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魂魄⑤


ナトス「・・・」

ソロルたちはテナクスたちの話が

聞こえない距離にいた。

しかしナトスには聞こえている。

テナクスがアルフィーンの名を知っていた以上

それを伝える事が出来たのは一人しかいない。

ナトスは自然とフィニクシーに視線を向けていた。

フィニクシーはタイミングよく

ナトスの視線に気が付く。

「・・・私は頷いて見せただけですよ」

一同「??」

突然フィニクシーが言葉を発したことに

皆が頭に?を浮かべると、

テナクスたちの話が

聞こえていたように続ける。

「王将は最初から気づいておられました、私はあくまで確認しただけ、“隠す”事はありますが“虚偽”は出来ませんので」


アンプレスは酷く動揺していた。

自信がステータスを改ざんし隠していた名前。

それをテナクス王将が口に出した。

テナクス王将を鑑定したアンプレスは、

王将が鑑定を持っていないことを知っている。

そもそも“真・鑑定極”でなければ

気付けるはずもない。

ナトスとミノアが話すとは思えない。

考えられるのはフィニクシー。

怪しいのはテナクス王将との密談の時。

しかしその時も自分に背を向けていた。

鑑定で見ることはできない。

そもそも食堂でのテナクスの会話。

何かを確認するような、探るような質問。

“真・鑑定極”がかかわっているなら

確定的な情報として話が飛んでいたはず。

あれはそう、“思う所”があった、そのレベルの会話。

アンプレスの動揺が強さを増していく。

「・・・し、知って・・おられるのですね・・・」

「・・・」

絞り出すようなアンプレスの言葉にテナクスは

何も言わず笑みを浮かべる。

アンプレスは気付く。

心のどこかで持ち望んでいたのだと。

テナクスのような人物が

自分の目の前に現れるのを。

幼い自分が無意識のうちに

“アンプレス”と名乗っていた。

今の今までその事に気付かずに居たが、

隠せないほど動揺する自分が

それに気付かせた。

アンプレスは槍斧を構え不敵に笑う。

「・・はは・・簡単には話してくれそうにないか・・」

その問いに一泊おいてテナクスは答える。

「・・・満足させてくれるのか?」

バッ!

アンプレスはテナクスから一度距離を取った。

そして自身のステータスを確認する。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

氏名:アルフィーン・アンプレス  職業:剣士(冒険者)

