気づいたら別人でした。
お久しぶりです!一応生きてます!あ、そんなことより言わないといけないことがありますよね………。
この度はかなり期間、更新を放置してすみませんでした!
言い訳にしかならないんですけど、執筆意欲の低下と環境の変化でなかなか書けませんでした………。
しかし!なんとか一話書き上げることができました!少しでも楽しんでいただけたら幸いです!!では!どうぞ!!
!←これが多くてすみません………。
「えーっと………あ。まずはあそこに行こう」
俺の目に入ったのはたこ焼き屋さんだった。露店では定番というか人気な店だ。特にここのたこ焼きは美味しい。マキを連れてたこ焼きをひっくり返しているおじさんの元に向かった。
「おじさーん、たこ焼き二つくださーい」
「あいよ!ちょっと待ってくれよ」
威勢のいいおじさんだ。ねじり鉢巻もしていかにもな人だ。おじさんはたこ焼きを器用にひっくり返していくと、流れるようにソースを塗り、最後に青のりとかつお節をたくさん乗せてくれた。
「ありがとう、おじさん」
「お安い御用だ!普通は6個なんだがべっぴんな嬢ちゃんたちにはサービスで1個ずつおまけしといたからな!ガッハッハ!」
「それはありがとうございま……………ん?」
嬢ちゃん…………たち?もしかして俺━━
「なんだ?そんなポカンとした顔して。べっぴんな顔が台無しだぞ?」
女になってる!?ユメの魔法のせいで女に見えてしまってる!?
「どうした嬢ちゃん?早く連れの子にもう一つ渡してやれよ」
「あ、あぁ!そうですね!ほらマキ。どうぞ」
「あ、ありがとうございますぅ」
マキも気づいているみたいだ。俺とおじさんをオロオロと見ている。ど、どうしよう。このままじゃいつかバレてしまう。今すぐここから離れよう!
「で、ではご機嫌よう〜おほほ」
自分の思う女の人っぽいことを言って、たこ焼き屋からどうにか離れた俺とマキ。街にある広場に早足で向かい、そこにあるベンチへと二人で座った。
「「………………」」
黙り込む俺たち。しばらくして、俺の口からこんなことがこぼれた。
「俺………女になっちゃったよ………」
いや実際になってないんだけど。他人から見たら、俺は今女に見えてるんだなぁ。なんだろ、虚しい。
「え、あ、あの、その………うぅ……」
なんとか俺に言葉をかけてくれようとするマキ。しかしなんて声をかければいいか分からず、彼女は俯いてしまった。
いけない!マキはこの買い物を楽しみにしていたのに、こんなことで困らせちゃダメだ!
「そ、そうだ、マキ!さっき買ったたこ焼き、冷めないうちに食べようか」
「は、はぃ………」
ぎこちない様子で俺たちは爪楊枝をたこ焼きにさし口に運んだ。
熱々の生地とたこ、そしてソースが抜群にあっている。やっぱり美味しいな。
これを食べたマキがどんな反応をするか気になり、横を向いて見ると、
「は、はふっ!あ、あつぃ!?」
熱さに悶えていた。
「だ、大丈夫かマキ!?」
「だ、大丈……あふっ!」
「!? み、水!ほらこれ飲め!」
俺は彼女が持ってきていた水を手渡した。マキは会釈をすると、容器の中に入っている水を一気に飲みほした。
「は、はふぅ………あ、ありがとぅ、ございますぅ」
「ごめんマキ。熱いって注意しなくて」
「メ、メディスさんは悪くないですよぉ!」
「そう言ってくれると嬉しいけど。で、どうだ?たこ焼きの味は?」
「……………もう一度食べてみますぅ」
熱くて味がよく分からなかったらしい。マキは爪楊枝でたこ焼きをさすと、今度は火傷しないようにふぅふぅとたこ焼きを冷ます。そしてゆっくりと口に運んだ。
「どうだ?美味しいか?」
