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暗躍④

~現在~

~王将官邸~

ナトス「(己と世界・・・)」

ソロル「わ、私を探し・・助ける?・・・」

テナクスが受けた啓示を聞いたソロルが

そう呟くとテナクスは続ける。

「3年前この啓示を受けた俺は、世界冒険者協会へ捜索を依頼していた・・」

そしてソロルは自身の授かった啓示を呟く。

「“女神の加護を持つ者を助け、救いの手を”・・・」

シェンター/フィニクシー「!!」

「ま、まさか!?ソロル、お前はすでに啓示を!?」

テナクスが慌てて聞き返すと、

ソロルは頷き付け加える様に言う。

「はい・・“女神の加護を持つ者を助け、救いの手を”・・零一遺跡の女神の像、そこで一番女神ヘンア・セアーさんに直接会い啓示を受けました・・」

シェンター「(・・似ている・・・)」

フィニクシー「(・・そんな意味が・・・)」

ソロルの言葉を聞いたテナクスが

狼狽えつつ言う。

「な・・何だと・・直接会った?・・眠っている間に声だけが頭に残っているとかではなく、女神にあったと言うのか!?・・」

「は、はい・・確かに女神ヘンアは本来枕元に立つと言っていましたが、今回は特別だったそうで・・女神ヘンアは最後に言葉を残しました・・」

ソロルはナトス達に視線を向け続ける。

「“女神の啓示は彼等・・ナトスとミノアの力を必要としている”と、そして“それが彼らの使命に繋がっている”・・・」

「・・・(必要としている・・)」

ソロルの話を聞いたシェンターは

自然とナトスへ視線を向けていた。

その視線に気づいたナトスがシェンターに視線を向ける。

「・・・(これも繋がりか・・)」

何も言わないナトスの顔を見て

シェンターは思う。

「(・・何が何処でどう繋がって居ようとも・・お前たち在りき・・だとしたらこの未曽有の危機・・裏にあるのは・・・)」

ナトスはシェンターからテナクスへ視線を移し

話し出す。

「俺が見つけたRKWコロニー跡の施設・・これは俺達に関わるもの・・つまり犯罪組織リベロットなる者達は俺達の標的の可能性がある・・・」

一同「!?」

みんなが驚愕する中

シェンターは言う。

「ふむ・・そう考えるのが自然じゃ・・・そしてフィニクシーにいざなわれ、ソロルが聞いた啓示もおぬしたち在りき・・・」

一同「?」

「王将の受けた啓示が似ているのもその為と考えるのが自然・・だとすると俺達と関わる為のもの・・・」

一同「え?ん?」

「ふぉっふぉっふぉ、だとすると納得じゃ、前王将の受けた啓示・・それは来るべきその日の為、容易に女神の加護ヘンアが発見できぬようにしておったのか、ふぉっふぉっふぉ」

