雷が鳴って眠れない夜
今、雷が凄いんです……(´・ω・`)
外の空気が地響きとともに震え、一瞬、部屋の中が昼間のように真っ白に染まった。
怒り狂ったような雷鳴が、屋根をたたきつける雨音をかき消していく。
こんな夜は、世界と世界のあいだにある「隙間」がほんの少しだけ広がるのだと、昔おばあちゃんが言っていた。
「雷はね、雲の上に棲む職人たちが、空のほころびを縫い直している音なんだよ」
幼い頃の私は、その言葉を信じていた。
光る針で雲の生地を刺し、金槌で固い雷雲を叩いて頑丈な糸を締め直す。
激しい稲光はその針の反射で、激しい音は職人たちの作業音なのだと。
けれど、大人になった今、私は知っている。
あの光と音の正体が、ただの巨大な静電気の放電現象であることを。物理法則に従った、淡々とした自然の営みに過ぎないことを。
ドカン、と腹に響くほどの重低音が響き、思わず肩をすくめる。
部屋の明かりが瞬き、一瞬だけ怪しく揺れた。
カーテンの隙間から覗く空は、まるで紫色の血管が走るように光の筋が脈打っている。
ふと、机の上の温かいマグカップに目を落とした。
立ち上る湯気が、激しい外の嵐とは対照的なほど静かに揺れている。
科学的な理屈がわかったからといって、この夜の恐ろしさが消えるわけではない。
けれど同時に、この圧倒的な暴力性の中にどこか神秘的な美しさを感じてしまう心も、消えるわけではないのだ。
「……まあ、縫い直しているにしては荒仕事すぎるけどね」
声に出してつぶやくと、少しだけ心が落ち着いた。
空の職人たちが雑な仕事をしているのか、それとも空のほころびがそれほどまでに酷いのか。
どちらにせよ、人間ができることなんて、あたたかい部屋で静かに嵐が過ぎ去るのを待つことくらいだ。
再び空が白く弾けた。
私は少しだけカーテンを広く開け、今夜限りの荒々しい光と音の劇を、特等席で見守ることにした。
眠ることは諦めた。
カーテン|´・ω・`)<雷怖くない人なんて……いねぇーですよね?(恐)
(8月28日の朝追記)
おはようございます!各地で大雨の被害が出ていて胸が痛いです……(´;ω;`)<無事であることに感謝……寝不足ですがお仕事がんばります!




