8階の情報
雑談スレ Part41
431 名前 大剣術士
8階の情報をまとめるぞ。
1.出現モンスターはガーゴイルとハーピー。どちらも空飛ぶモンスターだ。
2.ハーピーは足の爪先を使っての攻撃。ガーゴイルは火球の魔法を使う。
3.ドロップとして魔石を確認。ドロップ率が上がっている可能性がある。
4.係長PTは闇鎧という魔法を。槍の派遣社員達は、鉄の胸当てと膝当てを見つけた。
5.闇鎧の魔法は、魔法耐性をあげると思われる
(魔法に対しては効果が確認済み。物理攻撃に対しては無意味。他は不明)
6.迷宮の風景が変わったが、2組とも自然にできた亀裂の中を歩くような風景になったらしく、頭上に青空と太陽が見えるらしいぞ。
7.PTの解散及び、脱退機能が追加。某社長対策に有効か?
こんな所だな。
432 名前 名無しの迷宮人
>>431
まとめ乙。
いよいよきたか。って感じだな。
433 名前 名無しの迷宮人
7階のボスが強かったらしいから、ある程度は覚悟していたけど、迷宮内で空飛ぶモンスターまで出現させてきやがったか。
迷宮の光景が一緒になるのは、初めてか?
434 名前 大剣術士
>>433
光景が一緒になるのは初めてだと思う。そういう情報は見たことがない。
435 名前 短槍術士
元々道筋は一緒だったわけだから、画像調整しただけなんだろうな。
436 名前 槍の派遣社員
風牙取っておいて無茶苦茶助かった。
係長様々だぜ……
437 名前 棍術士
>>436
気持ちがこもってるなw
438 名前 槍の派遣社員
こっちは前衛2人組なんだぞ。
俺が風牙をとっていなかったら詰んでいたところだ!
……それでも厳しいけどな。
439 名前 名無しの迷宮人
>>438
ヌンチャク課長は、魔法ねぇのか?
440 名前 槍の派遣社員
>>439
水弾は覚えてる。
だけど近接職の場合、まっすぐしか飛ばねぇし威力も弱い。
なもんで、意味がほとんどない感じだ。
俺の風牙で片付けているが、数発使わないと倒せねぇな。
441 名前 名無しの迷宮人
>>440
ん? じゃあ、お前1人で2匹とも片付けてんのか?
魔力もたねぇんじゃね?
442 名前 槍の派遣社員
>>441
毎回俺1人ってわけじゃねぇよ。
ハーピーの方は降りてきて攻撃してくる事もあるから、そこは課長にお任せだ。
だけど、ガーゴイルは降りて来なくて火球をバンバン打ってくる。
それは俺担当だから、魔力がきっついな。
休憩所を使って休みながら進んでいるが、8階は相性が悪い気がするわ。
まだ分からないけど、少し無理してでも上へ急ぐかもしれねぇ。
443 名前 短剣術士
Yさん。私と短槍術士さんで7階に挑戦してみますが、光陣の融合は最初からの方がいいですかね?
444 名前 Y
>>443
その方が良いかと思います。
光陣の中に入って、まず2人でワーウルフを倒してしまった方が楽だと思いますので。
445 名前 短剣術士
>>444
やってみます。有難うございます!
446 名前 短槍術士
短剣術士さんから、あまり離れずワーウルフと戦うって感じでいいんだよね。
ちょっと緊張してきた。
447 名前 短剣術士
>>446
頑張りましょう!
448 名前 短槍術士
大丈夫だ! 守って見せる!
449 名前 短剣術士
>>448
お願いします!
450 名前 槍の派遣社員
>>448-449
お前ら、掲示板じゃなくて、そっちだけで話せよ。
仲が良すぎて、嫉妬するわ!
451 名前 剣術士
>>450
お前こそ、ヌンチャク課長との仲はどうなんだよ?
452 名前 槍の派遣社員
>>451
何もねぇよw
……何もな
453 名前 棍術士
>>452
お前、まさか……
454 名前 剣術士
>>452
本気で惚れたのか! そうだろ!
455 名前 467
Rさん出番です!
是非とも槍の派遣社員にアドバイスを!
456 名前 R
え? なぜ、俺?
結婚している方がいるんじゃ?