レベル:90 lv  年齢:24 歳  状態:普通

HP■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□

MP■■■■■■■■■■■■■□□□□□□□


技能:「槍術」「斧術・斬」「剣術」「属性魔法・雷」

   「駿足・瞬足」「真・鑑定極」


肉体強度:150 Rp   精神強度:138 Rp

  命力:450      気力:420

  体力:299      魔力:345

  速力:297      知力:330


「視」「武」「斬撃武技」「突撃武技」

「女神の加護:エネア」

魂魄強度:168 Rp

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「(そう何度も立ち上がれない・・・)ふぅぅ・・・」

アンプレスは大きく息を吐き

テナクスに弱気な目を向ける。

「(優っているのは速力のみ・・心が折れそうだ・・しかし、せめて一矢報いる・・)」

「それでいいのか!アンデールの息子!!」

「!!」


激高し大声を張り上げた

テナクスの声がテラスにも届く。

一同「(アンデール?)」


テナクスは続ける。

「名付けるのだ、その武器に!心の思うがままに口にするのだ!名を!」

アンプレスは弱気な心を見透かされ、

テナクスに怒られた気持ちになっていた。

そのままでは“満足しないぞ”と、

“知りたくないのか?”と

父アンデールのことを。

アンプレスの目に闘志が戻る。

それを見たテナクスは笑みを浮かべる。

「・・この槍斧は・・ある人からの贈り物・・掛け替えのない相棒で、俺の命を何度も守った・・(なのに俺は・・)」

「・・・」

テナクスは臨戦態勢に入る。

そしてアンプレスは声を張り上げる。

「(その人の“幸せ”を守れなかった・・)・・我が愛刀!・・その名は・・“エネア”!」

一同「(エネア!?)」

その瞬間アンプレスに急激な変化が起きる。

ミノア「あれ?(雰囲気変わった?)」

ナトス「・・・」

しかしそれは見た目ではわからない。

その変化を正確に理解できたのは、

模擬戦開始から“鑑定・極”で審判をしていた

マークとテラスで戦闘を注視していたフィニクシーだった。

マーク/フィニクシー「なっ!!?」

その反応に疑問を持ったソロルが

フィニクシーに視線を向ける。

「ど、どうしたんですか?」

一同「・・・」

みんなの視線が向けられる中

フィニクシーは答える。

「・・な、なにが起きたのか理解が及びませんが、今この瞬間・・彼は王将に並ぶ力を手にしました・・・」

シェンター「(ふむ・・)」

一同「!?」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

氏名:アルフィーン・アンプレス  職業:剣士(冒険者)

レベル:90 lv  年齢:24 歳  状態:高揚

HP■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□

MP■■■■■■■■■■■■■□□□□□□□


技能:「槍術」「斧術・斬」「剣術」「属性魔法・雷」

   「駿足・瞬足」「鑑定」


肉体強度:180 Rp   精神強度:165 Rp

  命力:540      気力:504

  体力:359      魔力:414

  速力:356      知力:396


「視」「武」「斬撃武技」「突撃武技」

「女神の加護:エネア」

魂魄強度:178 Rp

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「肉体強度、精神強度、それらの各数値が一瞬で上昇しました、まだ王将のステータスのほうが上ではありますが、先ほどまでの絶望的な差を埋めてきています」

一同「!?」

「そして何より、魂魄強度の数値・・・これは王将を上回りました」

一同「!!?」


「“槍術”!“斧術・斬”!」

アンプレスは二つの技能を同時発動させる。

そして雷属性魔法を体中に帯電させた。

今までよりも濃く、激しさを増している

アンプレスの帯電を見てテナクスは笑う。

「(属性魔法は防御へほぼ全振り・・接近戦での勝負を望むか・・・)」

テナクスはアンプレスからの属性魔法の攻撃がないと

状況的に判断し技能を発動する。

「“武術・剛”!“盾術・極”!」

そしてアンプレスの帯電をテナクス自身からの

属性攻撃に備えていると判断したテナクスは、

攻撃に注力しろと言わんばかりに言い放つ。

「・・その勝負受けて立つ!俺からの属性魔法は無い!」

「・・・フ」

ドゴォォン!

アンプレスが不敵な笑みを浮かべた瞬間

アンプレスの背後から水平に電撃が走る。

それはアンプレスの背を押すように

テナクスへ向けて走り抜けた。

「!?」

ギィィン!

テナクスは盾で正確にアンプレスの槍斧を防いでいた。

ビリリリリ!

「!?(何だと!)フン!」

テナクスがアンプレスの攻撃を防いだ瞬間

体中に電撃が走る。

それを自身の属性魔法を帯電させることではじき返した。

アンプレスは間髪入れず

攻撃を続ける。

カン!カン!ガン!!カン!

キン!キン!ギン!!キン!

アンプレスの雷鳴のような猛攻を

テナクスは異常な盾捌きで防いでいく。

ジャリ・・


テナクスの足が後ずさる。

「な、なんという攻撃スタイルじゃ・・・」

それを見ていたシェンターが呟く。

それにフィニクシーが続く。

「王将が押されています・・ダメージも度々受けているようです」

「最初の突き・・あの突きは属性魔法が乗っておった、体中に張り巡らされた対属性魔法の防御は、王将からの攻撃に備えたものにあらず・・」

「え・・おじいちゃん、それどういう意味・・」

シェンターの言葉にソロルが疑問の声を上げると

フィニクシーが答える。

「アンプレスさんの背後・・度々雷撃が発生しています」

その言葉を聞き、

一同がアンプレスに注視すると

雷撃がアンプレスへ目掛け走っていた。


カン!カン!ガン!!ガン!!

キン!ギン!!ギン!!キン!