「まだちょっと熱いですけどぉ、美味しいですぅ!」
「そうか。よかった………」
正直、魔界で育ったマキに人間界の食べ物が口に合うか心配だったんだ。あ、でもよく考えてらミーアも人間界の食べ物(罠)を普通に食べてたな。
「そういえばマキ。水は大丈夫なのか?」
「ぇ?まだまだたくさんありますよぉ?」
「えーっと、そうじゃなくて………水をかからなくていいのか?」
一つ説明しておくが、マキは人魚族であり身体が乾いてしまうと人化が解けてしまうのだ。そのため水で濡らしておく必要がある。決して透けた服を見たいとかそういうのじゃない。
「ぁ、それなら大丈夫ですぅ。それとは違う方法があるんですぅ」
「違う方法?」
「はぃ。それは喉を潤すことなんですぅ。人魚族にとって喉はとても大切な器官で、そこを潤すことで上手く魔力をコントロールできて、人化を保つことができるですぅ。でもちょっと燃費が悪いので普段はあまりしないんですけどぉ」
「へぇー。人魚族にも色々あるんだな」
そんな話をしながら俺たちはたこ焼きをあっという間に平らげた。
「さて、次はどこに行こうかな」
「ぁ、メディスさん!ちょっと待ってくださぃ!」
俺が立ち上がろうとした時、不意にマキが顔を近づけてきた。思わず身を引いてしまう。
「え?マキ、いきなり何を………?」
「そのままぁ………動かないでくださぃ」
その言葉に固まってしまい、マキが顔をどんどん近づけてくる。そして彼女の手が俺の唇に触れ━━
「青のりついてましたよぉ?」
「…………え?」
青のり?たこ焼きにかかってたやつか?マキの手を見ると確かに青のりがついている。もしかしてこれをとってくれた、だけ?
「メディスさん?どうしましたぁ?」
本当に不思議そうに尋ねてくるマキ。どうやら俺の壮絶な勘違いだったようだ。
「…………いや、なんでもないよ。行こうか」
「? はぃ」
いつもの環境(ミーアやユメという襲撃者)のせいでマキがそういうことをしてくると、つい思ってしまった。
「はぁ………」
「?」
慣れって怖いな………。それにしても………恥ずかしい。
俺は叫び出しそうになるのを必死に堪えながら歩き出した。
***
「マキは甘いものって大丈夫?」
「甘いものですかぁ?はぃ、好きですよぉ?」
「そっか。なら次はあそこに行こうか」
俺が指差したのはクレープ屋さんだ。あれから気を取り直して目に入った。帰ってからも色々食べるだろうけど、デザートぐらいなら大丈夫だろう。
「あのぉ、メディスさん。大丈夫ぅ、ですかぁ?」
大丈夫、というのはたぶん俺の見た目が今女性だということについてだろう。
「もしよかったらぁ……代わりに私がぁ………」
「……いや、大丈夫だ」
これぐらいのことを一人で乗り越えられなくてどうする。俺は女性を演じ切ってこの場を乗り越えてみせる!
そう心に誓い、俺はクレープ屋さんへと足を運び、
「あらお兄さん、美味しそうなクレープね。二つ貰えるかしら?」
意を決して女言葉で尋ねた。すると、
「……………うちはオカマお断りだ。とっとと帰れ」
「…………………え?」
意を決して女言葉を使ったのにオカマって言われたんですけど。え?何?もしかしてこれって…………!
「今度は男に見えてる!?」
なんだよこの魔法!人によって見え方が変わってしまうのか?使いにくいすぎだろ!
「店前で意味分かんねぇこと口走ってんじねぇよ!人寄り付かなくなるだろが!営業妨害でとっ捕まえんぞ!!」
気づけば俺は怒鳴られていた。そりゃそうだ。女言葉で話す男がいきなり叫び出したら困るに決まってる。と、とにかくここはどうにか誤魔化さないと!