そっちに聞いてくださいよ。
457 名前 剣術士
嫁ならいるが、話したくない。
付き合っていた頃のあいつと、今の嫁はきっと別人だ……
現実を知った妻帯者より、係長の方が良いと思われる。
458 名前 槍の派遣社員
>>456
|д゜)(ジー)
459 名前 R
そう言われても……
とりあえず現実の方でも会ってみては?
向こうでも稽古をつけてほしいとか、言ってみてはどうでしょう?
自分は、そういうのが疎いんで、これしか言えませんよ。
460 名前 槍の派遣社員
稽古…。良いかもしれない。
頼んでみるっす!
461 名前 杖術士
迷宮攻略の話から、何故か恋愛相談スレに……どうしてこうなった?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
峡谷。
そう呼ぶしかなかった。
8階へと到着した良治達と槍の派遣社員の両PTは、荒野に作られた亀裂の中を歩いている。
左右に切り立つ岩壁が影を作っているのは、上空高くに太陽が存在している為。
上空には2体のモンスター。
1体は、ハーピー。
両手は羽。性別は女。胸はあるが毛に隠されている。足には猛禽類のような爪があった。
もう一体であるガーゴイルは、石像のような皮膚をもち、悪魔のような翼を背にもつ。
このガーゴイルが上空から火球を放つわけで、それが厄介だった。
頭上から降り注ぐ火球と、ハーピーによる急降下攻撃という攻撃パターンとなるわけだが、槍の派遣社員やヌンチャク課長のような場合だとなかなか降りてこない。
相手のパーティー構成によって行動パターンを変えているようで、遭遇するたびに、槍の派遣社員が風牙を何度か使用している。
逃走も試したようだが、さらに敵と遭遇してしまい火球が増えてしまうという事態に陥ったという。
これに対し、闇鎧の魔法が絶大な効果を示した。
ガーゴイルが放つ火球を受けても少し「熱い!」という程度である事から、魔法耐性を上昇させる類だと洋子が推測。火球に対する恐怖心が薄れるので、大いに助かるというのが良治の感想だ。
「係長。魔力の方は大丈夫そうですか?」
「目眩はないな。今までそういうのがないから、限界がどこなのか全く分からない」
「一度試したほうがいいかもしれませんね」
「……まぁ、今度な」
この8階にいる間は、戦闘時にどうしても魔法を使ってしまう為、洋子はそれを気にしている様子。
休憩所で休める時間も限られているし、魔石を使うのも避けたい。
地図そのものは作っていくが、今までのように歩くのではなく駆け足で進んでいるのは、そうした問題があるからだ。
これは槍の派遣社員達も同様で、彼等の方が急いでいる。
槍の派遣社員達は、良治が報告した闇鎧の魔法を。
良治達は、槍の派遣社員が報告した防具を求め向かっている最中だった。
「あった! あれだよ洋子さん!」
「まだ分かりませんよ。3つめの宝箱かもしれませんし」
報告にあった鉄の防具。
それが入っている可能性があると喜び近づく。
中には報告にあった通り、鉄の胸当てと膝当て。
それと、厚い布地で作られた黒いガウンのようなものが一緒に入っていた。
「……報告と違いますが、これは、私用でしょうか?」
「たぶん? 休憩所で着替えるか?」
「そうですね」
2匹のモンスターがいつ襲ってくるのか分からない場所よりはと、休憩所を出し2人そろって着がえる事にした。
良治は鉄の胸当てと膝当てを。
洋子は『魔法使いのローブ』というものを身に着けてから外へと出てくる。
「……」
「……」
2人ともが無言だ。
その理由は、洋子の姿にあった。
上に羽織った黒いガウンはいいのだが、作業服と革の胸当ての上に着こんだものだから、非常にコメントしづらい姿となってしまっている。
どう言えば良いのかと悩んだあげく、沈黙を選ぶ。
彼女が新しく着た服は、確かにローブとは言えなくもないのだが、帯のついていないナイトガウンと言う言葉が適切のように見えた。
「もしかしたら、と思っていましたけど、PTメンバーに合わせて宝の中身が変わるんでしょうね」
「でも盾は違ったよな」
「そういえば、あれは1個だけでしたね」
互いに青銅の盾を入手した時の事を思い出す。
良治は軽々と扱っているが、洋子にとっては違う。
そこで、良治は軽く首をひねった後、何かを察したように「あぁ」と、小さな声を出した。
