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信勝謀反の企て

弘治3年 信長の弟・信勝(信行)が再び謀反を企てるのであった。尾張上群の岩倉城の城主・織田信安と共謀して信長の直轄領を奪おうと考えるのであった。そして戦に備え、竜泉寺という寺を城に改造するのであった・・・。

この頃、信勝は津々木蔵人という人物がお気に入りであり、優遇したのだった。信勝方の有力な家臣は皆この津々木の配下に付けられ、津々木はとてもとても有頂天になり、信勝の重臣・柴田勝家をないがしろにする始末であった・・・。


「津々木めぇ!この儂をないがしろにしてただで済むと思うなよ!・・・・そうだ!そうだそうだ!信長様にこの事を伝えねば!信勝様がご謀反という事を!」


これに不満を持った勝家は、信長側に寝返り、織田信勝が謀反を企んでいるという事を密告したのであった・・・。


「殿!織田信勝!ご謀反でござります!」


「で・・・あるか・・・。謀反を企むなど愚かな事を・・・高崎!あの策で信勝を暗殺するぞ!」


これを聞いた高崎は反応した。


「・・・まさか斎藤義龍が弟二人を暗殺した同じ方法で・・・?」


「そうだ!病気のふりをして一切外出はせん。勝家!それを利用して信勝を呼べ!」


「・・・かしこまりましたでござる・・・」


こうして信長はかつて斎藤義龍が弟二人を暗殺した時と同じ策・病気のふりをして一切外出をしないでそれを誘い出しそのまま暗殺という策を・・・・。


しばらく経ち11月3日、母と勝家に勧められ、信勝は清州に見舞いに行くのであった。

清州城の北櫓・天守次の間で信勝を待たせていたのであった。そこへ来たのは信長ではなく高崎であった。


『信長・・・この暗殺俺にやらせてくれ!お前が殺るより俺が殺ったほうが楽だろ?それか信勝の話を聞いてから判断しよう。』


『・・・で、あるな。実際弟を殺すというのは気が引けるのだ・・・頼んだぞ高崎・・・』


「織田信勝様であらせられるな?拙者織田信長の家臣・高崎義重と申します。以後お見知りおきを・・・(お見知りおきをと言ってもここで殺すんだけどな・・・)」


「ほう、そなたがあの阿修羅と呼ばれた高崎義重殿か・・・して兄上・・・信長殿は大丈夫なのか?」


この言葉を聞いて高崎は胸がきつく絞められた・・・・

(本当に兄上を気にしているなら・・・何故・・・何故謀反なんて・・・)


「信長様はとても危険な状態です・・・と言いたい所だが、信勝殿にどうしても聞きたいことがございます。」


「なんだ、申してみよ」


数分の沈黙が流れる・・・・。しかし高崎の言葉で沈黙は破れる。


「何故・・・・何故!信長殿に歯向かうのですか!?何故謀反をするのですか!」


この言葉で信勝は目を見開く、何故謀反の事を知っているのだと。


「何故謀反の事を知っている!誰に聞いた!?」


「聞きたいのはこちらのほうです!何故!謀反をしようなどと!?」


またもや沈黙が流れる・・・何故信勝は謀反したのかと聞いた事によって信勝は少し焦りが出ていたようだ。だが、すぐに信勝は答えた。


「兄上はうつけ者・・・これ以上尾張を任せていたら尾張・・・いや織田家は滅亡する!これ以上これ以上好き勝手にはさせたくない!だから兄上を殺し、この俺が織田家を支配するのだ!頼む!織田家の為なんだ・・・兄上を・・・殺させてくれ高崎殿!」


「だってよ信長・・・・信勝は国の為に動いてたみたいなんだ・・・許してやってくれ。罰として幽閉でもいいんじゃないか?」


「な・・・!兄上!?大丈夫なのですか!?」


高崎の言葉で信勝は驚愕する。家中では信長は今生死を彷徨う程の病気と聞いたのだ。なのになぜ信長は平然といられるのか。そして謀反の企てを聞かれてしまったのだ。それに信長は答える。


「高崎それは無理な話だ。確かに尾張の国の為に動く事は良い。しかしそれが謀反となれば話は別だ、高崎信勝を殺せ。無理ならば俺が殺す。」


「その為の高崎殿であったか兄上ェ!!くそ!謀ったな!」


信長は高崎に殺すよう命令をした。その事によって信勝は剣を抜き反抗した。しかし高崎は信長の命令に逆らった。


「いや・・・まて信長、それと信勝殿。少し話をしよう・・・な?それから決めよう殺すか殺さず幽閉にするか・・・または家臣にするかをさ?」


高崎の話にお互いは少し考え答えた。


「高崎・・・お主の提案許す。信勝俺の話を聞いてくれないか?」


「兄上・・・いいでしょう聞いてあげましょう。しかし!考えは変わらぬと思ってもらいたい!」


信長は信勝へ話をした。美濃を道三に譲ってもらう話、そしてこの国をどう変えるかの話、そして古い制度を廃止する話、そしてその先の海の向こうの世界の話ほかにも沢山話をした。それを信勝は困惑した顔を出したりもしたが、真剣に話を聞いた。やはり兄弟だなと改めて高崎は実感した。そして話を聞いた後信勝は少し考え答えた。


「兄上の話・・・確かに同意できる話は沢山あった。しかしもう謀反を企ててしまったんだ・・・もう・・・殺されるしかないんだろ?兄上」


「違うぞ信勝、俺は言ったよな?この国の古い制度をぶっ潰すと!ならば謀反を企てた者への打首、切腹は無しだ!幽閉もだ!だから・・・俺の元へ来ないか?家臣として!名前を変えてでも家臣として来てもいいぞ」


高崎は思った。信長自身も変わろうとしている事を・・・高崎の知っている信長は冷酷で残虐で呼び名は第六天魔王なんて呼ばれていた。その信長が今、目の前で変わろうとしているのだ。


「わかった兄上・・・これからは織田信勝ではなく高崎殿の名を使い、高崎信繁と改める!」


「って、おいおい!俺の名前勝手に使うなよ!別にいいけどさ・・・」


信勝の判断で信長は満面な笑みを浮かべた。良かった!弟を殺さずに済むと!


「で、あるか!」


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