「す、すみません!私はとある劇団に所属していまして、つい役に入り込んでしまって………」
「なんだ?そのなりで女役でもやるって言うのか?」
「えぇ、お恥ずかしながら………」
「…………チッ、仕事とプライベートは分けやがれ。オンオフできてこそのプロだろうが」
どうにか誤魔化せたみたいだ。ていうかこのお兄さん、もしかして俺のこと気遣ってくれてる?口調の割りに良い人なのかな?
「で、クレープ二つでいいのか?」
「はい、お願いします」
「味は?」
「えーっと、何がオススメですか?」
「イチゴとバナナだ」
「それじゃあそれでお願いします」
俺が頼むと返事は返ってこなかったが、お兄さんの手はもうクレープを作り始めていた。プレートに生地を流し込み、円形に薄く広げていく。数秒後、その生地をひっくり返し生クリームとイチゴを入れ、生地で包み込んだ。
「ほらよ、イチゴの方」
このお兄さんは口調からは想像できないほど器用で手際が良いようだ。すぐにもう一つのクレープも作って手渡してくれた。
「クレープ作るの上手いですね」
バナナの方をマキに渡しながらお兄さんに話を振る。
「食べてもねぇのによくそんなことが言えるな」
「いえ、手際を見てれば分かります。私の所属する劇団でも上手い人はやはり色々違いますから」
「はっ、そうかよ」
よし、ここらでちょっと聞いてみるか。
「すみません、ちょっと聞きたいことがあるんですけど、いいですか?」
「あ?なんだよ?」
「最近魔族の動きが活発になってきてるって聞いたんですが、本当のことなんですか?」
「………なんでそんなこと聞くんだよ?」
「私の劇団は世界中を回っているんです。なのでもし噂が本当なら街から街へ移動中に襲われないように、何か対策しなくてはいけないので」
俺がそう言うとお兄さんはしばらく黙り込んでしまった。いや、考え込んでいるのか?ということはある程度のことは知ってるんだろうか?
「………はぁ、非番の時は考えたくねぇんだがなぁ」
「非番?それってどういう………?」
「俺はな、騎士団の人間なんだよ」
「騎士団!?」
う、嘘だろ!この人が騎士団に所属してるのか!?全然そんな風には見えな━━
「おい今疑っただろ。こんななりの俺が騎士団に入ってるのを」
「そ、そんなことありませんよ?」
さすが騎士団員。完全に見抜かれてる。
「とにかくだ。お前らが心配する必要はねぇよ。魔王って名乗るやつが出てきただけで、特に変わったことは何もない………不気味な程にな」
「………ありがとうございます」
魔族は人間から嫌われている。それは分かっていた。分かってはいたけど、
「だから俺は、気をつけろぐらいしか言えねぇ。奴らは俺たち人間を殺す機会を伺ってるのかもしれねぇからな」
実際に魔族のことを悪く言われると辛いな………。
「被害者が出ないことを祈るが、相手は魔族だ。絶対にそんなことはあり得ねぇ。お前はその被害者にならないようにしろよ」
言いたい。魔族はそんな奴らじゃない。話せば分かってくれる。そう叫びたかった。
「………なさぃ」
「え………!」
俺は大事なことを見落としていた。人間はお兄さんの話を聞いて心を痛めた。でもそれ以上に心を痛めていたのは━━
「マキ!!」
振り返るとそこには………誰の姿もなかった。
メディス「マキ!!」
お兄さん「おい待てコラ」
メディス「な、何ですか?俺は今あの子を追わないと━━」
お兄さん「クレープ食ってから行け」
メディス「………はい?」
お兄さん「そんな状態で走ったらクレープがめちゃくちゃになるだろ。だからここで食ってから行け」
メディス「いやそんなことしてる時間は━━」
お兄さん「いいから食え」
メディス「だから━━」
お兄さん「食え」
メディス「………はい」もぐもぐ
お兄さん「あと食べたら感想教えろ」
メディス「それは絶対にお断りします!!」




