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魂魄②

ナトスは感じていた。

話しには聞いたが、見た事は無いあの場所。

そこへ行くための鍵はやはりソロルなのだと。

「(・・技能の強化、付加効果・・・進化・・)」

特異点の消滅。

すでにその後の事を考えていた。

「(・・遺跡の消滅は必須・・・その過程で?・・)」

いくつもの仮説・仮定を考慮し、

その過程で矛盾や破綻が起きないか。

臆病であるが故、不安が付きまとう。

その不安を払しょくする為、

更に思案する。

「・・・ん?」

ナトスは気が付くと箸を止めていた。

周りを見ると、

ピューネ、ミュウ、ユナの三人が

デザートを食べており、

他の皆が居なくなっていた。

と、同時にミノアから念話が届く。

『兄さん、中庭で何か始まるみたいだよ』

『そうか、すぐに行く』

ナトスはユナ達に視線を向ける。

「表で何か始まるみたいだぞ」


~キッチン~


料理長「・・こ・・これで最後・・・だ・・」

息絶え絶えの料理長がデザートを作り上げ

使用人へそう言うと、

時計を確認した使用人が言う。

「ベ、ベストタイム更新です!」

料理用はグッと親指を立てると

そのまま崩れ落ちた。

周りには既に気を失う料理人たちが

転がっていた。


~テラス~


「・・何が始まるんだ?」

ナトス達がミノアの元へ来ると

シェンターとロレーヌも近くに来ていた。

ナトス達が来たことに気付いたロレーヌが

横目でナトスを見ると目が合った。

「・・・」

「・・・」

ナトスがそれに気づきながらも触れず、

ミノアへ視線を戻すと、

ミノアは中庭を指さした。

「あそこ、お姉達が何か・・っていうか多分模擬戦みたいなのやると思うよ」


「召喚魔法“シャリ”!!」

ソロルは青白い光の中からシャリを召喚する。

ソロルの召喚を見たフィニクシーも

続いて技能を発動する。

「・・召喚魔法“ライス”」

青白い光の柱が消えると、

そこには白い長毛の犬が佇んでいた。

ミノア「(・・似てる・・)」

黄緑色の体毛が紋様の様に生えそろっている

ライスを見て、ミノアは

シャリの体毛と似ていると感じた。

「フィニクシー様の二番獣!“ライス”!!」

ソロルがはしゃぐ中、アンプレスは冷や汗を垂らす。

「(・・・お、俺・・死んだりしないよな・・・)」

「さて、ルールの説明だが・・・」

そんなアンプレスを他所に

テナクスは続ける。

「フィニクシーとソロルの召喚獣は消滅を持ってリタイア、以降新たな召喚獣を呼び出すのを禁止とする・・そしてアンプレスと俺は、戦闘不能となった時点でリタイアとなる」


「4人でバトルロイヤルでもするのか?」

ナトスがミノアに質問すると、

ミノアが苦笑いを浮かべる。

「はは・・お姉とフィニクシーさんが召喚獣の見せあいっこしようとしてたんだけど、王様が腕試しを申し出たんだ」

「おいおい、大丈夫かぁアンのヤツ・・あの中じゃ一番弱いだろ、最悪死ぬじゃねぇか?」

ユナがそう言うとミュウも続く。

「ソロルパーティー最強の矛“シャリ”と大召喚士フィニクシー様の“ライス”・・そしてこの国最強と囁かれるSSSランク冒険者テナクス王将相手なのです・・勝負は見えているのです」


「・・っと言う事で、サキュリフィー邸おかかえ治癒士も見守っている・・死ななければ死ぬ事は無い、安心してくれ」

「準備が整ってございます」

サキュリフィー家執事のマークがそう言うと、

テナクスは大きく頷く。

「うむ・・マーク、審判を頼む・・・皆の者、準備は良いか?」

「はい・・ではソロル、テラスの方へ行きますよ」

フィニクシーに促されソロルはテラスの方へ移動する。

2人がテラスに入ったのを確認したマークは

スッと手をあげる。

するとテラスと中庭の境界に白い光が走る。

「テラスには子供もいる、シールドをはらせてもらった・・思う存分、暴れて良いぞ・・」

テナクスはそう言うと楽しそうに笑い、

一瞬フィニクシーへ視線を向けた。

その視線に気付いたフィニクシーは頷いて見せる。

「(やはりそうか・・・)」

バッ!

