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第七話 洞窟攻略

「ぱらりら・るりるり・めたもるちぇ〜んじ!」


 ナギサちゃんが変身ステッキをくるくると回しながら変身の呪文を唱えると、ナギサちゃんが着ている衣服は一瞬で消えてしまった。

 そして服が消えると同時に、どこからともなく謎の光が現れたかと思うと、ナギサちゃんの身体を絶妙な割合で隠す。


 私はこのシーンを撮影しようとカメラを回すが、どんな角度から撮影してみても絶対に素肌が見えなかった。


 謎の光が徐々に晴れてくると、ナギサちゃんの体には、ピンク色の手袋、ピンク色のブーツ、白いスクール水着、ピンク色のチュチュ、ネコミミフードがついたピンク色のパーカー、胸元にネコのイラストが施された大きなアクセサリーの順に装着されて行く。


 ナギサちゃんの可愛い栗毛色の髪の毛が、淡い銀色に変わると、最後にナギサちゃんが決めポーズを決めて変身が完了した。


 此処までの一連の動きは、アニメだと最低でも十五秒くらいかかりそうなものだが、実際には二秒くらいしか経っていない。


 ナギサちゃんの右肩の上にちょこんと座っている使い魔――三毛猫に妖精(フェアリー)の羽が生えた生き物――が、ナギサちゃんにエセ関西弁で話しかける。


「ナギサ、毎度おおきにやで〜」


 う〜ん、何が言いたいのかさっぱりわからないが、ナギサちゃんには伝わったようだ。


「えへへぇ〜。ミケにゃん、ありがとうニャ」


 どうやらナギサちゃんは使い魔の名前を『ミケにゃん』にしたらしいということだけ分かった。


 ナギサちゃんが変身を終えたので私たちは洞窟に入ることにした。


 洞窟内は物凄く暗かった。これは光の魔法を使う必要が有りそうだなぁ〜と思い、私は華菜に声を掛ける。

「こんなに暗いとライト(・・・)が必要だね〜」


 それを聞いた華菜は「ふふっ、そうだねぇ〜」と言って、おもむろにスマホのライトを点けたのだった。


 いや、そうじゃなくて魔法を使ってほしかったんだけれど……って言おうと思ったけれど、まぁ別にいいかと思い直した私たちは、全員がスマホのライトを点ける事にしたのだった。


 ◆  ◆  ◆


 スマホのライトを頼りに洞窟内を探索していると、やや仄暗(ほのぐら)い十畳ぐらいの広場に辿り着いた。

 部屋の中央に大きなお墓があり、その周りを二十体ほどの骸骨のオバケが彷徨いている。


「あ、これはオモテの世界で見たことあります〜。確かスケルトンとかいう魔物ですね〜。

 こんなに多いのは初めて見ましたが私の白魔法で撃退出来たような気がします〜」と華菜が言った。

 そうだ。アマネの身体の記憶ではあるが、確か転生した(オモテの)世界にもこういうのが居たような気がする。


「ダメだよ華菜、今回はナギサちゃんに魔法を使ってもらうために来たんだから」


 私が華菜を制止してナギサちゃんの方を向くと……ナギサちゃんはブルブルと震えながら訴える。


「わわわわわたし、おおおおおおばけにににがてですニャ〜。ふえぇ〜ん、パパぁ〜」


 あ〜あ、ナギサちゃん泣いちゃった。

 誰だよナギサちゃんをこんなところに連れてきたのは……ブッ殺してや――――あ、私だった。

 見るとタクローがナギサちゃんを抱き締めて泣きやませようとしていた。


「メガ・ヒール」


 華菜が中級回復魔法を使うと、部屋の中にいたスケルトン達が次々と面白いように浄化(討伐)されていった。


 暫くすると広場の中に居たスケルトンが全て浄化された。


「ナギサちゃん、もう大丈夫だよ〜。オバケは皆んな居なくなったよ〜」


 華菜がナギサちゃんを安心させようと声を掛けた。


「……ほ、ほんとうニャ? 」

 ナギサちゃんは恐る恐る辺りを見回しスケルトンが居なくなったのを確認すると安堵の溜息をついた。


「さて、どうやらナギサちゃんはオバケが苦手みたいだから、もう帰ろうか」


 私が提案するとナギサちゃんがヘッドバンキングでもしてるのかと思うほどの勢いで頷いた。


 私たちが、さっき通って来た道を戻ろうと振り返ると、後方からギギギという骨が軋む音と共に物凄く(しわが)れた声が聞こえ始めた。


『ワレノネムリヲサマスモノハダレダ……』


 うわ、なんかやばそうな雰囲気。私たちは後ろを振り返らず一目散に入り口まで走り出した。


『ニガサヌ』


 そう声がしたかと思うと、上空から骨が降ってきて入り口を塞がれた。


 私たちが止むを得ず振り返ると、全長二十メートルはあろうかという大きな骸骨が地面から這い出てきた。


「ワレハガシャドクロ。コノドウクツヲスベルモノナリ」


 えっとガシャドクロらしいです。すごく大きいです。華菜の回復魔法も効かなさそうです。なんか私たち絶体絶命のピンチみたいです。もうナギサちゃんなんか白目を剥いて泡まで吹いてます。どうするのこれ〜?


「何か重いもので潰せば何とかなるかな。えっと……ええ〜っとぉ……そうだ! トラックだ!」


 私は召喚魔法を使ってガシャドクロの上空に過積載の十トントラックを召喚する。


 ズドーンという音と共にガシャドクロは跡形もなく潰れていた。十トントラックってすげぇ〜


 入り口を塞いでいた骨はガシャドクロの指だったようで、本体と一緒に消滅していた。


 私たちは命からがら洞窟を後にしたのだった。

予測されるQ&A

Q:何故ロード○ーラーにしなかった? 

A:ワタシ、ジョ○ョネタ、ワカリマセン


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