マスクの国
マスク。それは感染対策の救世主。
マスクは社会不安をコントロールするのに効果がある。
マスクをつけて会見すれば社会に感染の不安を伝えることができるし、マスクを外せば安心のメッセージとなる。
マスクをみんなでつけることで、そのPR効果により社会一体となった公衆衛生を促進でき、本当に効き目がある手洗い等も促進される。同調と不安な顔を覆って隠すことによる安心感は、社会のパニックを抑える心理的効果的を与える。
政治的にも重要で、不足したマスクのために国民あたり二枚の前時代的な布マスクを配布することで、断固たる政権の行動力を示すことができる。
マスクを準備したら学校再開の時もやってる感を保護者に示すことができて素晴らしい。
マスクは手洗いと違って医学的に感染防止に効果が示されていない(効果ないか検出できないほど影響が少ない)ことは、マスク信者の日本国民には内緒。
ただ、それは使い方の問題もあるようなので、訓練された医療関係者と同様に使いこなせるよう猛特訓すれは活用の道はあるかもしれない。
マスクは私達の心が求めた心の盾なのだ。私達が欲しているのは安心であって安全ではない。
意外とこんなポエムに反響が大きかったので、参考となる他の人のまとめた情報へのリンクを貼っておきます。
ブログを毎日チェックして批判的吟味をするくらい敬愛・信奉しているNATROM先生のブログです。本当にマスクか効果あるか?
http://natrom.hatenablog.com/entry/2020/03/27/111040
そのブログのコメント欄で紹介されていた、ある先生がまとめたマスク関連の文献等の資料集です。
https://docs.google.com/document/d/1SH8pii16imRC1czG1G7g4PgFoDD4aeK9BVNu9hoCBO0/edit
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さて、以上がコロナがニュースにのぼり、布マスク支給がされた2020年の話でした。
エビデンスが限られており、その限られた情報から判断すると、マスクをつける感染予防の効果が限定的(2020年当時)、というのが当時の研究状況からの判断でした。
こういった研究がありました。
Surgical Mask to Prevent Influenza Transmission in
Households: A Cluster Randomized Trial
https://journals.plos.org/plosone/article/file?id=10.1371/journal.pone.0013998&type=printable
その後、みんなでマスクをつけるという実戦投入。いわば壮大な社会実験がなされました。確かに、2020年時点での研究は、「みんなマスクをつけないなかで自分だけマスクをつけたらどうなるか」に当たる研究でした。
それでは、今の時代2022年の結果を見てみましょう。
既に2021年には、社会全体でつけることには意味がある。接触あたりの感染リスクを下げるから。社会的距離をとったり、他の手段と組み合わせて使うことがいいというレビューが出ています。
An evidence review of face masks against COVID-19
https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2014564118
2022年の今なら二年間の実践経験があるので、この結論は実感として感じます。街中の様子と感染者数のフィードバックループをみていますからね。マスク単独の結果かはわからないですが。
じゃあなぜ、2020年にマスクがいいってわからなかったの?と痛いところを考えてみましょう。
研究不足(エビデンス不足)であるのに、(ある条件下での)限られた研究の結論を過度に一般化したことが誤りだったと思います。
社会全体でマスクしたらどうなるかなんて、2020年より前なら実験できないことですからねー。
この誤りに陥らずにマスク政策を推進したのは政治家は賢明だったと私は思います。
一方で、不織布マスクは優れているけれど、やっぱり布マスクやウレタンマスクは感染を防ぐ効果は劣るよとか…
他の感染制御手段と組み合わせずに、みんなでマスクだけしたらどうなるかとか、この件、興味は尽きません。西日本と東日本でABテストをしたら面白いかもしれません(冗談ですが、倫理面を除けば不可能ではないかも?)
科学研究をどう政治や政策に活かすのか。そういった研究がもっと必要だと思いました。そして、自分は、もっと本当に研究が必要なケースと研究が充分なケースを見分ける目を磨きたいと思いました。
皆さんも、新型コロナが日常の病気となりつつある今日この頃、あの頃の予測と結果がどう異なるか、振り返って自分を磨きましょう(キラキラ)