不幸な変化
日付が変わったが特に変化があるように感じない。
あれ?何も起きない?これは働き者の幸と怠惰なる不運は発動しなかった?
もしかして俺のMP消費作戦が成功したのかな?
念のためにステータスを確認するか。
レアスライム? スライム種? 無職1
LV1/1 進化不可
HP1/1
MP∞/∞
STR1/1
DEF1/1
INT1/1
SPD1/1
アクティブスキル
アタック(小)(中)(大)
ディフェンス(小)(中)(大)
マジック(小)(中)(大)
スピード(小)(中)(大)
パッシブスキル
勝手な隠密
働き者の幸
怠惰なる不運
取得物
経験値100
ドロップ 命の雫(小)
ぇ?
倒したとき入手できる経験が増えてアイテムドロップするようになってる?
これって狙われやすくなったってこと?
まぁこの程度だったらたいした不運とか言ってもたいした問題じゃないはず?問題ないよね?
ステータスは変わらず最弱のままだが狙われやすくなった。
その程度のことだと思っていた時期が俺にもありました・・・
「最悪だ」
思わずつぶやいた。
スライムだから喋れなかったけど・・・
翌日から明らかに俺を狙ってると思われる冒険者風のやつらが数人現れている。
戦士系1人魔法系2人狩人系1人のPTだ。
ちなみに俺のステータスを見る力は基本は魔物系限定だ。
種族が離れるほど確認できる情報が減っていく。
こいつらのHPが平均100前後てことしかわからない
なぜ俺狙いだと思うかというと戦士は剣を抜いて殺気立ってる。
魔法使いが杖を構えてブツブツ言ってる。(別の意味で怖い)
狩人は周辺を隙なく観察して音が聞こえると弓矢を向ける。
危険性が皆無といっていい森でそんな緊迫した状況なのだ。
だというのにミニスライムたちを無視して獲物を探してるようなのだ。
このあたりにはミニスライムと森の奥の方にスライムが数匹居るだけのはずだ・・・
スライム狙いの可能性は・・・ないかな?
平均的なスライムのステータスを思い浮かべてみた。
スライム スライム種 魔物1
LV1/10 進化不可
HP15/15
MP35/35
STR11
DEF20
INT7
SPD9
アクティブスキル
粘液
プチガード 防御行動をとり物理攻撃ダメージ軽減
バッシブスキル
打撃耐性(小)
取得物
経験値15
ドロップ なし
わざわざコレ狙いの狩するわけないよね? この辺はモンスターが少ない平和な地域だ。
この付近のモンスター全部倒しても経験値200に届かないかな?てレベルだ。
実際に完璧に全部探して倒すのは数日はかかるので1日なら精々経験値70前後って所だろう・・・
むしろ野生の動物を狩ったほうが経験値稼ぎになるぐらいだ。
冒険者がわざわざ狩をする場所ではないのだ・・・なのにやる気が満ち溢れている?
コレってやっぱり俺の経験値とドロップ狙いとしか思えない!
俺の経験値は100なのだが1匹で100ぐらいの経験値を持つモンスターといえば大体・・・
ブラッドスライム スライム種 魔物5
LV1/30 進化不可
HP145/145
MP242/242
STR78
DEF53
INT69
SPD99
アクティブスキル
ドレイン(小) 与えたダメージの一部を自分のHPに変換する
ポイズン(小) 対象を毒状態にする魔法(INTの差で毒になる確率が変わる)
毒粘液 毒性の粘液を出すことができる(触れると稀に毒状態になる)
毒攻撃(小) 攻撃を与えた対象を一定の確立で毒状態にする
吸血攻撃(小) 与えたダメージの一部を自分のHPに変換する
パッシブスキル
吸収(小) 物理攻撃で与えたダメージの一部HPに変換する(吸血攻撃の場合2回分の吸収になる)
打撃耐性(中) 打撃ダメージ軽減
魔法耐性(小) 魔法ダメージ軽減
自己修復(小) 1分でHP割合回復 (徐々にではなく1分ごとに回復)
取得物
経験値110
ドロップ 稀に魔石(小)
・・・・・マジか?
スライム系で経験値100に一番近いの思い浮かべたはずだけどコレむちゃくちゃ強くない?
俺を倒すとこのクラスのモンスターと大差ない経験値?
そんなの狙われるに決まってるジャン!
アレ?でもなんで俺がここに居るって知ってるんだ?
それに俺の取得経験値もばれてるってこと?人のネットワーク的なもの?
人が持つスキルの力?よくわからないが俺が狙われているっぽい。
呑気に考えていたけど早急に強くなる必要が出てきた。
そういえば俺のドロップアイテムってどうなってるんだ?
今日から俺は命の雫をドロップするはずだけどそんなの持ってないよね?
・・・・・・・・あった!なぜか体の中に持ってた。
命の雫はHPの上限を微上昇させるアイテムだ。
とりあえずドロップするために持ってても仕方ないので使ってしまおう。
最大HPが3になった!
小さな一歩だが成長をあきらめていたから地味にうれしい。
普通の魔物はドロップ品は手放すとか使うという選択肢がないらしい。
俺はスキルで持たされたアイテムだったので執着してなかったのが幸いした。
ガサガサ・・・・ん?油断していた!
背後からミニスライムが近寄ってきていた!
ミニスライム スライム種 魔物1
LV4/10 進化不可
HP8/10
MP19/22
STR4
DEF12
INT5
SPD6
アクティブスキル
粘液
パッシブスキル
打撃耐性(小)
取得物
経験値5
ドロップ 薬草っぽいもの
逃げるか?
でもこのミニスライム体をプルプルさせておびえている?
あの冒険者の殺気を感じ取ったのかな?
なんだかかわいそうに思えてきた。
少し成長したことで心にゆとりができたおかげかもしれない。
もともと同種なんだから仲良くできるかも?
「冒険者怖いから一緒に奥のほうに逃げない?」
話しかけてみた。コレが俺の生まれて最初の会話だ。
「あの人たち怖いよ~」
泣きそうな声が返ってきた。(ちなみに念みたいなので意思疎通してるだけです)
こうして俺はミニスライムと仲良くなり一緒に森の奥の方に逃げていった。
読んでくれた方ありがとうございます。