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気づいたらしちゃってました。

ペースが落ちているのを凄く感じます。でも投稿はするようにしますのでよろしくお願いします!

「ラ、ラミア!?」


とうとうラミアさんが見つかってしまった。ここへ来た男性は中年で無精髭を生やしていて腰に剣をさしている。このままではラミアさんが殺されてしまうかもしれない。何かいい案は………そうだ!


「すいません。驚かせてしまって」


できるだけ笑顔で警戒されないように男性に近づく。さっきの衝撃で笑顔が引きつってないか心配だ。


「これは俺のラミアでしてね。今躾をしている最中だったんですよ」


魔族は見世物にされるというのは覚えているだろうか。人間は魔族を購入後、躾を行いなんでも言うことを聞くようにする。つまり完全な主従関係を構築するのだ。

ラミアさんには悪いが今は俺の魔族として扱えば不思議ではないはずだ。


「なぎ飛ばされていたように見えたが?」


「いざという時のために攻撃できるよう躾てるんですよ」


「何故貴方が攻撃される必要がある?」


「俺を吹き飛ばすぐらい威力はないといけないですから。それに俺は魔族との触れ合いが好きなんですよ」


『魔族との触れ合いが好き』というのは人間ではおかしいかもしれないが、魔族を従わせる(・・・・)のを好む人間は多い。この場合、触れ合いとはそういう風に受け止められるだろう。仕上げは………


「ほら、こっちにおいで」


今まで黙っていたラミアさんを呼び寄せる。緊張した面持ちでゆっくりと俺に寄ってくるラミアさん。状況を把握してくれているのだろう。目の前にやってきたラミアさんの、


「よーしよーし、上手くできたなー。偉いぞ」


頭をゆっくりと撫でた。さらさらとした髪質が俺の手から感じられる。ユメの頭をよく撫でるが人間の髪と変わらないな。と、じっくり考えてる場合じゃない。あとはラミアさんが俺に従順な姿を見せてくれたら誤魔化せるはずだ。


「ワタシ、ゴシュジンサマ、スキ、ダイスキ」


思った以上に演技が下手だった!?カタコトすぎるよ!魔族っぽいかもしれないけど!しかも自分で言ったことが恥ずかしかったのか人間の部分真っ赤になってるし!バレる!これ絶対バレる!!


「ラミアは聞いた話によれば上半身は人間とそう変わらない姿だと聞いていたが、実際は下半身と同じ赤色をしているのだな」


いい方に勘違いしてくれた!?ラミアさんナイスアドリブ!


「おぉっと自己紹介が遅れた。私はニルスというものだ。よろしく頼む」


「よろしくお願いします。えっとそれじゃあ俺たちはこれで」


な、なんとか乗り切れたか。ニルスさんから振り返りここから立ち去ろうとすると、


「最後に一つ、聞いてよいか?」


くっ、まだ何かあるのか。


「はい?なんでしょう?」


「そのラミアにアレ(・・)が着いてないってことは」


ニルスさんは腰に手を伸ばし


「奪われて問題ないということだぞ!」


俺たちに向かって剣を引き抜いた。


「くそっ!」


やっぱり最初から分かっていたのか!こうなったら━━


「逃げるぞ!ラミアさん!」


「え?」


返答を聞かずに俺はラミアさんの手をとり走り出した。


「魔従印を着けずに俺のラミアだと?よく知りもしないで魔族ハンターの私をを騙せると思うな!」


ニルスは剣を片手に俺たちを追ってきた。

魔従印。それは人間が魔族を従わせる際に付ける魔法の一種だ。魔従印を付けておけば、万が一魔族が襲って来ても命令すれば行動を制限することができる。

そして魔族ハンターとは魔族を狩猟又は捕獲し魔族の皮や角などの部位、時には生きた魔族を売り生計を立てる者のことだ。

ニルスは剣を持って森に来た。魔族ハンターと分かっていればもっと早くラミアさんを逃がせたのに。


「あ、あの!何処へ行かれるおつもりですか?」


俺に先導されながら走るラミアさんが尋ねてきた。振り返ると結構な速さで蛇の部分が動いている。これがラミアでの走るなのか?