テナクスがバックステップで距離を取ると、

バッ!

アンプレスも距離を取る。

コキ・・コキ・・

アンプレスは関節を慣らすと、

「・・はは・・・」

まんざらでもないような笑みを返した。


「アンプレスさんは笑ってる場合じゃないのです」

「まったく・・変態だぜ・・」

ミュウとユナがそう言うと、

近くに来ていたソロルとフィニクシーが

苦笑いを浮かべる。


「では・・・始め!」

サッ!

マークが上げた手を下ろした。

その瞬間シャリが体中に雷属性魔法を

帯電させ臨戦態勢をとる。

同時にライスも臨戦態勢に入ったのか、

長い体毛が風になびいていた。

「(雷属性に、風属性か・・)俺とは相性が悪かったようだな」

テナクスはそう言うと、

シャリと同じ様に体中に雷属性魔法を帯電させ、

更に周囲に風の障壁を作り出す。

遅れてアンプレスも体中に電気を纏い

臨戦態勢に入った。


ミノア「あれは何?」

ナトス「皆、何をしている・・」

ミノアとナトスが疑問の声をあげると、

ミュウがすまし顔で説明しだす。

「あれは自身の持つ属性魔法で防御力を上げているのです、と言っても対属性魔法に対してなのです」

「対、属性魔法・・」

ナトスが呟くと、

ミュウが続ける。

「同じ属性を持つ魔法同士はダメージが入りにくいのです、例えば、シャリの雷属性は同じ雷属性を持つテナクス王将とアンプレスさんに通りにくいのです、ライスは風属性のようなのです、シャリとアンプレスさんには有効打が期待できるのですがテナクス王将は風属性も持っているのです、あのように体中に属性魔法を纏うことで更にその抵抗力を上げ防御力を上げたのです」


次の瞬間ライスが動く。

ヴァウン!ヴァウン!ヴァウン!

ライスが三回吠えると、

圧縮された空気の弾丸が

シャリ、アンプレス、テナクスへ飛んでいく。

その気弾をシャリとアンプレスは回避し、

テナクスは半身を覆うほどの大盾で防いで見せた。

シャリは気弾を回避すると同時に魔法を発動させていた。

アンプレスとライス、テナクスの頭上から落雷が発せする。

アンプレスとライスはそれを回避するが

テナクスはそれを盾で防ぐ。

アンプレスはその瞬間、鑑定を発動させる。

「!!・・(ノーダメージッ!というかステータスやばすぎだろ!)」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

氏名:テナクス・サキュリフィー  職業:王将(冒険者)