ナトス「(前王将の啓示?・・・)」

「ちょ、ちょっと待つのだシェンター・・」

ナトスとシェンターの話について行けず

他の皆が頭に?を浮かべていると

テナクスが話に割って入った。

「2人で話されては誰もついて行けぬぞ」

「そうですよ、私達にも分かるように話してください・・・まったく・・」

フィニクシーも面白くなさそうに

追従するとナトスが言う。

「失礼しました、自身の考えを整理する為口に出していたらシェンター殿とかみあってしまいました・・今から説明しますがその前に一つ気になる事が出来ました」

ナトスはフィニクシーにそう言うと

シェンターへ視線を向け続ける。

「・・前王将の受けた啓示と言われましたが、それはいつ頃の事ですか?」

「わしの言い方からおぬし目線気にさせてしもうたか・・20年前じゃ」

「!!(20年前・・・)」

シェンターはナトスの反応に違和感を覚えた。

「(・・なんじゃ・・・何を気にしとる・・ナトスは今繋がりを追っておった・・・20年前・・これに何か感じるのか・・・)」

「付け加えるなら、前王将である俺の父は女神の加護エクタを持っていた、啓示の内容は“他者を覗き見る鑑定などの技能は、勝手に使用してはならない”というものだった」

テナクスがそう言うとナトスは一瞬押し黙る。

「・・・」

「・・・」

そのナトスを見たシェンターも押し黙ると、

ナトスは笑みを浮かべ語りだす。

「(・・エクタ・セアー・・)フ・・テナクス王将、情報ありがとうございます・・さっそくですが話を進めていきます」

「・・うむ、よろしく頼む」

テナクスが答えると

ナトスは続ける。

「・・先ず、御存知の通り俺と所長が調査し解決を見た事件、この冒険者失踪事件は俺自身、もともと調査せねばと思っていた事件でした・・」

それを聞いたテナクスが答える。

「うむ・・・しかし、なぜ興味を?」

「ソロちゃんが関係し、結果俺達に繋がるからです」

「わ、私が関係してる?」

ソロルが疑問の声を上げると

シェンターが続ける。

「忘れたのか?おぬしはその事件の調査をベネーから依頼されとったじゃろ」

「あ・・そっか、そういう意味では確かに関係はあるけど・・」

ソロルがそう呟くと

ミノアが続く。

「お姉、もし仮にだけどベネーさんがお姉たち以外のパーティーに事件の調査を依頼してたら僕達を召喚してたかな?」

「え・・・」

「あの日あの場所にソロル達は居なかったことになるわ・・ナトスもミノアも今この場にいなかった可能性が高い」

ロレーヌがそう付け加えると

フィニクシーが追従する。

「結果的にその事件は、ソロルが関係しナトスとミノアに繋がっている・・もっと言うなら事件が起きていなければ、ベネーに調査の依頼自体なかった・・」

その言葉を補足するようにシェンターが言う。

「・・目先や枝葉に問わられず物事の本質を見ようとするなら繋がりを追うのじゃ・・そしてさらにその先がある・・」

「・・なぜそんな事件が起きたのか・・・その動機・・」

テナクスがそう呟くと

ナトスが話し出す。

「・・やはり、犯人達・・おそらくはモーフィスあたりからすでに情報を得ておられますね・・」

シェンター「(・・モーフィスの名を知っとるのか・・・)」

「・・我々は捜査課の人間から伝え聞いたに過ぎないがな・・」

テナクスがそういうと

シェンターが笑いながら言う。

「ふぉっふぉっふぉ、やはりおぬしの仕業か・・・捜査課の人間はあまりにも素直な犯人達に困惑しとったぞ・・して、モーフィスはおぬしに何と?」

「・・“その件”も含めて今から説明するとして・・モーフィスですが、正直詳しくは話せていません・・しかし気を失う前に気になる言葉を口にしました・・」


~回想~

失踪した冒険者の女性たちが監禁されていた

RKWコロニー郡の宿泊施設跡。

モーフィスが背後に立つナトスに気付き

振り返った瞬間、

ナトスはモーフィスへ念話を使用した。

『自殺する事は出来ない』

「・・は・・な、何なんだこれ・・・」

モーフィスが困惑する中、

ナトスは念話を続ける。

『抵抗は意味がない、聞かれた事には素直に答えた方が効果的だ』

「・・素直に・・答える・・」

『しかし俺の事について話す事は出来ない・・』

「・・・」

ナトスはモーフィスに質問を飛ばす。

「お前は何者だ?」

「・・お、俺はモーフィス・・犯罪組織リベロットの運び屋・・」

「(リベロット・・)」

ナトスが一瞬押し黙ると、

モーフィスに異変が起きる。

「・・だ、だめだろ!・・へ?・・し、死ななきゃ?・・で、出来る!?」

