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特異点②

~洋服店“舞々”~


「うわーピューネちゃん可愛いじゃん♪」

「う・・うん・・」

試着し終えたピューネの姿を見た

ソロルがそう言うと、

ピューネは照れた様に頬を染める。

店長「いやーよくお似合いだぁ、元の素材が良いとこんなにも目を見張るものになるんですねぇ・・・っでどうされます?これに決めます?」

洋服店“舞々”の店長が調子よくそう言うと

ソロルはピューネに尋ねる。

「どうるすピューネちゃん、これにする?」

ピューネが答える様に

コクリと頷くとソロルは店長へ言う。

「じゃぁ、これで、他の皆と同じ様にこのまま着ていきます」

店長「さようでございますか♪いやー皆様5者5様お似合いになる服を提供できて私も嬉しゅうございます!ホント、こんなに羽振りの良いお客様は数年ぶりで私も笑いが止まりません!」

嬉しさのあまり心の声が漏れている

店長にソロルが苦笑いを浮かべる。

それを店の外で眺めているミノアに

ナトスが声をかける。

「遅くなった・・」

「・・ちょうど良かったみたいだよ、女性陣も買い物終わったみたい」

それを聞いて店の中を覗き込みつつ

アンプレスが言う。

「マジなのか?この国の代表と会食と言うのは・・どうすんだよ、俺はこんな格好なんだぞ・・」

「え?別に変じゃ無くない?女性陣が服装気にするのは何となくわかるけど・・僕らもこれで行くつもりだよ」

ミノアがそう言うとアンプレスは言う。

「そう言えば最初に見た時から気にはしてたが、その服装何なんだ?」

「え?もしかして変?僕は結構気に入ってるんだけど・・」

「ヘンと言うか、冒険者っぽくもないし、一体何やってるやつなの?って感じだが」

アンプレスが呆れてそう言うと、

ナトスが言う。

「・・俺とミノアには戦闘が付いて回る、その時々に最大限の働き、パフォーマンスが発揮できるこの服装を俺も気に入ってる・・因みに彼女たちもそうだと言える、会食の時最大限どうありたいかを吟味し、気に入った服を着る・・アンの言う事も分かる・・先人たちの知恵と言うべきものだしな、しかし服装や制服は自分がどうありたいかで自分で決めて良いと俺は思っている」

「おまたせなのです!」

店の前に居たミノア達に

ミュウが声をかけると。

続けてソロルが声をかける。

「ごめーん、結構時間取っちゃった・・あれ、ナトス達も来てたんだね」

「め・・女神様・・・」

アンプレスは会食の為青白いドレスに着替えた

ソロルを凝視したままそう呟きフリーズした。

そんなアンプレスを他所に

ミノアがソロルに言う。

「似合ってるねお姉♪」

「えへへ、でしょ♪」

ソロルがそう答えると、

ナトスは不意にロレーヌへ視線を移した。

ロレーヌもナトスを見ていたのか

目が合ってしまい、

先ほどのいざこざから

気まずい空気を引きずる

ロレーヌが嫌味を含めて言う。

「・・あら、何か言いたげね・・あなたの事だからろくでもない事でしょうけど」

それに対しナトスは笑みを浮かべ

答える。

「・・いや・・似合っていると思ったさ・・」

「へ?・・・」

タイトなドレスを着たロレーヌが

ナトスの思いがけない言葉に

赤面していると、

隣に立っているゴシックなドレスを来た

ユナが躍り出る。

「どーよ教官!私だって女の子でしょう!少しは認識変わったか!」

ガッツポーズの様に拳をあげ

蟹股で立ち尽くすユナの姿を見て

ナトスは答える。

「・・・確かに、そんな格好でそんな仕草をされては、ユナに対する認識が崩壊しそうだよ・・」

「えへへぇ、でしょぉ♪」

そのやり取りを見ていたシックなドレスを

来たミュウがユナに突っ込みを入れる。

「ナトスさんはおそらく褒めてないのです」

「何言ってのミュウ~、理性が崩壊しそうってそう言う意味じゃぁーん」

ミュウ「(い、言ってないのです・・)」

ナトス「・・はぁ」

ミノアは後ろの方から自分を見つめる

ピューネの視線に気付き、

声をかける。

「お嬢♪そんなところに居たら良く見えないよ」

「う・・うん・・」

ミニドレスを来たピューネが

恥ずかしそうに前に出ると、

ミノアが笑顔で言う。

「似合ってる♪大人の女性って感じだね!」

ボン!

