表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/32

気づいたら犯罪者でした。

気がつけば30話目。続けられるのは読んで下さる皆さんのおかげです。こんな内容ですが、楽しんでいただけたらと思います!

俺には悩みがある。最近、


「うぅん………メディス様ぁ………」


ミーアが、


「えへへ………お兄ちゃぁん………」


ユメが、


「ちゅぷ………れろ………まお様ぁ………」


ナウラが、


「……………動けない」


俺のベッドに入ってきている。しかも両腕&片手をガッチリホールドされているため、起きることすらままならない。

原因ははっきりしてる。ユメだ。ユメはここに寝ることが決まってから、毎晩俺のベッドに入ってきているのだ。

ミーアも昔はよくしていたのだが、ユーリとも同じ部屋で寝ることになった時に、彼女にキツく言われてしぶしぶやめたようだった。のにだ!

ユメが入ってるため対抗しているのか、ミーアは再びベッドに入ってくるようになってしまった。

そして二人を見たナウラは『私もまお様と寝る!』と言い当たり前のように入ってくるようになってしまった。

ユメになんでこんなことをするんだ?やめろ、と言ったら『昔からの習慣はそんなすぐには変えられないよ〜』と言われた。俺が固まってしまったのは言うまでもないだろう。

そして一番の問題なのが、


バタンッ!!!