「もしかして、まともに使えるのが俺だけだったから1個だけって事じゃ?」
「……筋力数値で判断している?……ありえますね」
「それってステータス絡みか? そう言う所だけゲームにしなくてもいいと思うんだがな。痛みは邪魔でしかないし、肉を切るのも結構嫌だぞ」
「まだ慣れませんか?」
「最初の頃に比べたら慣れたよ。だけど、嫌な事には変わらない」
「……それもそうでしょうね。泣き声も酷いし」
モンスターを倒した時に聞かされる、かすれ消えゆく悲しい声。
アンデット達であれば無かった事であるが、8階の相手は違う。
どうあっても鬱な気持ちを味わってしまっていた。
「洋子さん、残りの未探索地区はどのくらい?」
「ちょっと分かりませんね。下の階と同じ広さだとしたら5割ほど完成していますが、光景がまったく別種ですから」
「どこまでが迷宮の中になるのか、分からないよな」
洋子の言った事を理解し、両隣にそびえたつ石壁の先を見上げた。
上から見れば、全景が分かるだろうが、この岩壁を上っていくだけの気力は流石にない。
「昼までにもう少し頑張ろう。何か発見できるかもしれないし」
「地図の方は任せてください。係長は警戒の方を」
「分かってる」
互いにやるべき事を理解しつつ、彼等はさらに探索を続けていった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
昼休憩の時間まで探索を続けてみたが、何一つ見つからずに終わる。
それは9階へと上がる階段も含めての事。
下層の広さを考えれば、そろそろ7割を切ったといった所で昼休憩の時間がきた。
「……あれ?」
出現させた休憩所の中へ入ろうとした足を止めたのは、中に自動販売機が設置されていたからだ。
疲れたか?
なんだか見慣れた……いや、缶ジュースが売っている様な自販とは少し違うが。
それは誰が見ても自動販売機だと言えるものだが、若干横に長い。
良治が「うーん」と軽く唸った声を出してしまう。
「係長! 自動販売機! 自動販売機が!」
自分の休憩所にはいったはずの洋子が、大声を出して良治に近づいてきた。
「分かってる。俺の所にもあるぞ」
と、自分の部屋を指さしてやると、洋子が中へと入っていった。
「あー…同じですね。これ食事用の自動販売機です。今まで食べたアンパンやオニギリ、それに弁当……ラーメンまで追加されていますよ!」
「おっ! ラーメンもか!」
「ほら、ここに」
「おぉ。本当だ。半カレーラーメンみたいなのはないかな?」
「それは無いでしょ……カレーの弁当もないんですから」
「駄目か……。じゃあ、俺は醤油ラーメンかな。洋子さんはどうする?」
「私は……」
真剣に昼の食事について悩みそうになったが、そこで気付いたように顔をあげた。
「か、帰って選びます! 失礼しました!」
「ん?」
弾かれたように洋子が休憩所から飛び出していった。
少し遅れて「あぁ、ここは俺の休憩所か。へぇー…自分以外の休憩所にも入れるのか」と、この時になり気付いた様子。
洋子が出ていくと、今度は別の事で悩んだ。
自販はいいが、金はどうしたら?
財布を持ってきていない事に気付くが、よく自動販売機を見てみると、値段も無ければ硬貨や札をいれる場所が見当たらない。
まさかと思い、醤油ラーメンのボタンを押す。
選択したとおり、販売機の下に中華ドンブリが設置され、そこへ具材とスープが注がれていった。
「……無料か。まぁ、今までも無料だったから、そうなるんだろうな……でも、ゲームってこういうものだったか?」
この迷宮に連れて来られるようになってから、一体何度めの疑問だろう。
ゲームならば、色々出来て不思議ではないだろうが、こんな事をさせてどうするというのだ?
(見て楽しんでいるだけかもしれないが……おっと、出来たか)
鼻へと入ってくる醤油の匂い。あぁ、涎がでそうだ。
出来たばかりの醤油ラーメンのドンブリを手にしようとすると割り箸もついていた。
(コショウは――ないか。残念だ)
良治はコショウを使うタイプのようだ。
無い物は仕方がないと諦め、久しぶりの昼食ラーメンを味わう事に専念し始めた。
ズルズルズル……うん。美味い。
カレーもいいけど、醤油ラーメンもいいよな。
そんな事を思いつつ、ひと時の休憩に身を任せる事にした。
自動販売機は、12:00-13:00の間だけ存在します。
お代わりも自由。