8 お散歩に行こう
アマネ姉が、余計なダメージを受けて気落ちしている私とソータを落ち着かせようと、提案をしてきた。
「お二人とも、気分が優れないのでしたら、少し身体を動かしてみるというのはどうですか?」
うん、そのほうが色々忘れられて良いかもしれない。どうせなら思いっきり身体を動かせることをしたいかも……
「……よしっ。ソータ、ちょっと気分転換に何処かの世界の魔王をぶっ倒してこようか……」
私は、ソータに提案する。
「なんで、俺だけに……。ハッ! やっぱりナギサは俺のことが好――」
「違うからねっ」
私はソータの言葉を間髪入れずに遮った。
私の目的は『ソータの変身能力で、どんな事まで出来るのか確認すること』であって、ソータ自身じゃない。
とりあえず、パパに凶悪な魔王が居る世界を探して貰おうかな。
「というわけでパパ、何処か凶悪な魔王が居る世界を教えて……」
私はパパにお願いをする。
その様子を見ていたカナ姉が口を挟んだ。
「ナギサ、いつの間にかタクローさんのことを呼ぶとき、『お父さん』から『パパ』って昔の呼び方に戻ってるんだね」
「えっ? そんな事ないよ。私、ずっとパパのこと、パ……? あれ? いつの間に……?」
すると、ずっと控えていたマリエルが教えてくれる。
「ナギサ様は、タクロー様の頭を摩っておられる頃からずっと、『パパ』とお呼びじゃったのう」
「あー、えっ、えーっと、お父さん。どうかな?」
私は仕切り直す。すると魔王が居そうな世界を探していたお父さんが、何だか心配そうに一つの世界を示す。
「ナギサがいうような世界が一つあったけど、オススメは出来ないな。そこの魔王は神に匹敵する強さみたいだ」
それを後ろで聞いていたハゲテールが言う。
「神に匹敵する魔王だと? ナギサ様、吾輩も連れて行け! どんな奴か見てみたい」
「あー、じゃあ、今此処にいる皆んなで行こうか。お父さん、悪いけどお父さんは、他のメンバーとお留守番してて貰っても良いかな?」
私がそう言うと、お父さんは首を縦に振ってから返事をする。
「まあ、僕はナビ程度しか出来ないから、ここでスマホから連絡をする事にするよ。
皆んなで行くなら心配もいらなさそうだし、安心だ」
これで、今回の散歩のメンバーが決まった。
アマネ姉、カナ姉、私、ハゲテール、マリエル、ソータの六人だ。
あ、私は魔法少女に変身するので、タマ吉と合体するし、ミケにゃんも連れて行くけど……
「じゃあ、みんな、準備は良いかな? ゲートを開けたら、すぐ魔王戦になるから気をつけてね」
そう言うと、私は変身を始める。
「ぱらりら・るりるり・めたもるちぇ〜んじ!」
変身の過程でタマ吉と合体すると、私の語尾に『ニャ』が付くようになる。
「さらに、今回は最初から二段変身ニャ!」
そう言うと、私は『マジカルレターボックス』に『ミラクルキューティカード』を差し込む。
「スーパー・ウルトラ・ファイナル・ミラクル・エターナル・チェーンジ!」
私が呪文を唱えると、ミラクルキューティカードが差し込まれたマジカルレターボックスが輝き出し、私の衣装が『白スク水ベースのピンク猫パーカー』から『純白のワンピース』に変わり、髪の色も『銀』から『金』に変わった。
私はミケにゃんとも合体し、背中に天使の羽が生えて、二段階変身が終了する。
ミケにゃんと合体した事で、エセ関西弁が少しだけ混ざる。
「魔法少女ネコ耳天使・ミラクル☆ナギにゃん、セットアップ完了。
ほな、ゲートを開くから注意してにゃん」
そう言うと、私は目的の別世界にある、魔王の潜む部屋へのゲートを開いた。
私たちは、ゲートをくぐり、『神に匹敵する強大な魔王』に対峙した――――
――次回予告――
咲耶です。最近出番が無くて忘れられてるんじゃないかと不安です。
さて、いよいよ始まる因縁の対決。こっちの魔王とあっちの魔王が一騎打ちします。
これは、ドキドキのバトルシーンが期待できますね。ワクワク……。
ぶっちゃけ、ネタバレすると、勝つのは『魔王』です。私には分かります。
次回『9 魔王 vs 魔王』をお楽しみに……
あ〜、そろそろ私にも出番が欲しいよぉおー




