仕事に頑張るぞ①
「葵、何をしてるの?」
頭の中で、今日1日のスケジュールを考えていたら突然声を掛けられた。
「いやー、今日どうしようかな?」
葵は高校1年生、まあここら辺では進学校の青葉高校に通学している。だが葵はそれだけでなく、雑誌のモデルもやっている。そんな事聞くと、モテモテのかわい子ちゃんと思うかもしれないが、普段は粗野で守銭奴で全然、もてない。
「今日テストでしょ?大丈夫? やま かけてあげようか?」
親友の麗美がそっとささやいてくれた。
「えっ、それうれしすぎる」
麗美は、モテるし、要領がいい。きっと賢い彼氏から情報をもらったのだろう。
「まず、英語は、27ページのまとめをよく覚えておくべし。そこから5.6問出すって。」
「そうか、そこから出すのね。って、それ、先輩からの情報?」
恐るべし麗美様
「当たらずとも遠からずかな。ふふふ。」
「どうやったら、男を手玉にとれるの?」
「失礼ね。悪女みたいな言い方して。ギブ&テイクよ。」
「ギブとは?」
「喫茶店で話してあげるとか。」
「見つからない?」
「新宿とか都会なら分からないよ。」
「へえ、さすがですね。」
私も仕事で都会に行くが、仕事のみだ。とにかく早く行って、早く帰る。わき目もふらず。
だって、その他やる事が多すぎる。家に帰って、宿題復習、家事!そして資産運用!いやー高校1年生が何でって思うかもしれないが、資産運用は趣味です。そして、その趣味の充実の軍資金を得るために、モデルというバイトをしている。宿題復習はまあ高校生だし進学校だし仕方ないよね。と思う。でも、家事?うーん、まあ、家は母子家庭で弟がまだ小学生なので、私がやるしかない。というか、家事結構好きなので、ストレス発散にはなっている。
という事で今日も朝、お弁当を作ってきた。はあー忙しい。
「そうだ!LEMONの今週号に葵載っていたね。はっきり言って別人だけど。誰も気が付かないよね。」
「まあね。名前も芸名だしね。髪の長さも違うしね。」
「というか、オーラが違う。SORAの時は光輝くオーラがあるのに、今は何?普通だよね。」
「だからいいんじゃん。楽しい高校生活送らせてもらっていまーす。」
そう、一人の高校生としての生活と華やかなモデルの仕事の2つを経験出来るのが今は忙しくても楽しい。
「カリスマモデルのRANさんとお話が出来たり、他のモデルさんの事も見れるし、まあ面白いね。色んな人がいて。」
RANさんには、分からない事を教えてもらったり、助けてもらったり・・と本当にお世話になり、可愛がってもらっている。まあ、それで嫉妬されて嫌がらせをする、嫌なモデルもおるが。RANさんが私と一緒に撮りたがるので、私は仕事がとぎれなくて本当に助かる。
「RANさんお疲れ様です。」
と飲み物を渡すとニッコリとして
「サンキュウ。」
と、微笑んでくれるので、思わず見惚れてしまう。いやー眼福眼福
他のモデルがいないので、今まで聞きたいなと思っていた事を勇気を出して聞いてみる。
「あのー、なぜ私なぞをご指名していただけるのでしょうか?」
「えっ。あー一緒にやりたいモデルいる?って聞かれた時の事?」
「はい、そうです。私は地味だし、もっときらきらしたモデルさんいっぱいいるのに。」
「あはは、そうか。いやーそこがいいんじゃない。 あなた、将来モデルでやっていこうなんて思ってないでしょ?」
「はあー、まあー。」
「将来モデルでやっていこうと思っている子たちは、目つきが違うもんね。そういう子たちは、私のライバルになるでしょ。でも、あんたはあと数年で辞めちゃうもんね。だからいいのよ。」
なるほど、ライバルにならないからいいんだ!と、とっても納得するお答えでした。
「ふふふ、それにね、あんたは表裏なさそうだし。」
はい、それはそうです。裏ありません。
とってもよーく分かった話で、私も安心しました。
「でも、もったいないわよ。あんたカメラの前だけはオーラが出るのに。そういう子っているのよね。」
はい、確かに普段は誰も気が付かないオーラなし子です。
「ははは。」
「で、あんたモデル辞めたら何やるの?」
「大学行って、就職して、結婚して、のんびり専業主婦とかやりたいな。と思ってます。」
「専業主婦?旦那が相当稼がなきゃ無理じゃない?」
「いえいえ、パートとかは、やりますよ。で、和気あいあいとみんなで生活するのが夢なんでございます。」
「ずいぶん小さい夢ね。」
いやーこの夢かなえられたらすごいと思うのだけれど。だいたい旦那なんか想像つかないし。私誰とも付き合ったことないし。
「じゃあ、大学で彼氏見つけないとね。」
「ですね。」
そうだ、大学ではバイトしないで、サークルとか入って優良物件の彼氏を見つけなくては。なんて思っていたら、RANさんが急に
「じゃあ、あと2年ぐらいしたら、私が素敵な彼氏を紹介してあげるわ。その代わり、その前に彼氏作っちゃだめよ。」
「はい?いいですよ。」
だいたいこの忙しい私は今彼氏をつくる余裕何ぞない。
「はーい!RANさんSORAさん出番ですよ。」
「いい、約束よ。」
とRANさんは微笑みながら、私に約束させた。そして、一緒にカメラの前にたった。