「メェェディィィスゥゥゥゥ!!!!」


毎朝怒ったユーリが突然部屋に入ってきて、


「それはやめろと言ってるだろうがぁぁぁあああああああ!!!!」


俺だけを的確に掴み上げ、壁へと思いっきり叩きつけられることだ。


「ぐはッ!……………おはよう、ユーリ」


もう気絶すらしなくなった自分が怖い。


***


「おにいーーーーちゃーーーーーん!!!」


「おっと」


ユメは俺を見つけると羽を出して飛びついてきた。受け止めるのも一苦労だ。


「あぁ、お兄ちゃんの匂いだ………」


「嗅ぐな」


ユメの騒動が一段落ついたあと、ユメのスキンシップは過剰になってしまった。ベッドの件なんかがそうだ。


『これからは全力でアプローチしていくからね!』


そう宣言した後、こんな状態になってしまった。今まで抑え込んできたものが爆発したと本人談。なので暴走しすぎるとまたベッドで襲われてしまう可能性も大いにある。


「ねぇねぇお兄ちゃん!」


だから、


「お兄ちゃんはどんな女の人がタイプなの?」


「おっぱいが大きい人かな」


「お兄ちゃんなんか嫌いだぁぁぁああああああああ!!!!」


このように危ないポイントを見つければこうして撃退しなければならない。


また違うある日。


「お兄ちゃん!よく考えれば私のママは小さくなかったよ!むしろ平均より大きかったから私もきっと大きくなるよ!」


このような場合も上手く対処しなければならない。


「ユメ。俺って色々薬とか作ってただろ?」


「え?うん、いつも横で見てたからね」


「その時に人の身体のことについて調べたんだけど」


「だけど?」


「………子どもの体型は親から遺伝することはないらしい(でまかせ)」


「お兄ちゃんなんか大嫌いだぁぁぁああああああああ!!!!!」


撃退完了。


またまた違うある日。


「お兄ちゃん!女性は見た目じゃないよ!中身だよ!」


ユメはすぐに復活する。だからすぐに対処方法を考えなければならない。


「お兄ちゃんはどんな中身の人が好き?」


「純粋を絵に描いたような人かな。例えば俺を襲わない人とか」


「お兄ちゃんなんか大大大嫌いだぁぁぁああああああああああ!!!!!!」


…………今のは普通の答えのはずなんだけど。

いつもユメは俺を罵った後走って俺から離れていく。しかしある程度距離を取ると足を止め、いつも振り返って、


「う、嘘だからね?ほ、本当はお兄ちゃんのことが好きだからね?大好きだからね?き、嫌いにならなでね?」


とても心配した顔で俺を見ながら尋ねてくるのだ。そんな風になるならやめればいいのに。まぁでも、


「大丈夫だよ。俺はお前を嫌いになることなんて絶対にないから」


「え、えへへ。私もだよ!お兄ちゃん!」


ユメのとび()っきりの笑顔()が見れるから、悪くはないかな。


***


「ねぇねぇお兄ちゃん?」


「なんだ?胸を大きくする方法は知らないよ?」


「誰もそんなこと聞こうとしてないよ!?」


おかしいなぁ。絶対そうだと思ったのに。


「で、何の話だ?」


「あ、そうそう。お兄ちゃんってさ、どうして魔王になったの?しかも何の前触れもなく」


「そういえば話してなかった。えーっとな……………嵌められたからかな」


「お兄ちゃん!生きてたらいいことあるよ!」


「せめてどうしてか聞けよ!ただの可哀想な奴扱いはやめてくれ!」


客観的に見たらそうかもしれないけど!


「でも嵌められたならすぐにやめればよかったのに」


「………気づいたら逃げ道が塞がれてたんだ」


「あ、うん。ごめん」


「謝るなよ……」


………まぁそれに、


「大切な人がたくさんできたからもうやめるつもりはないよ」


「……なんだかお兄ちゃんらしいね」


ユメはそう言って優しく微笑んでくれた。


「でもそっかぁ。だから私を置いてまま魔王になったんだね」


「うっ」


「そっかそっかぁ。大切な人がたくさんできたんだから仕方ないよねぇ」


「うッ!」


「でも私はその大切な人に入ってなかったんだねぇ、シクシク」


「うぅッ!?」


………………


「本当に申し訳ございませんでした」


土下座した。すぐさま土下座した。


「そ、そこまでしなくていいよ!?か、顔を上げてよお兄ちゃん!」


「いや!これは俺が悪いんだ!これぐらいさせてくれ!」


「それやれると罪悪感ハンパないからやめて!お願い!!」


しぶしぶ俺は土下座をやめた。まだ謝り足りないんだけどな……。


「本当に………悪かったな」


「別にいいよ。たぶんだけどお兄ちゃんの前に困ってる人がいたんじゃない?初めてあった時の私みたいな人が」


………あぁ、そうか。


「だから私は怒ってないよ。ちょっと寂しかったけどね。えへへ」


俺がユメのことを分かってるように、


「やっぱりお兄ちゃんは優しいね!」


ユメも俺のことを分かってるくれてるんだ。


「今はさ、お兄ちゃんの大切な人の中に私は入ってる?」


でもまだ俺の方がお前を分かってるみたいだな。


「ハハッ、お前は昔から、五年前から俺の大切な人だよ」


「お兄ちゃん!!」


感極まったのか、ユメは俺に飛びついてきた。そんな彼女を優しく受け止める。


「甘えん坊はなかなか治らないな」


「一生甘え尽くすつもりだよ!」


「はぁ、ほどほどにな」


勝手に出ていった謝罪の意味も込めて、俺はユメの頭の撫でた。


「あはぁ〜………気持ちいい〜………あ、そういえばお兄ちゃ〜ん」


「うん?なんだ?」


「人間界では大変なことに〜なってるけど大丈夫〜?」


「え?どういうことだ?」


「なんかお兄ちゃんが〜第二王子様を殺そうとした〜みたいな〜あはぁ〜」


「……………………はい?」


俺が第二王子様を殺そうとした?そんなことした覚えないんですけど。誰かの勝手な噂かな?


「それって誰が言ってたんだ?」


まぁどうせ適当に街で聞いたとかそんな感じ━━


「王国軍の騎士だよ〜あへぇ〜」


「………………キシ?」


キシ?オウコクグンノキシってなんだ?まさか王国軍の騎士!?え!?なんでそんな人から犯罪者扱いされてるの俺!?


