チャットルーム
――退社後の大剣術士が作ったチャットルーム
大剣術士:
入れたか?
467:
OK。
すでにチャットルームを作っているとは思ってなかった。
棍術士:
弓術士さんと連絡しあう為だろ。
それぐらいは予想していたぞ。
弓術士:
これは違いますよ。
皆さんとの連絡用に作ったものです。
大剣術士:
短剣術士さんや短槍術士と連絡を取り合うものなら別にある。
467:
わざわざ、別ルームを作ったのか?
あいつらも巻き込めよ。
ついでに杖術士や剣術士も混ぜたらどうだ?
もっと言えば、係長やYさんはどうだ?
大剣術士:
ここは社長命令がされた人のみで限定してみた。
それを前提として話す場として使う以上、参加させるのは不都合があると思う。
係長達は論外だろ。
あの人達の性格を考えたら、こっちに気を使って足を止めかねない。
棍術士:
というか467。
お前社長じゃなかったか?
なんで命令されてんだよ?
467:
何言ってんだ。
命令なんかされていないぞ。
俺は会合に参加して、賛同した立場だってぇの。
君達に命令した側なの!
大剣術士:
そこはどうでもいい。
弓術士:
それより話を進めましょうか。
棍術士:
それもそうだな。
467:
聞いておいてそれはないんじゃないか!
棍術士:
それはそうと、まだ何人かいたんじゃなかったか?
大剣術士:
コテハンが無いプレイヤー達の連絡先は、まだ分からない。
467なら分からないか?
467:
俺も分からないぞ。
というか、良く俺の電話番号が分かったな?
大剣術士:
うちの社長に聞いたら簡単に教えてくれた。
棍術士は、自分のツイッターで係長のグループにいる事や、自分が棍術士のコテハンを使っているのを暴露していたから検索したらすぐに出てきた。
まさか製麺会社で働いている事まで書いているとは思わなかったぞ。
少し情報公開しすぎじゃないか?
467:
棍術士よぉ……
棍術士:
そこまでしても、俺にはインタビューとかの類が一切なかった件……
フォロワーだけ何故か増えた。
大剣術士:
それは、偽物騒動で懲りただけじゃないか?
弓術士:
それより、467さんの電話番号がすぐに分かった方が問題なのでは?
467:
そうだよな。
なんで、大剣術士の社長は教えたんだよ?
大剣術士:
お前、うちの社長に軽く見られているんじゃないか?
俺は駄目元で聞いたのに「あの人なら大丈夫だろ」って感じで教えてくれたぞ。
467:
なんでだ?
お前の会社の社長と、そこまで親しくないぞ?
棍術士:
自分の部下に何か言われていたんじゃないのか?
うちの社長の事はどう扱っても構いませんとか?
467:
……あり得る。
心当たりがあるわ。
大剣術士:
何だか気の毒になってきたな……
まぁ、それはいいとして、とりあえず探索範囲の分業化について話すぞ。
今日の掲示板で話したとおり、係長達と別れて地図作成をする事にした。
それで分かった範囲を見せあう時間に、ガチャ要望に応えようと思う。
467:
それは分かったけど、鍵の方はどうするんだ?
あれは、やっぱり無視?
弓術士:
係長達が断っていますからね。
あれは、無理も無いと思いますよ
棍術士:
おいおい467。
まさか、その要望に応えさせようとか思っているんじゃないよな?
467:
それこそ、まさかだろ。
いくらなんでも係長達だけで要望された宝箱全てに応えられるわけがない。
かといって誰か1人の要望に応えたら、今度は贔屓だとか言い出すやつがいるだろうから、係長の判断には俺も賛成だ。
棍術士:
それが分かっているなら、なんで聞くんだ?
467:
俺が言いたいのは、あれを要望していた連中の事だよ。
少ないけど要望したプレイヤーはいたんだし、ほっとくのもマズイ気はする。
火が小さいうちにちゃんと消した方が良いんじゃないか?
大剣術士:
言いたいことは分かるが、変に関わると大きな炎にもなりかねないし傍観が良いんじゃないか?
467:
そうとも思うんだけどさ……せめてミミックと遭遇できればなぁ…。
弓術士:
Yさんのブログにミミックと遭遇した場所は出ていますね。
私達が教えてもらった通りの場所です。
最初は宝箱と同じで無敵ですが動き出した後であれば別。
モンスターという扱いになる為、ダメージを与えられる。
そんな推測も一緒に書かれています。
棍術士:
モンスターなら、俺達も15階で遭遇できるんじゃないか?
全く別の場所に居たりする気がする。
大剣術士:
あり得なくはないが、運しだいのようにも思える。
弓術士:
絵の方も気になりますね。
棍術士さんや467さんの方でも見つかりました?
棍術士:
いや、まだだ。
とりあえず南東の方を調べている最中。
明日あたり地図の照らしあわせに参加しようかと思ってる。
467:
あ、被った。
こっちも南東の方なんだよな…
探索範囲の分業については掲示板でも言ってあるんだし、俺や剣術士のPTも含めて作業内容なんかは迷宮の掲示板で話したらいいんじゃないか?
弓術士:
またマスコミが係長達の事で騒ぎかねませんよ?
467:
それは大丈夫。
係長関連でこれ以上騒ぐような事があるなら、スポンサーについている社長達の方から一言言ってもらう手筈になった。
大剣術士:
やっぱりか!
なら、探索範囲の分業については、剣術士も含めて迷宮の方で話を進めて良いな?
棍術士:
もう、ガチャの要望に応える事は決まったんだし、剣術士も反対しないだろう。良いと思うぞ。
467:
うちの連中も賛成すると思うな。
大剣術士:
じゃあ、この話は決まりだ。
次にボス階についでだが、これどうする?
16階はボスだと思うし、俺達が先に進んで戦闘中に得られた情報を書き込もうかと思うんだが、どうだろ?
棍術士:
係長達に対応策を考えさせる為か?
大剣術士:
そんな感じだ。
もう初見で倒すのは無理だろ。
俺達で情報を集めてから、係長達にチャレンジしてもらった方が良くないか?
弓術士:
それは、止めた方が良いと思います。
467:
お?
大剣術士と弓術士さんの意見が割れた?
大剣術士:
結構違う事多いぞ。
弓術士さん、理由は何です?
弓術士:
理由は、あの人達が楽しんでいるからです。
特に係長の場合、掲示板で情報を流す事を楽しみにしていませんか?
うちのグループが荒れにくい理由って、係長のそういう点が理由だと思うんですよね。
たぶん、何も情報がない状態で挑みたいと思っているんじゃ?
棍術士:
俺もそう思うw
467:
ありえるなw
大剣術士:
普通は情報ありきで挑みたいと思うんだが、あの人達の場合あり得るな……
その辺りはあまり考えないようにするか。
棍術士:
助けられる所で、助けていく方針でいいと思うな。
弓術士:
そうですね。
気を使いすぎたら、変に思われるかもしれません。
大剣術士:
別に悪い事をしているわけじゃないんだが……まぁいいか。
じゃあ、ボスについてはそう言う事にしよう。