「今はあいつから逃げないといけないから、何処か隠れられる場所に行くよ!」


この森は小さい頃からよく来ている。遊び場だったからな。


「この森は俺の庭みたいなものだから安心してくれ!」


「………さっきの泉のある場所、知りませんでしたよね?」


「よし!案内頼む!」


俺の言ったことを誰かなかったことにしてくれ。恥ずかしい……。


「と、ともかく隠れられる場所は知ってるから!ついてきて!」


しばらく走り森を抜けると小さな洞窟の前へと抜け出した。


「この中には幾つか隠れられる場所がある。その何処かに隠れよう」


俺たちは洞窟の中へと入っていった。中は真っ暗だが寧ろ好都合だ。俺はよくこの洞窟へと来ていた。だから何処へ行けば隠れられるかなど把握済みなのだ。


「見えにくいかもしれないけど岩とかあるから気をつけて」


「だ、大丈夫です。それぐらい避けて、痛っ!」


「ほら、言わんこっちゃない」


貴方、罠にかかったこと覚えてないんですか?とは言えない。


「うぅ………案内お願いしますぅ……」


「はいはい」


俺は彼女の手を引き目的の場所まで向かう。しばらくすると、目が慣れてきてある程度見えるようになった。


「だいぶ見えるようになったけど大丈夫?」


「は、はい。なんとか」


肯定の返事が返ってきたので俺は手を離した。見えてきたら逆に危ない気がするからな。


「ぁ………」


「どうかした?ラミアさん」


「い、いえ!なんでも!」


ぶんぶんと手を振るラミアさん。なんか不自然だよな。と、そんなうちに目的の場所に着いた。


「ほら、ここに入ろう」


「はい」


隅の方にある小さな穴へと入ろうした。しかしここで一つ問題が出てきてしまった。


「小さいな。この穴」


「小さいですね。この穴」


一人は簡単に入れる広さはあるが、二人となると少しきつい。しかし今は絶対に隠れないとまずい。こうなったら……


「ラミアさん。俺に抱きついてくれ」


「は、はい?」


明らかに動揺しているラミアさん。


「こ、こんな時に何を言ってるのですか!?」


「こんな時だからこそ言ってるんだ。この大きさの場合、二人で隠れるにはそうするしかない。俺とじゃ嫌かもしれないけど我慢して」


「そ、そういうことでしたか………そ、それならその、失礼します」


ラミアさんはそうっと俺の背中に手を回してきた。身長的に俺の胸にラミアさんが顔をうずめる形になってしまう。つまり二つの大きなアレが………柔らかいです。


「ラミアさん」


「あぁ………いい……匂い……」


「ラミアさん?聞こえてる?」


「え?は、はい!なんでしょう!」


「これじゃまだ駄目だ」


「え?でも私ちゃんと抱きついてますよ?」


「でもこれじゃあ穴に入れない。つまり!」


「つまり?」


「蛇の部分を俺に巻きつけてください」


「え?それってつまり……」


すると突然、ボンッと音を立てたと思ったらラミアさんの頭から湯気が出てきた。何これ魔法?


