すきなひと
露出に興奮する。首を絞めたり絞められたりで興奮する。血をなめたり、見たりして興奮する。人を食べて興奮する。
そんな感じで、異常なものに、異常なまでに性的興奮を覚える人たちがいるらしい。
専門的な言葉でいうと、パラフィリア、というらしい。…あ、ちなみにそれは、本人が生活に困る場合のみに使うらしい。
中には、殺人や機械、動物や炎に興奮を示す人もいるんだってさ。すごいね。
「ま、僕も人のこと言えないか」
小さく呟いて、苦笑を漏らしてみる。残念なことに、僕は生活に困っていないから。
ちらり、とベッドの上を見る。横たわった白い君に笑み。あぁ、今日もきれいだね。
そっと触れた胸元。ぐちゅぐちゅした感覚。あの頃のハリはやっぱりないなぁ。
白い彼女は、何も言わない。少し寂しいけれど、僕が望んだのだから、後悔はしていない。
「そろそろ、防腐剤買わなきゃね」
少し、刺激臭のしてきた彼女の唇に、キスを落とす。
もうすぐ、彼女に厳しい季節がやってくる。生きている時の彼女も、夏が嫌いだったなぁ。
ねぇ、君。
ネクロフィリアって、知ってる?




