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第十四話 ナギサちゃんの死〜その先に待つもの

 魔王ハゲテールは、勝ち誇ったように言う。

「フン、他愛無い。吾輩の敵ですらなかったわ。さあ、約束通り貴様らには永遠に子作りをし続けてもらうぞ。貴様らの負けだ」


 私はハゲテールのその言葉に飄々(ひょうひょう)と反論する。


「あなたは一体何を言ってるのかしら? まだナギサちゃんは負けてなんかいないわよ」


「フン、その小娘はもう戦うことなど出来ぬ筈だ。貴様らがその小娘に少しでも手を貸せばその時点で貴様らの負けになるのだぞ」


 ハゲテールは一騎討ちとはそういうものだと言ってきた。


「あら、別に私たちは何もしないわよ。それにナギサちゃんはまだ降参をしていないから私たちは負けていないわ。

 もしあなたがナギサちゃんを殺していたら状況も変わっていたかもしれないけれど、それをしなかった時点であなたの負けよ」


 そう、声を発せない状態にされたナギサちゃんは降参をしていない(・・・・・・・・)のだ。つまりまだ負けた訳では無い。


「フン、ならば殺すまでのことだ」


 ハゲテールはそう言うと気絶しているナギサちゃんの身体を掴み上げ、そのまま激しく地面に叩きつける。

 その一撃はかなり強烈だったようで、たった一撃でナギサちゃんの身体は原形を留めないただの肉塊と化してしまった。


「ああ〜っ、ナギサちゃんがあぁぁ〜」


 あまりの衝撃的な光景に華菜が泣き叫ぶ。

 ここは『亜空間』では無いため死んでも生き返ることはできないのだ。そんな空間で殺されたナギサちゃんのことを思うと当然の反応だ。


 タクローの様子を見ると、娘を亡くした衝撃で(むせ)び泣き、顔面は蒼ざめ、足も震え、立っているのもやっとな状態になっているようだ。


 ハゲテールが勝ち誇ったように言う。


「フン、これで吾輩の勝ちだ。メスが一匹減ってしまったが致し方無い。貴様らには小娘の分も頑張ってもらうことにしようか」


 そんなハゲテールの言葉に私は平然と返した。


「いいえ、あなたの負けよ。ハゲテール!」


 私がそう言った瞬間、ナギサちゃんの身体が突然光りだした。


「なっ、何事だ?」


 ハゲテールが驚愕の色を浮かべる。


「悪いけどナギサちゃんは絶対に死なないわ。たとえ全身が分子レベルまで分解されたとしてもね……。

 何故なら私が戦闘開始前に(・・・・・・)カウンター付きの自動復活魔法(オートリカバリー)を予め付与しておいたのだから。

 ナギサちゃんが死ぬ度にあなたはナギサちゃんが受けたダメージと同じだけの痛みを受けるの。降参するなら今のうちよ」


 私がそういうとハゲテールは痛みを感じだしたのか苦しそうに呻きながら聞いてくる。


「お、おのれ、いつの間にそんな真似を……」


 私はフッと笑って応える。


「私が二人の匂いを嗅いでいた時(・・・・・・・・・)に、こっそり魔法を付与したのよ。ナギサちゃんがお礼を言ったとき何か変だと思わなかった?」


 ナギサちゃんは私のかけた魔法を瞬時に理解してくれていたのだ。

 自分が死ぬ時に受ける痛みがそのまま相手に跳ね返るという魔法は、たとえ生き返ると理解していても痛みを受けることに変わりないので、普通なら受け入れがたいものだが、それをナギサちゃんは受け入れてくれた。

 これを受け入れたことはナギサちゃんにとっては、とても辛い選択だったろう。


 でも私たちの為に、一人の魔法少女として命がけで戦ってくれる決意をしてくれたのだ。


 光に包まれていたナギサちゃんが蘇りハゲテールに声をかける。


「さあ、まおうさん。第二ラウンドのはじまりニャ」


 ハゲテールの顔が明らかに引き攣り出した。


「うぐぐ……これでは吾輩は手を出せぬでは無いか。クッ、仕方があるまい。吾輩の負けを認めよう」


 ついにハゲテールが負けを認めた。ナギサちゃんの勝利だ。


「やったねナギサちゃん。ナギサちゃんが頑張ってくれたおかげで私たち皆んなが助かったんだよ。ありがとね」


 私はナギサちゃんのホッペにキスをした。


「ううん、サクヤおねえちゃんのおかげだニャ」


 ナギサちゃんも私の頬にキスをしてきた。くぅ〜ッ、生きてた甲斐があった。

 私はナギサちゃんにキスをされて喜びも一入(ひとしお)に舞い上がった。


「さて、約束通りあなたたち二人には私たちの下僕になってもらうわよ」


 私がハゲテールとマリエルにそう言うと二人はしぶしぶ従った。


「吾輩もマリエルも元魔界の王族なのに人間如きに屈するとは……」


「ハゲテール様、妾も無念でございまする……」


 二人の魔族が落胆しているが、私は話を続ける。


「元王族と言っても前世の話でしょう。

 今はあなたたち二人とも私たちの下僕。其処のところはきちんと(わきま)えておいてね。

 それでハゲテール、あなたには今後私が召喚する輸血パック以外の血を飲むことを禁止します。

 あとマリエルはハゲテール以外の男を誘惑するの禁止ね。

 それと二人は、私たちの見てる前でエッチなことをするのも禁止。

 ……とりあえず二人に言っておくことは今のところこれくらいかな」


 二人は私の寛大な措置に感動しているようだった……と、私は自負しているのだが本当のところは誰も知らない。


 こうして、吸血鬼ハゲテールと淫魔マリエルが『私たちの下僕という形で』転生者メンバーに加わったのでした。

十三話と十四話は、最初かなり残酷なシーンを書いていましたが十八禁になりそうな内容だったので少しソフトにしました。

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