笑った。
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