「つつつつまりかかかかから、身体全体でだだだだだ抱きつけと!?」


「一回落ち着こうラミアさん!」


「おち、落ち着いてましゅよ!」


「ほら!噛んでるから!一旦落ち着こう!ね!」


すぅーはぁーと深呼吸をさせ落ち着かせる。しかし顔はまだ真っ赤だ。こういう反応って見てて面白いよね。


「この小さいな穴に入るために仕方なく、仕方なく巻きつきます」


「全身で俺の身体を包み込んでね」


「そういう言い方したらやりにくくなるでしょう!」


文句を言いながらも俺に抱きついた後、恐る恐るといった感じ蛇の部分を巻きつけてきた。俺に気を使ってくれているのだろう。


「で、できました。で、では入りましょう」


「よし行く………ごめんなさい。俺巻かれてるんで動けないッス」


「貴方も時々抜けてますよね」


くっ、反論できない。仕方ないのでラミアさんに動いてもらってなんとか穴に入ることができた。


「ここでしばらくほとぼりが冷めるのを待とう」


そして抱き合ったまま無言の時間が流れる。うーん、こんな態勢だとなんか気まずくなっちゃうね。しかし何を話せばいいか………。


「あ、あの!」


「はい?どうかした?」


「名前、教えてください」


あぁ〜そういえばまだ言ってなかったな。これはうっかりしていた。


「俺はメディス。薬剤師やってます。改めてよろしく」


「私はミーアです。よろしくお願いしますね、メディス様」


「あ、ラミアさんにも名前ってあったんだ。あと別に様付けしなくても━━ 」


その時、俺たちの真横を真っ赤な炎が通り過ぎていった。


「「!?」」


『ここにいることは分かっている!隠れていても時間の無駄だ!!』


くっ、まいたと思ったが楽観視しすぎだったか。どうすればいい?考えろ。この場を切り抜けるにはどうしたらいい………これしかないか。


「ミーアさん、あいつは俺が引き付けるからなんとかそのうちに逃げてくれ」


「え?」


「1、2の3で出て行くから。行くぞ!1、2の━━ 」


「何故ですか!?」


俺が穴から出ようとすると突然、ミーアさんが大きな声を上げた。ていうか今考えたらミーアさんに離して貰わないとここから出られないんだった。


「何故です!どうして魔族の私をここまで守ってくださるのですか?」


「いや、だから俺は人間とか魔族とか関係なく………」


「それでもです!それだけでどうしてここまでしてくださるのですか!」


声を荒げてるせいか巻きついている蛇の部分の締め付けが少し強くなる。ちょっと痛いです。


「えーっと、俺は薬剤師なんだ。薬剤師っていうのは人を救うのが仕事。だからこんな方法でも俺は人を救いたいんだ」


「ですが………自分を犠牲してまで行う必要はないはずです」


ミーアさんは微かに震えていた。それ程までに俺を心配してくれているのだろう。


「俺は誰かが死ぬのが嫌なんだ。俺以外の誰かが」


「そんな自己犠牲を━━」


「それに」


俺はミーアさんの目を見て、


「ミーアさんみたいな人を死なせたくないから」


安心してくれるように笑顔でそう言った。


「私、みたいな人?」


「うん。ミーアさんと話してるとすごく楽しいんだ。そんな人を俺は失いたくない」


「…………」


ミーアさんは何も言わずに黙ってしまった。しかしこのままいるのはまずい。そろそろ行かないと二人とも襲われてしまう。


「ミーアさん、離してくれ。早く行かないと危な━━ 」


「顔、こちらに近づけてください」


俺の目をじっと見てミーアさんはそう言った。


「え?こんな時に何を………」


「お願いします」


ミーアさんの目は真剣そのものだった。俺も無理を言ってるんだ。彼女の無理にも答える必要があるだろう。

俺はぶつからない程度にミーアさんとの距離を詰めた。


「こ、こうかな?」


「ありがとうございます」


「あの、何を?」



チュッ



突然、頬に柔らかい感触を感じた。今まで感じたことのない柔らかい感触。


「え?これって……」


「フフッ、おまじないです」


そう言うとミーアさんは俺をほどいてくれた。だが俺はしばらく放心状態になってしまった。え?あれってたぶん………。そう考えると一気に顔が熱くなった。


「えぇと!その、あれだ……………行ってくる!!」


恥ずかしがってる場合じゃない。今俺のなすべきことをするんだ!

俺は穴を抜け出してニルスへと走った。ヤツは魔法が使える。俺に勝ち目はほぼない。だが時間稼ぎぐらいはできるはずだ。


「おい!ニルス!!」


俺が叫ぶとニルスは姿を現した。見えなくなる魔法でも使っていたのだろう。


「よし、出てき…なんだお前か。あのラミアはどこだ?」


「さぁ?どこにいるだろうな。知ってても教えるわけにはいかないが」


「何故だ?何故魔族なんかを庇う?」


「お前に話すことは何もない」


「………ならその身体に聞くとしようか!」


ニルスは剣を構え俺に向かってきた。魔法を使わないあたり、俺を格下と見ているのだろう。まぁ俺は魔法使えないしな。だが油断したことを後悔させてやる!