ピューネが瞬時に赤面すると、

フリーズから解けたアンプレスが

一番前に来ているピューネに気付き

声をかけた。

「おぉ、女の子の成長は早いものだ」

一同「・・・」

「・・ん?」

一瞬微妙な空気が流れたのを感じた

アンプレスが疑問の声をあげると、

ササッ・・

その発言を聞いたミュウが

アンプレスの視界にピューネが入らないように

立ちはだかる。

「ア、アンさんが言うと危険な感じがするのです・・今朝のロリコン疑惑がある以上、見てはダメなのです!」

「はぁ!?何の話だ」

そのやり取りを見たナトスが

悪乗りをする。

「確かにな、アンに関してはピューちゃんを特別な目で見ている可能性が高い」

「特別な目?・・な、何・・怖い・・」

ピューネが怯えると、

アンプレスが慌てて言う。

「ちょっと待て、全然怖くないぞピューネ!特別も何もピューネは俺の・・・その・・」

それを聞いたロレーヌも

悪乗りをする。

「え、何、“俺の女だ!”とかそう言うの乗りなの?やだコワイ・・まだ12歳のなのよ」

「んな訳ねぇーだろうが!お前らだって知ってるだろ!解っててやってるんだろその変な乗り・・」

するとミノアが乗っかる。

「ねぇアン、いくら何でもお嬢はマズいよ、代わりにユナさんでどう?ゴシックロリータドレスだし、ね?」

アンプレス/ユナ「はぁ!?」

「確かにな、“それ”ならいくらでも見て良いぞアン」

ナトスがそう追従すると

2人が言う。

ユナ「そ、“それ”って何だよ教官!」

アンプレス「こんな変態見る必要は無い!と言うか何でゴスロリが関係あるんだよ!」

ユナ「変態だって!?テメーに言われたか無いね!汚れた目で見てくんな!」

アンプレス「汚れてねぇーよ!見てもねーし!」

ユナ「今バチコリ見てんじゃんか!目も合ってる!」

アンプレス「お、お前を見てんじゃない、そ、その地面に転がる石をみてるんだ!」

「ハイハイ!ストーップ!」

2人のやり取りを見ていたソロルが

苦笑いを浮かべつつ割り込み続ける。

「ふたりともその辺で良いでしょ・・まったく・・」

ガシッ!

「へ?・・」

何を思ったか、

突然アンプレスはソロルの両肩をガッシリ抑え、

真っすぐ見据え呟く。

「・・俺はロリコンじゃない・・」

「え??・・え?・・」

困惑するソロルに

アンプレスは続ける。

「俺は・・ちゃんと大人の女性が好きだと言う自覚がある・・」

「ちょ・・(ア、アン?・・・)」

大きく目を見開き

少し頬を染めるソロルと

真剣な表情のアンプレス2人を

怪訝な表情のミュウと

これから起こりそうなことに

期待を向ける表情の女性陣が

見守っていると

アンプレスが語りだす。

「・・ソ、ソロル・・俺は女神の様な君を・・」

「(き、君を・・)」

「・・・い、いや・・君の事が・・・」

「(き、君の事が・・)」

「・・・えっと・・君と・・・」

「(・・・?)」

「・・・」

アンプレスはそのまま何も言わず

ソロルの肩から手を下ろしてしまう。

「ぼ、冒険者ランクをプラスワンにしないとな!は・・ははは・・・」

イラッ!

ニヤリ!

イラっとするソロルと

笑みを浮かべたミュウを他所に

皆がガックリ肩を落とすと、

ソロルが呟く。

「・・意気地なし・・・」

「ん?」

ギュウゥゥ。

ソロルは右こぶしに力を溜めつつ

アンプレスに言う。

「ここまでやっといて・・・」

「な・・え?・・」

ソロルのオーラが見えた気がする

アンプレスが狼狽えると、

ソロルは拳を振りかぶり、

アンプレスの顔面を打ち抜いた。

「最後まで言えぇぇ!!」

ドンッ!

「ブファ・・」

ミュウ「ナイッスゥ!!」

ピューネ「おぉぉぉ!」パチパチパチ。

ユナ「ガキめ」

ロレーヌ「それはアンが悪い」

ナトス「応援しているぞ、アン」

ミノア「い、痛そう・・・」


~リデニア国首都クヨトウ中央街~

~サキュリフィー邸~


ミノアは感じていた。

このメジューワに居る特異点・・・

その消滅は近いと。

「(・・多分、リベロットって組織を作った人だよね・・・そう言えば、おじいちゃん・・結構必死な感じだったなぁ・・・)」

兄ナトスとシェンターのやり取り、

先ほどの会で正直、何の事を話しているのか

ミノアは解らなかった。

「(・・特異点の影響がどんだけ深く広くても、最後の特異点である僕がそれを塗り替えるだけ・・難しくはないよね・・・)」

楽観しているわけではないが

ミノアは物事を難しく考える事をしない、

そしてミノアの勘は正し。


コンコンコンコン。

「来たか?」

「はい。8名様お見えになりました。」

サキュリフィー邸応接室に待機していた

テナクスはその返答を聞き、

同室するシェンターとフィニクシーに

視線を向ける。

「王将・・重ねてお伝えしたい事が・・」

テナクスの視線を感じた

シェンターがそう言うと、

テナクスは笑みを浮かべる。

「ふむ、わかっている・・ナトス殿に対する誤解はもうない、お前の説明で納得しているし、俺も彼らを信頼する事に決めている・・」

それを聞いたフィニクシーも

笑みを浮かべ追従する。

「・・ふふふ、私も大丈夫ですよ・・まぁ、彼をそうまでさせる過去には興味ありますが、それを根掘り葉掘り聞く事も有りません・・」

それを聞いたシェンターは、

一拍置いて語りだす。

「・・・まぁそれはそうで安心しとるが・・恐らくじゃが、更なる要求が飛んでくるのじゃないかと思ってのぉ・・」

「要求か、構わん、俺が出来る事なら力になると決めている」

テナクスがそう言うとシェンターは答える。

「・・それは非常にありがたいお言葉じゃが・・今回はわしが要求を飲むべきかと思うとる・・」


シェンターは感じていた。

異世界から来た彼らの協力者となるのを、

買って出たのは自分自身。

彼らの為に自分の力なら役に立てると思っていた。

「(・・コパローナ、カーリー君主に近しい人物・・・)」

ナトスとの話の中で推察した特異点の人物像、

ナトス自身がそれに思考が届いているのを

シェンターは気が付いていた。

「(・・・わしは・・協力者足りえるのじゃろうか・・・)」

焦りを隠せないシェンターは、

ナトスからの要求を、

自分で飲むべきだと考えていた。

そのシェンターの心情を理解した

ナトスは“美学”と言う言葉で

表現していた。


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