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留置場 22日間の記録  作者: 神尾 旭
18/20

7日目② 平成29年10月17日(火)30代前半女性刑事

 午後の取り調べ。


 覚せい剤の見本を、まずはグラム数を隠された状態で見せられる。そしてどれくらいを譲ったのか、私が買ったのはどれくらいかを選び、最後にグラム数を当てる。

 正直言って自信があったのだが、全く間違っていた。プロ失格だ。


 そんなやりとりを今日は一日中して、私のより細かい調書が作られた。


 突然話は変わるが、ノートに書いてある内容を読みやすいように修正しつつ写し、ここに載せているのだが、今見ると当時の気持ちや考えが乱れている事が伺える文がある。

 次に書く内容が、この日の取り調べを終えた感想だ。


『今20:00過ぎたところ

 取調室に来て始めのやりとりの部分で「しばらくゆっくりして何やりたいか、色々考えてみれば?」という言葉が、有罪の方向へ持って行くつもりなんだと今気づいた。』


 とっても超被害妄想。

 つまり仕事も何もせず、刑務所に入って自分自身を見つめ直せばどうかという意味に捉えてたのだ。

 私は基本的に相談事や悩みはなく、もしそんな事があったとしても他人に打ち明ける性格ではないが、責め立てられ続け、1人で抱え込んでくると、疑心暗鬼MAXになるのでしょう。


 多分この時の私の感情は、仕事終わって家で日本酒を一人でちびちび飲むのが好きという、30代になりたての女性刑事さんを、軽く憎いと感じてたのかもしれない。そう考えると警察という職業は、いつの間にか恨まれてしまう可哀想な仕事でもある。


 取り調べは、私に散々言いたいように言われてる30代になりたての女性刑事さんが担当する。

 毎回比較的和やかムードに進み、私の明るい性格も相まって楽しく、時には性に関する事も話題になったりしていた。


 ただ警察の仕事は未練は全くないけど、あくまで仕事と割り切っているという考えがあるだけに、厳しい表情を見せる姿もあった。

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