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留置場 22日間の記録  作者: 神尾 旭
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1日目① 平成29年10月11日(水) 逮捕

 朝、私の名前を呼ぶ声が聞こえる。

 寝ていた私は、その声ではっ!目が覚める。


 目の前には5人の捜査官がいた。

 全裸で布団の中にいた私は、5人を見るなり、思わずきゃっ!!と布団で裸を隠す仕草をとった。


 まだ半ば頭が働いてない状況の私をよそに、色々なことを聞かれ、上司に指示をされた捜査官達は、部屋を調べていく。


 部屋は自分でも引くくらい汚い。

 誰も訪れる予定がないという、自分自身の余裕というかヌルい性格から生まれた悲劇である。


 そんなゴミ屋敷から、証拠品はどんどん押収される。

 そんなゴミ屋敷状態の写真もバシバシ撮られる。


 銀行通帳を見ながら、女性捜査官は質問してくる。


 女性捜査官「これ、なんの入金?」


 かなり昔に、アクセサリーを販売していた時の3000円の入金を鋭くチェック。


 私「覚えてません」

 女性捜査官「自分の通帳なのになんで覚えてないの」


 敬語の私に、容赦なくタメ語で返してくる女性警察官。

 年齢の上下関係なんてなく、犯罪者は見下される運命なのだ。


 まだぼーっとした頭で、とっさに数年前の3000円を言われてもテキパキ答えられるはずがない。

 お前も一度、寝起きに捕まってみろ。


 警察署に向かう為、畳んでない洗濯物の山の中から、下着とシャツを適当に見繕って袋に詰める。


 上着も持っていけと言われたが、捜査官が部屋を調べている時に、埃が積もった棚の上に上着を置いて埃まみれになっている。

 軽く捜査官のせいにするように、私は「こんなの持っていけませんよ…」と、ふてくされたように埃まみれの上着を指差しながら言い放った。

 そう、部屋が汚いことを全く無視して。


 次に捜査官は、テーブルの上に置いてあった現金を私に手渡し、着替えが入った袋に入れさせた。


 そして私は、人生で初めての留置場へ旅立つのであった。

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