俺は鞄から一つの小袋を出し、


「くらえ!」


ニルスに向かって全力で投げた。しかし、ニルスにそれを意に介した様子はなく小袋は剣で真っ二つに切られてしまった。


「何が『くらえ!』だ。私を馬鹿にしているの━━ぐわぁぁあああああ!?」


突然、ニルスは絶叫しながら目を押さえてしゃがみこんだ。しかし俺はこの原因を知っている。何故なら俺が仕掛けたものだからだ。

俺が投げた小袋には『辛痛草』という草をすり潰して粉にしただけのものが入っていた。辛痛草は香辛料を作る時に使われる植物だ。もちろん人に直接服用していいものじゃない。

ニルスはそんなものが入った小袋を目の前で斬ってしまった。当然、粉は目の中に入ってしまう。今は激痛で目を開けることすらできないだろう。


「……悪いことしたな」


魔法も使えない俺がニルスを負かすには今この時しかない。殺すわけにはいかない。気絶させるだけでいい。

足元に落ちていた木の棒を拾い、うずくまるニルスに向かって走る。俺はニルスの前まで行き木の棒を振り降ろした。しかし、


「……舐めるな」


「ッ!?」


攻撃を受けたのは俺の方だった。腰から肩にかけて彼の持つ剣で斬られてしまった。


「ぐっ!」


身体中に激痛が走り立っていられなくなる。そんな俺をニルスは俺の首を掴み片手で持ち上げた。


「ぐっ、がはっ!」


「魔族ハンターというのは魔族からどんな攻撃を受けても対処できるように、あらゆる回復手段を持っているものだ」


苦し紛れにニルスを見てみるとまだ少し赤いが目ははっきり開いていた。やっぱり魔法なのか。


「よくも私の目を傷つけてくれたな。お礼にこのまま灰にしてやろう」


俺を掴む腕に力が入る。ただの人間の俺にはこれが限界みたいだな。ミーアさんは……無事だろうか。逃げるぐらいの時間はできたはずだ。多分大丈夫だろう。

一つ心残りがあるとすれば………ユメのことだな。あいつ、俺がいなくても大丈夫だろうか………大丈夫じゃないよな多分。まぁしっかりしてる子だから案外大丈夫かもな。

そんなことを思いながら俺は目を閉じた。






「………何故だ」


しかし


「何故お前は………」


俺は


「燃えないのだ!?」


死ななかった。いや、燃えなかった。


「お前!?なんだそれは!?」


俺の顔を見てニルスは叫ぶ。いや、正確には俺の頬あたりか。なんだ?

足元にあった水溜りにその答えが映っていた。


「な、な、何これええええぇぇぇぇええええ!?」


俺の頬は金色に輝いていた。え?ほんとなにこれ?金色にかがや、え?なんで光ってるの?なんか変なもの食べたっけ?それよりも首掴まれてるのによく声でたな、俺。


「契約の証ですよ。もっとも今は仮契約の段階ですが」


「ぐはっ!?」


何者かによってニルスは吹き飛ばされた。そこへ現れたのは、


「お待たせしました。メディス様」


ミーアさんだった。


「ミーアさん!?どうしてここに!?なんでまだ逃げてないんだ!」


「まだ私の心配をしてくださるのですね。やはり私の目に狂いはありませんでした。あ、それと私のことはミーアでいいですよ」


「え?じゃあミーアって呼ぶよ………じゃなくて!早く逃げて!」


俺の焦りとは対極にミーアはとても落ち着いている。なんでそんなに落ち着いてるんだよ!?