「ちょ!それどういうことだよ!?」


「私も詳しくは知らないよ〜。なんか〜サイド=ユニヒルンだっけ〜?その人を魔王って名乗ったお兄ちゃんが〜ユーリさんを使って襲ったって言ってたよ〜あふ〜」


「は!?そんなこと俺はやってないよ!だいたい第二王子様となんて面識なんて……………ん?」


ユーリを使って襲った?第二王子様を?名前はサイド=ユニヒルン。サイド………あれ?どっかで聞いたことあるようなぁ…………



『サ、サイド様!大丈夫ッスか!?』



……………………


「どうしたのお兄ちゃん〜?汗が凄いよ〜?」


「な、なぁユメ。その第二王子様の見た目ってどんな感じか分かるか?」


「見た目〜?う〜ん、私もよく覚えてないけど〜銀髪ってことだけは印象深かったかな〜あう〜」


「銀………髪…………」


…………確定じゃないですか。殺そうとはしてないけど襲っちゃったじゃないですか。しかも結構挑発的に話しちゃったじゃないですか。不敬罪確実じゃないですか。


「…………俺もう人間界復帰は完全に無理だな」


「お兄ちゃ〜ん?どうしたの〜?」


「いや、うん。大丈夫だよ。ある程度は無理だって分かってし」


「?」


はぁ、犯罪者か。もう人間界には簡単に行けないな。魔王が行くのがおかしいのは分かってるけど。でもあれって王子様だったのか。はぁ、運がないなぁ、俺。


「そういえばお兄ちゃ〜ん?」


「なんだ?」


「今日はいっぱい撫でてくれるんだね〜。もう私ポカポカだよ〜」


「…………あ、本当だ。離すの忘れてた」


「あひゃ〜」


***


自分がとんでもないことをしていたことを知った夜。これからどうするべきかを考えながら、俺はベッドに入った。


「うーん、一度人間界を見てみるべきかなぁ」


しかし俺は最悪指名手配されてたりしそうなので………迂闊に顔を出して街を歩ける保障はどこにもない。でもどうにかして確認したいなぁ。

そんなことを思っていると、


「お兄ちゃん、やっほー」


いつものごとく、ユメが俺のベッドに入ってきた。


「ユメ、それはやめろって言ってるだろ」


「そう?なら………お兄ちゃん、ハロー」


「挨拶じゃなくてベッドに入ってくるのをやめろって言ってるんだよ!」


って、おかしいな。いつもならもうミーアとナウラも入ってきて収拾がつかなくなるのに。ちなみにユーリはもうぐっすりご就寝です。でもどうしてユメだけがベッドに…………まさか。


「気づいた?私が二人を催眠魔法で眠らせたんだよ。たぶん朝まで起きないかな」


やっぱりそうか。ナウラはともかくミーアが対抗してこないはずないからな。


「今日は二人だけの素敵な夜を過ごそうね」


まずい、と本能で感じとった。このままではヤられる、と。どんな話でもいい!話をそらさなければ!


「そ、そういえばどうして今日はこんなことをしたんだ?言ってしまえばいつでもできたわけだし」


「お兄ちゃんがあんなことしたらから我慢できなくなったんだよぉ」


あんなこと?そういえば今日は色々言ってたような…………それがこの暴走を起こしてしまったのか………。


「あんなに長く撫でられちゃったら我慢なんてできるわけないよぉ」


「そっちかよ!?」


我が妹は酷く単純だったらしい。


「だから、ね?お兄ちゃん………」


とうとうユメは俺の上に覆い被さってきた。


「ね?じゃない!それにそんなことをしたらさすがに周りが気づくだろ!」


「フッ、私の魔法の威力を舐めないで。朝まで絶対に起きないよ」


「うっ………」


ということこれ完全に詰んでるんじゃないか?


「あ、でもユーリさんにはしてないや。いつも入ってこないから忘れちゃった。てへっ☆」


「そこは逆にしといて欲しかった!!」


さらに追いつめられてしまったじゃないか!このままじゃ壁を突き抜ける勢いで投げられてしまう!…………あ!そうだ!


