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【急募】捨てられてたドラゴン拾った【飼い方】  作者: カズキ
なんかトラブルに巻き込まれた件
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 「やっぱりそう思うか?」


 「先輩達がルリシア様と出会った詳しい状況は、よくわからないですけど、今の話聞いてるだけでそんな感じですもん。

 そもそも、少人数でも王族の護衛がやられるって相当じゃないですか?

 エリート中のエリートを殺したってことでしょ?

 まぁ、作戦とかちゃんと立てて、さらにその手配犯のやつらがよっぽど優秀だったってことなんじゃ?

 お忍びって言っても、移動手段もそうですけど、その道も安全なルートをとると思いますし」


 「でも、なんで暗殺?

 そんなにルリシアお姫様の国ってゴタゴタしてんの?」


 おじさんに続く形で俺も疑問をぶつけてみる。

 すると、父が逆に訊いてきた。


 「テツ、お前不思議に思わなかったのか?」


 「?」


 「彼女が、王様になることに」


 「なんで?」


 そこで、おじさんがピンと来たようだ。


 「先輩。時代が違いますよ。俺達の時とは、時代が違うんです。

 今は、男女平等が当たり前なんですよ」


 そこで、俺もやっと理解した。

 そうだ。

 世襲制、家督を継ぐ場合、俺の住むこの国も、そしてウェルストヘイムも、いや、この大陸のほとんどの国で優遇されていたのは男だ。

 貴族も庶民も関係なく、男が家を継ぐものと決まっていた。

 女系で子供が女しかいない場合は、他所の家の次男三男坊を婿にもらうというのが、それこそ祖父母の頃には普通だった。

 それが変わり始めたのが父くらいの時代だ。

 女に学はいらない、外で働かずに家を守るなんていうのは今や時代遅れだがそれでも家を継ぐとなると、やっぱり長男という考えはまだ染みついている。

 しかし、だ。

 共働きに関してだけ言うなら、農家はむしろ寛容なくらいだ。

 むしろ、専業主婦なんて見たことない。


 「なるほど、だから疑問に思わなかったのか」


 父は納得したようだった。

 そして、掻い摘んでルリシアお姫様の国のことを話てくれた。

 なんというか、血みどろな話だった。

 ルリシアお姫様は先王と正妻の間に生まれた子供であり、女であったということと末っ子だったため、元々、王位継承権はそんなに高くなかったらしい。

 それでも、王族ということもあり見聞を広めるため留学していたのだが、この一年未満の間に上の子供達、つまりルリシアお姫様の兄達が互いを蹴落としあって全滅し、気づけば直系はルリシアお姫様と側室と愛妾の子供だけが残った。

 さて、ここで今度は側室の、それも男を産んだ側室の実家がでしゃばってくる。

 女に国を運営するのは難しい、側室の子の中から次代の王を選ぶべきである、と。

 それに待ったをかけたのが、ルリシアお姫様のお父さん派閥だった。

 下手に国の実権を握らせたくないのはどちらも同じで、さらにルリシアお姫様のお父さんお母さんは、やはり自分の子に跡目を継がせたかった。

 となると、今度は将来のお相手選びだ。

 父によると、噂でしかないが、留学はそのお相手選びも含まれているのだとか。


 「まぁ、お相手選びは本当に噂で。

 でもま、本当のところは、とりあえずまだ安全な国外へやって国内の諸々を調整したら呼び戻すって事、らしい」

 

 「でも、暗殺されかけてるじゃん」


 「それだけ本気ってことなんだろ」


 国の実権握ったところで、仕事が増えるだけだと思うのは俺だけだろうか?

 なんでわざわざ面倒臭いことをしようと思うのか、ちょっと謎だ。


 「とりあえず、早く助けた方がいいと思うんですよ、先輩。

 主にうちの娘を!」


 「相変わらず思考がクズだなお前」


 「自分に正直なだけです。

 あ、嫁と息子は無事でした。

 停電して外に避難してる途中で、娘だけはぐれたみたいです」


 「ルリシアお姫様の隠密護衛も、動画の様子からしてやられてるよな」


 「隠密護衛?」


 聞き慣れない言葉だ。


 「気づかなかったか? 駐車場からずっと俺達監視されてたんだぞ」


 あー、そういや、変なタイミングで父さん後部座席確認してたような。

 あの時かな?

 

 「でもさ、よくよく考えるとよくこんなホテルで会おうと思ったよなぁ、ルリシアお姫様。

 普通、逆でもっと安全な場所で会うか、警備をキツくしない?」


 「だからこその隠密護衛なんだよ。あの国だと非公式でそれこそ都市伝説みたいなものだから、その存在は表向きには【無い】ことにされてるし。

 噂じゃ、隠密護衛の予算申請は宮殿のトイレットペーパー代で出されてるとか、いないとか」


 「でも先輩。隠密護衛ってそれこそ、その道のエキスパートのエリート集団だったと思うんですけど。

 そう言えば、先王時代に、先輩がその鼻っ柱折るまでは大陸最強を自負していた気がするんですけど。

 そんな人達が簡単にやられるとは、思えないんですけど」


 エリート集団の鼻っ柱折ったのか、父よ。


 「…………とりあえず、人質助けるか。

 これも乗りかかった船ってやつだし」


 父さんが、おじさんの言葉を無視して、頭を掻きつつ俺に言ってくる。

 折ったんだな、鼻っ柱。


 「テツ、冒険者ギルドと、もう一度タカラに電話してくれ」


 「姉ちゃんはともかく、冒険者ギルド? なんで?」


 「仕事をするには、事前の根回しも大事なんだよ。角が立たないようにな」


 大人の事情というやつか。

 それにしても、仕事をするって大変なんだなぁ。


 というか、父さん。

 冒険者ギルドの番号、登録してないのか。

 そうなのか。



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