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鬼さんこちら、手の鳴る方へ

作者: 雨海風舞

節分。立春。2月3日。

ボクはあまりこの日が好きではない。


節分には

鬼を追い払うために豆撒きをしたり(こんなに寒いのに外に追いやられるとは不憫すぎる)、

鬼から身を守るために玄関に鰯の頭とヒイラギの葉を飾ったりする(最近はやっている家が少なくなっている)

わけだが、

そもそもこの"鬼"とは何だ。


仏教について学んだことのある知り合い曰く

鬼とは、人間の邪悪な部分。

例えば、欲望だったり憎しみや怒りといったもののことらしい。

つまり、鬼は人間から産み出されるものであるということだ。


ならば随分と身勝手すぎやしないか。

外来種と同じではないか。

人間が勝手に連れてきて手がつけられなくなったら、駆除をする。

同じではないか。

とても愚かだ。


いくら鬼退治をしたところで

どうせまた産まれるのだ。

退治するだけ疲れるじゃないか。

だったらいっそのこと

鬼を仲間にしてしまえばいいのでは?

同じ労力を使うならばそっちのほうが効果的ではないだろうか。


自分の嫌なところや失敗したことから目を背けたり

嫌なことを遠ざけたりすることで

時間が解決してくれることもあるかもしれない。

けれど

いつか同じことを繰り返して自己嫌悪に陥ったりすると思う。

そのときそのときにじっくり向き合って

上手く対応して糧にする

バリアをして防いできたことにも挑戦してみる。

それも大事なことなんじゃないか。



鬼を討伐の対象とみなすか。

新たな仲間になるものとみるか。



「鬼はー外!」

豆を撒く無邪気な子どもに

鬼と友だちになれるヒトになってくれと

恵方巻きを咥えながら

ボクは願う。


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