ジャリ・・ジャリ・・

苛烈さを増すアンプレスの攻撃に

徐々に後ずさるテナクス。


「あの雷撃は彼自身が発生させ、彼自身の四肢や武器へ直撃しています、体中に張り巡らされた対属性魔法は自身の攻撃を防ぐため」

絶句する皆にシェンターが続ける。

「雷撃は攻撃の威力と速度を増し、角度をも微妙に変化させる・・それを証拠に王将の盾術・極が正確に攻撃を防ぎ切れておらぬ・・・」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

氏名:テナクス・サキュリフィー  職業:王将(冒険者)

レベル:115 lv  年齢:69 歳  状態:普通

HP■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□

MP■■■■■■■■■■■■■■■■□□□□

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

プシュ!

テナクスが肩に傷を負う。


ユナ「王将が傷を!」

ミュウ「さすがの王将も防戦一方じゃ危険なのです!長剣を抜いて攻撃に転じないと・・」

それを聞いたシェンターが呟く。

「王将は剣を抜けぬ」

一同「?」


カン!カン!ガン!!ガン!!

キン!ギン!!ギン!!キン!

ジャリ・・

テナクス「(・・どこまで持つか・・)」


シェンターは続ける。

「王将の盾は魔道具じゃ、高名な魔導士が度重なる失敗の末錬成した大盾・・その辺の武器による斬打を防いでも、摩耗劣化などすることなく、壊されることはない・・が・・」

「“魂の雫”・・」

シェンターの言葉を聞いていたナトスが

そうつぶやくと一同はさらに?を浮かべる。

しかしシェンターはそれに頷き続ける。

「・・その“魂の雫”は、魔道具の完成形の一つと言われておる・・発見事例が少なくサンプルが乏しい今、殆ど解明されておらず、世間的に広まっていない・・皆は初耳やもしれんのぉ」

これにテナクスの言葉が聞こえていた

フィニクシーが反応する。

「た、たしか王将は自身の長剣がまさにそれだと・・そして彼に・・彼自身の槍斧に名を付けるよう執拗に・・」

「そしてアンは“エネア”と名付けた・・その瞬間アンの槍斧は“魂の雫”となり、“その辺の武器”なら簡単に破壊しうる魔導武器と化した・・」

ナトスが追従するように言うと、

シェンターは頷く。

「うむ・・いかに魔道具の盾とはいえ“魂の雫”相手では破壊される事もある・・あれほどの猛攻じゃ、すでに壊れていても不思議ではない」

「盾の主柱・・“魂の雫”である王将の長剣を納刀する事で、いまだ破壊されず原型を留めている・・故に剣を抜けない・・」

「そうじゃ」

シェンターはナトスの言葉を肯定すると

続ける。

「剣を抜けばたちまち盾は壊れるじゃろう・・そうなれば“剣術”であの猛攻を捌く事になる・・そんなリスク負えん、そもそも負う必要もない・・」


ガン!!カン!ガン!!ガン!!

キン!ギン!!ギン!!ギン!!

プシュ!ジャリ・・

プシュ!ジャリ・・


王将は傷を負う頻度が明らかに増えていた。

それを見たソロル達がシェンターの言葉に

疑問を投げかける。

ソロル「・・負う必要って・・どう言う」

ユナ「このままアンが押し切っちまうんじゃ・・」

ミュウ「明らかに防ぎ切れていないのです・・」

「・・・気力枯渇・・」

するとそれに答えるような

フィニクシーの呟きに

シェンターが続く。

「あの猛攻は長くは続かん・・王将が崩れる前に、気力が尽きる・・」

「そして彼自身がそれを理解しているはずです・・手を打つべきは彼自身・・」


「(く・・)」

アンプレスは猛攻のさなか、

真・鑑定極でテナクスと自身のステータスを

確認していた。

そして、テナクスの命力(HP)と

自分の気力(MP)を見比べ、

自信の気力が先に尽きてしまう事に

気付いていた。

「(や・・やばい・・眩暈しそうだ・・)」


ミュウ「気力・・枯渇・・」

ユナ「王将はこのままで十分・・手を打つべきはアンの方・・」

ソロル「で、でも・・(打つ手がない!?・・)」

「彼は“鑑定”を持っています・・王将の一段目なら確認は出来る以上当然戦闘中に見ているはずです・・」

ナトス/ミノア「・・・」

フィニクシーが続ける。

「そして自身のステータスも・・・そろそろ限界のようです」


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