「(・・俺の暗示に抵抗を見せている・・情報を口にするぐらいなら死を選ぶ信念がそれほど強いという事・・なぜそこまで・・すでに洗脳されている?・・・)」

『今更遅い、既に自殺は意味をなさない』

「・・た、確かに・・・」

ナトスが再度念話を使用すると、

モーフィスは精神が安定する様に呟く。

「(何だ・・洗脳してまで情報を隠す必要性・・・ただの犯罪組織じゃない・・・)」

ナトスはさらに質問を飛ばす。

「・・モーフィス、お前は何を隠している?」

「・・せ・・せん、いや知らな・・死ぬしか・・駄目だ!これはっ・・せ、せ・・戦争・・・・」

モーフィスは頭を抱えもがきながら

そう言い、最後は気を失った。

~回想終~


「・・・戦争・・」

ナトスの回想を聞いたミノアがそう呟くと

ソロルが狼狽えつつ言う。

「ちょ、ちょっと待って・・確かにそれも気にはなるけど、それ以前に何なのそれ・・」

「ね、念話ってそんな能力なの!?う、嘘でしょ・・・」

ロレーヌも続くとミノアが気付いたように続く。

「あっ!確かに!駄目じゃん兄さん、抵抗力無い人間に使っちゃ」

ソロル/ロレーヌ「抵抗力!?」

テナクス「(なるほど・・そんな事も・・・)」

フィニクシー「(捜査課が腑に落ちぬわけです・・そんな事想像もつかない・・・)」

皆の反応を見ていたシェンターは

一泊おいて呟く。

「(ナトス達の力は目に見えぬ意思の力・・)暗示か・・」

「・・はい、基本的に抵抗力を持つ俺とミノア間でしか使用しないと決めていた能力だったため、俺とミノアがどれだけ離れていようと使用できる意思疎通の能力とご説明していました」

「・・自分の思念を相手に届けるだけの一方通行の能力・・相互に同じ能力を持っている故たとえ一方通行でも意思の疎通が可能・・しかし本来は相手からの返答を想定していない能力・・」

シェンターがそういうと

ナトスが続ける。

「一方的に自分の思念を相手の思想に植え付ける暗示の能力・・いわば言動をも縛る洗脳能力です・・」

一同「・・・」

「ふぉっふぉっふぉ・・なるほどのぉ・・・おぬしが気にしとるモーフィスの言葉、こちらではかなり具体的に話が聞けとるぞ・・」

「・・せ、戦争・・ですよね?」

ミノアが確認すると

シェンターは頷いた。

それを見たナトスが語る。

「・・あまりにも・・いかに組織的な犯罪者集団とは言え、あまりにも仰々しいと思っていました・・更にわざわざ俺から話を聞くまでもないはずと、モーフィスに暗示をかけている俺は感じざるを得なかった・・・しかし、それがこの事件の裏にあるのなら納得です・・」

「・・ふぉっふぉ・・気を・・悪くさせたかのぉ?・・・」

ナトスの言葉を聞いたシェンターが、

気を遣うようにそう言った。

「(・・そ、そうか、ナトス殿は気付いたのだな・・この会の本当の目的に・・)」

「(本当は話を聞くためじゃなく話をするため・・・)」

シェンターの様子から

テナクスとフィニクシーがそう思いつつ

ナトスの言葉を待っていると

シェンターが続ける。

「・・おぬしの推察通り、おぬしらから話を聞きたいというのはとってつけた理由じゃ・・本来の目的は、ソロルと王将を引き合わせることと・・・こちらが掴んだ未曽有の危機をおぬしたちに伝えるためじゃ」

ナトス/ミノア「・・・」

ソロル「・・未曽有の危機・・・」

「それはつまり、ナトスとミノアに・・」

ロレーヌがそう呟くと、

テナクスが申し訳なさそうに続ける。

「そうだ・・協力を仰ぎ、力を貸してもらうため・・その意味合いが強い・・・こちら側の掴んだ話をそれとなく伝えることで、ナトス殿たちがどう判断するのか・・それに賭けようとしていた・・・」

「・・戦争が起きた時、僕たちは王様側につき力を貸してほしいてこと?・・・」

ミノアが質問すると

フィニクシーも申し訳なさそうに答える。

「・・ごめんなさいね・・それをお願いできれば一番いいのですが・・ただ、あなたたちのことも理解しています・・話を聞いてもらう、それだけでも・・」

「・・・」

ナトスが何も言わないでいるのを見て

ミノアが答える。

「・・僕たちがこの世界で出来ることは限られてる・・聞いても力になれないんだ・・きっとトゥルチアさんたちは介入を嫌う・・戦争なんて立場が違えばどちらが正義かなんてわかりようもないし・・・」

「・・そうだな、ミノアの言う事は正しい・・戦争の背景に何があるのか、歴史・宗教、如何なる理由があっても、その正義、大義名分はその立場に既存する場合が多い・・」

ナトスがミノアの言葉に追従したのを

見たテナクスとフィニクシーが

暗い表情をすると、

ナトスが続ける。


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