「それよりも今はやるべきことがあります」


するとミーアは俺を蛇の部分で巻きつけ持ち上げた。あの、動けないんですけど。


「えと、ミーア?早く逃げないと、その……」


「それでは本契約に移りたいと思います」


「ねぇ、ちょっと聞いて。お願い。あとさっきから契約ってな━━んむっ!?」


俺の言葉は最後まで続かなかった。何故ならミーアがいきなりキスしてきたからだ。

初めて味わう感覚だった。ミーアの柔らかい唇がまるで俺の全身を包み込むような包容力。まるで身体が浮いているような錯覚すら覚える。そしてとても暖かい。何か身体に入ってくるような感覚だ。


「ん、ちゅ、ぷはぁ。フフッ、これで契約完了です♪」


しばらくしてミーアは俺を解放した。ミーアの顔はとても紅く前よりも妖艶に見えた。俺はといえば、


「……え………あ……」


絶賛放心中である。


「くそっ!もう捕獲なんていう甘い考えはなしだ!魔族共々皆殺しだ!!」


ミーアに吹っ飛ばされたニルスが鬼の形相で叫んだ。右手に剣、左手に炎を構え襲ってきた。


「私も貴方は許しません。貴方はメディス様を傷つけました。その行い、万死に値します!」


ミーアは手のひらをニルスへと向けた。すると彼女の手のひらから『バチバチ』と何かがなり出した。あれは………電気?手のひらに電気が纏うとミーアは腕を天井に向けた。え?なんでそんな方向に?


「安心してください。貴方は私がお守りしますから」


疑問が顔に出てたのか、ミーアは俺に微笑みながらそう言った。ミーアの顔を見ると本当に安心してしまうから驚きだ。


「死ねええぇぇええええ!!」


前を向くと、もうすぐそこにニルスが来ていた。しかし俺には焦りがなかった。ミーアがなんとかしてくれる気がしたからだ。

ミーアはニルスを見据えるとただ一言こう言った。


「堕ちなさい」


その言葉が聞こえた瞬間、目の前が真っ白になった。何も見えない。見えるようになったのは一分以上経ったころだった。

そこで俺は自分の目を疑った。何故空が見えているんだ?俺たちは洞窟の中にいたはずだろ。足元を見てみると瓦礫の山と化していた。


「え?あの、ミーアさん?これってどういう………」


「雷、堕としちゃいました♪」


あ、だから洞窟がぶっ壊れて足元が岩だらけで空が見えるわけか………規格外すぎる!!


「あ、ちなみにあの人間は殺してませんよ?私は八つ裂きにしたかったですけど、メディス様が『殺しは嫌だ』とおっしゃっていたので手加減しておきました」


「ハハッ……」


もう乾いた笑いしか出ません。もう色々おかしすぎて理解が追いつかない。


「あ、あれ………?」


突然、俺は意識が遠のいて行くのを感じた。


「やはり持たない人に与えると負荷がかかってしまいますね」


俺に向かってミーアはそんなことを言った。何が?と聞く暇もなく俺の意識は途絶えた。


***


「……ん……うぅん……」


「お目覚めですか?」


「う、うん……って何してんの?ていうかここどこ?」


俺はいつの間にか寝てしまってたようだ。だってミーアに膝枕されてるもの。膝なのか分からないがとっても気持ちいいです。


「ここは馬車の中ですよ」


見渡してみると確かに部屋の中ではあるが終始揺れていた。


「そうじゃなくて今どの辺にいる?そろそろ帰らないとまずい気がする」


「ここは城下町ですかね」


どこの城下町だよ?と言いながら俺は窓の外を見た。ん?あれ?おかしいな。人間が一人もいないぞ?ていうか人間以外の生き物しかいないような………え"


「ミーアさん………ここどこ?」


「魔界です。正確には魔王城の城下町を今走っていますよ、マスター(・・・・)


「ええええぇぇぇぇぇえええええええ!?!?!?」


この時、俺の人間としての人生の歯車は狂い出したのである。

馬車内


メディス「あれ?俺の傷は?」

ミーア「私が舐めて治して起きました」

メディス「舐めて治したの!?」

ミーア「はい!美味しかったです!」

メディス「…………(何が?と聞くのが怖い)」

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