レベル:115 lv  年齢:69 歳  状態:普通

HP■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

MP■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□


技能:「剣術・極」「属性魔法・雷」「属性魔法・風」

   「武術・剛」「盾術・極」


肉体強度:186 Rp   精神強度:269 Rp

  命力:558      気力:806

  体力:465      魔力:475

  速力:139      知力:451


「嗅」「武」「剣技」「盾技」「武技」

「女神の加護:リーオ」

魂魄強度:169 Rp

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

それはテラスで観戦する

ソロルとフィニクシーを経由し

シャリとライスにも伝わっていた。

ソロル「(ぼ、防御力が桁違い!?・・・)」

シャリ「・・ヒュュ・・」

フィニクシー「(流石王将・・難攻不落の要塞の様です・・)」

ライス「・・グルル・・」

アンプレスは冷や汗を流す。

「(正面突破は実質不可能・・一対一になったら崩せないか?・・・ならば人数の多い今しかない・・一対三の構図に持ち込み・・弱らせておく必要が・・・)」

図らずも、シャリとライスの思惑も、

アンプレスと一致していた。

フィニクシー「(少々卑怯ではありますが・・)」

ソロル「(バトルロワイヤルだし・・自信はあるんだね・・シャリ・・)」

ジャリ・・カチャン・・

アンプレスは槍斧で突刺の構えをテナクスに向ける。

「ヒュルルル・・・」

シャリもテナクスを見据え

前足で地面を蹴る仕草を向ける。

「グルルルル・・・」

ライスも後ろ足で地面をかくと、

低い体勢でテナクスに視線を向ける。

三者の行動を見て、テナクスは理解する。

そしてこれから起こる事に期待する様に

口角を上げる。

「フ・・」

最初に動いたのはシャリだった。

シャリは自身の脚力強化の為“駿足”を発動し、

そのままテナクスへ向けて走り出す。

一歩遅れてアンプレスも“駿足”を発動し、

シャリに追従した。

シャリは距離を詰めつつ、

雷撃を角から放出するが、

テナクスは軽々と盾で防いで見せる。

アンプレスはシャリの背中に飛び乗ると、

そのままの勢いで上空まで飛翔する。

ユナ「(は、早い!!・・)」

その瞬間シャリは右に回り込むように

進路変えつつ、雷撃の弾幕をテナクスへ向ける。

テナクスは流れる様にそのすべてを

盾で防いでいく。

雷撃の軌道に合わせて盾を移動するテナクスは

上空に居るアンプレスの視界上丸裸となってしまう。

アンプレス「(行くぞ!王将!!)」

バキン!!

アンプレスの槍斧に落雷が起き、

それを推進力に、

アンプレスの体重の乗った突刺が、

テナクスへ向けて突き進む。

アンプレス「(届く!)」

しかし槍斧の矢先に盾の縁が押し当てられる。

アンプレス「な!?」

テナクス「あまい!」

矢先に横から圧力がかかり、

その軌道が急激に捻じ曲げられる。

空中でバランスを崩したアンプレスは

テナクスの盾に容赦なく叩きつけられ、

自信の推進力もあいまって、

大きく吹き飛んでしまう。

そして次の瞬間、

テナクスはその盾で

シャリの雷撃の弾幕を防ぐのである。

ロレーヌ「盾捌きが尋常じゃない!」

ソロル「シャリの弾幕に対応しながらその合間に!?」

「ん?」

気が付くとテナクスの目の前に竜巻の様な

風属性魔法が迫っていた。

テナクスは先ほどと同じ様に

シャリの雷撃の合間に盾を振りぬき、

その竜巻を飛散させる。

パキン!

そして次の瞬間、

シャリの雷撃をまたその盾で防ぐ。

「・・・なんだ、もう終わりか?」

シャリは歩みを止めていた。

同時に雷撃による攻撃もやめていた。


「属性魔法の切り替えが早いのです・・あの盾捌きに合わせて切り替えたのです・・じゃないと、雷属性と風属性の魔法を防ぎきれないのです・・・」

驚愕の表情でミュウが呟くと、

シェンターが笑みを浮かべる。

「ふぉっふぉっふぉ、それだけじゃないぞ、王将の持つあの大盾・・中心に埋められた魔石の部分で正確に防ぐとダメージを受けん、そしてそれを可能としとるのが“盾術・極”・・王将を崩すのは困難を極める・・」

「うふふ、ここ十数年、武闘大会でもダメージを受けておりませんからね」

フィニクシーも笑顔で追従した。

ユナ「大会って・・SSランクでも相手にならないって事じゃ・・」

ミュウ「アンプレスさんはAランク・・・心が折れてるのです・・」


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