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プロローグ その二

 私と華菜は、異世界へ転生する際に一つ持っていけるというチートスキルを考えた。

 少しすると、華菜が能力を決めたらしく、

「決まりました〜」

 と、のんびりとした口調で言った。


「えっ、華菜は一体どんな能力を選んだの?」

「えへへぇ〜、ナイショだよ〜」


 凄く気になるが、とにかく()ずは自分のを選ばないと……。


「……あっ、そうだ神様。転生先の世界って、やっぱり剣と魔法の世界だったりするの?」

「えっ?  ……あぁ、そうそうそんな感じだお」

 ――今、何だか神様の語尾がおかしかった気がするけれど、気にしないでおこう。


 剣と魔法の世界だというなら、やっぱり戦いに有利な能力が良いに決まってるよね。

 どちらかというと魔法使いの方が憧れるし、それなら――


「……うん、これで良いかな」

 私は自分の取得する能力を決めたことを告げる。


「ふむ、全員( ・・)決まったようだな。それでは転生を開始する前に注意点を一つだけ……」


 なんだろう。何だか少し嫌な予感がする。


「さて、君たちが転生する世界は魔物が大量発生しすぎて人類が滅びかけている。そんな世界だが人類を滅亡させる訳にはいかない為、今回人類の救世主と成りうる人材を送り込む事になった。

 その為、その世界でも生きられる特殊な能力を持った人物に転生する魂として君たちが選ばれたのだ。光栄に思うが良い。

 ただ、人類が後百年ほどで滅びようという世界だ。新しく生まれる人間も非常に少ない。そんな世界に一度に何人も人間を転生させる訳にもいかない為、君たちには同じ人物の別人格(・・・・・・・・)という形で転生してもらう。

 転生後の身体に掛かる負荷を少なくする為に、転生前の記憶は一人分ずつ徐々に『思い出す』ように調整させて貰うがね。

 まあ、何も心配することはない。『思い出した』後は全ての人格で記憶が共有されるし前世の知識も能力も自由に使うことができる」


「……神様、長くて内容がよく分かりません。三行でお願いします」


「うむ、要は人間が一人しか生まれないから、そこに君たちの魂を一人ずつ送るよ。頑張ってね。ということだ」


 成る程、シェアハウスならぬシェアボディというところか……

「転生後の身体だが、先ほど君たちを案内させた天使を新しく産まれる人間の子として転生させる。これも君たちに掛かるであろう負荷の軽減のためだ」


「ええ〜っ。天使さんも一緒に転生するの〜?」


 私が驚いていると、先ほどの天使が現れて挨拶した。

「アマネリスと申します。アマネとお呼びください」


 その後、神様から聞いた転生の手順を要約すると、先ず天使さん(アマネ)が転生して、人間の子として十歳くらいまで成長し、知識とか魔力とかを使えるレベルまで高めてくれる。

 その後、十二歳頃に華菜の意識が覚醒、十五歳頃に私が覚醒するということらしい。


「転生した後、わからないことがあったらその天使に聞くが良い。それでは転生を開始する。良い人生を……」


「えっ、天使さんにどうやって聞くのかとかまだわからないことがあるんだけ……あああああ〜〜


 私が疑問を言い終わる前に世界がブラックアウトした。


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