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四月朔日 エピローグ その3

てなわけで、マルチエンディング パート3です。


ナギサ編の17 の続きから始まります。

『アマネ姉と同化した私たち』が乗り込んだ機体は、ロボットというより巨大な魔法少女と言ったほうがしっくりくるような乗り物だった。


「この機体、なんて名前にしようか? うーん、そうだなあ〜。やっぱりコノハナサクヤロボを倒すのが目的だし、『魔法少女サクラチル』って呼ぼう」


 サクラチルは、同化した私たちの全ての魔法を使える『巨大な魔法少女』だ。たとえ相手が神様のロボットでも、負ける気はしない。


 私は、サクラチルの腕から消滅魔法の込められた光線を放つ。


 光線は、コノハナサクヤロボの握っているミョルニルに当たると、その存在を闇の彼方に葬り去った。


 ……なんか、私たちのほうが悪役っぽくないかな、これ……。


 ミョルニルを消されたコノハナサクヤロボは、身動きひとつしない。

 ……あれ? もしかして、全く動じてない?


 すると、コノハナサクヤロボから声が聞こえてくる。この声は……神様だ!


「あのね〜。咲耶ちゃんは今、過去にタイムリープしてるから、一時休戦しない?」


 ええー、今このタイミングでそんなことしてるなんて、咲耶ちゃん、余裕あり過ぎじゃない?


 とりあえず、サクヤ姉が居なくては話にならないので、私たちはサクラチルから降りて、魔王の間に戻ると、同化を解除した。


 神様も、コノハナサクヤロボから降りてきて、私たちの側に来てくれる。


 私は、創造魔法で『ピコピコハンマー』を作る。見た目はただのオモチャだが、女の子でも気軽に持てるくらいの軽さで、性能はミョルニルと同程度という代物だ。


「じゃあ、サクヤ姉が帰ってくるまで暇だし、ちょっと早いけど、予定通り『焼肉パーティ』を始めようか」


 私がピコピコハンマーをブンブンと二回振ると、ギガデブルが復活して死んだ。


「ハゲテール! 私が肉をジャンジャン出すから、食べやすい大きさに切っていって! それから、マリエルは、お肉を焼く係をお願い!」


 二人の下僕たちは、言われた通りに肉をどんどん焼いていってくれる。


 ある程度肉が焼けたところで、肉の供給をストップし、アマネ姉が異世界から持ってきた秘伝のタレをかけて、皆んなで食べた。


「んー。異世界の魔王って、意外と美味しいんだね。でも、宴はそろそろ終わりみたいだお」


 神様がそう言うと、突然コノハナサクヤロボの機体が光り出した。


「ファイル咲耶パーンチ!」


 サクヤ姉の声とがしたかと思うと、コノハナサクヤロボがサクラチルを殴り飛ばしていた。


 どうやら、サクヤ姉が時間旅行から帰還したようだ。


「じゃあ、神様。此処からは戦いの続きってことで良いのかな?」


 私が神様に聞くと、神様は首を横に振る。


「あたいは、この肉を咲耶ちゃんのところへ届けに行くの。こんなに美味しいものを食べれば、咲耶ちゃんも正気に戻ってくれるんじゃないかな」


「わかった。神様、頑張ってサクヤ姉を元に戻してください」


 私は、そう言って、神様を見送った。


 神様が光に包まれてコノハナサクヤロボのコックピットに飲まれていく。


 魔王の間では、いつの間にか巨大モニターが設置され、神様とサクヤ姉のやり取りが中継されていた。


「咲耶ちゃん、おかえり。これを食べてみて……」


 神様がサクヤ姉に肉を勧めたようだ。


「ん〜? エイプリルちゃん、これ何の肉? ……まあいいか。じゃあ、いただきま〜す」


 エイプリルちゃん……というのはおそらく神様のことだろう。サクヤ姉が肉をパクリと口に咥えた。


「……うっ」


 サクヤ姉の口から吐息が漏れる。


 次の瞬間、サクヤ姉が、目と口から光線を放ちながら「うーまーいーぞー!」と吠えて、コノハナサクヤロボを木っ端微塵に破壊した。


 サクヤ姉の『料理アニメの偉い人みたいな反応』に()って半壊したコノハナサクヤロボを、私たちが呆然と見ていると、コックピット……だった場所からサクヤ姉と神様が降りてきた。


 私たちと同じ場所――魔王の間――に降り立ったサクヤ姉が、私のところにやってきて言う。


「ナギサちゃん、あんな美味しいものを出されたら、もう負けを認めるしかないよ。この勝負、ナギサちゃんの勝ちだよ」


 サクヤ姉が(こうべ)を垂れる。


 いつの間にかカナ姉が私の隣に立っている。


 私はカナ姉のほうをチラリと見ると、カナ姉がコクリと頷いた。


「サクヤ姉、私とカナ姉の交わした約束を果たさせてもらうね」


 私がそう言うと、カナ姉がサクヤ姉を抱き締める。


 私は、サクヤ姉のアゴをクイっと持ち上げると、


 パシンッ――と、大きな音とともに、その顔面に思いっきり平手を打ち付けた。


 私が、サクヤ姉を抱き締めると、次はカナ姉がサクヤ姉に平手を食らわせた。


「サクヤ姉、これだけは覚えておいて! 私たち三人は、別に無理やりキスしなくても、ちゃんと深く繋がってるんだってこと。今度、無理やりキスさせようとしたら、こんなもんじゃ済まないんだからね」


 私がそう言うと、カナ姉が続けて言う。


「咲耶、ナギサ、私は二人のこと、ずっと信じてるから。これで仲直りってことにしよう……」


 すると、サクヤ姉が泣きながら頷いて言った。


「うん、二人とも心配かけてごめんね。私たちはいつも一緒。これからもずっと……。何があっても二人のこと愛してるよ」


 サクヤ姉の気持ちもわかったところで、私が皆んなに向かって伝える。


「じゃあ、帰ろうか、私たちの家(亜空間)へ……。きっとパパも私たちのこと待ってる」


「プッ……。ナギサってば、また『パパ』って言ってる。本当にパパのこと好きなんだね……」


「ちっ、違うってば、サクヤ姉、笑わないでよぉ〜」


 なんとも締まらないまま、私たちは亜空間へと戻るのだった。


 きっと、明日からも色々なことが起こるだろう。


 でも、この仲間たちと一緒なら、どんなことでも乗り越えられる気がする。


 私の仲間たちは、こんなにも素敵なのだから――


 おしまい。


 ―― エンディング№3 咲耶たちの帰還 〜 完 〜 ――

エピローグはこれで全てですが、まだ終わりませんよ。


なんと! 六時間後に次話があります!

お楽しみに……

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