「ユメ、一つ聞きたいんだけど、どうやって俺を捕まえるつもりだ?ユメ一人ぐらいなら俺は抜け出せるぞ?」


「なら私の魔法で動けなく━━」


「それも無駄だよ。これを忘れたのか?」


そう言って俺は腕に刻まれているものを見せた。


「そ、それは!?」


「そう、お前との契約の証、『夢魔族の加護』だ」


ユメに襲われた末、気絶した日。俺が目を覚ましてふとした時に腕を見てみると、小悪魔の尻尾のような刺青が刻まれていた。ミーアにこれがユメとの契約の証だと教えてもらった。

『夢魔族の加護』は麻痺や催眠、毒といった状態異常を軽減させる効力がある。ユメに襲われた日、ユーリが手を貸してくれた時にいきなり動けるようになったのは、契約の効力が出てきたからだとミーアは言っていた。

そんなわけでもうあんな襲い方は俺には通じないということだ。


「さぁどうするユメ!」


勝った!これは勝てたぞ!これを機にユメも無駄だと感じてこんなことをやめるかもしれない!そうなれば完全勝利だ!


「…………お兄ちゃん」


「ん?」


俺の中で勝利のファンファーレが流れていると、


「それってさ」


ユメがこんなことを言った。


「私がサキュバスになって本気出せばお兄ちゃんを捕まえるぐらい簡単なことだよ(にっこり)」


「……………あ(絶望)」


しまったぁぁぁあああああああ!!!!そのことすっかり忘れてたぁぁぁあああああああ!!!!


「フフッ、調子に乗ってるお兄ちゃん、可愛かったよ?」


「泳がしてたのかよ!?」


「もう私たちを隔てるものはないね」


ま、まずい!こ、こうなったら一か八か賭けに出るしかない!!


「ユ、ユメ!」


「どうしたのお兄ちゃん?キスして欲しいの?」


「違う!俺から提案があるんだ!」


「提案?」


よし!くいついてきた!


「も、もし俺を襲わないなら、今日は抱きしめて寝てもいいぞ?」


「…………そんなこと」


くッ!やっぱり無理だったか。もうこれがダメだったら他には━━


「そんなことしてくれのッ!?」


「へ?」


「それってお兄ちゃんが私を抱きしめてくれるってことだよね!?」


「う、うん」


「して!お願い!変なことしないから!」


「ほ、本当だな?」


「うん!絶対しない!」


我が妹は本当に単純だったらしい。目をキラキラさせながら俺に抱きついきた。


「ほら!抱きしめてよお兄ちゃん!」


そしてこのハイテンション。言われたとおりユメを抱きしめながら布団をかぶった。


「お兄ちゃん撫でてぇ」


もう言われるがままにユメの頭撫でまわす俺。


「お兄ちゃぁん、キスしてぇ」


「それはやりすぎだ」


「あぅ!」


撫でてた手でチョップする。ユメは痛がるがそれでも俺に回した手は離さなかった。


「ふわぁ〜………もっと撫でて欲しいけどぉ………気持ち良くて眠たくなってきちゃったぁ…………」


まぶたを重そうにしているユメ。本当に眠そうだ。これってそんなに気持ちいいのかな?


「お兄ちゃぁん………最後にギュッてしてぇ………」


また注文があったので痛くならない程度に力を入れる。それと同時に片手でユメの頭を撫でた。気持ちいいみたいだしな。


「あぁ………あったかい………」


「おやすみ、ユメ」


「おやすみぃ………お兄ちゃん………」


すぅと寝息が聞こえるまで撫で続けた。といってもすぐにユメは眠ってしまった。


「おやすみ………ユメ」


最後にもう一度だけ言って俺も眠りについた。


「お兄ちゃぁん………大好き………」


最後にそんなことを耳にした気がした。

















まぁこれだけでもちろん終わるはずがなく。朝起きたらミーアとユーリが絶対零度の眼差しで俺を見下ろしていた。

あ、これは夢だな、と思い(現実逃避)再び目を閉じ、しばらくして開けると目の前に二人の顔が迫っていた時にはあ、殺される、と思った。

ここで俺が何を言っても無駄だなと思いユメに誤解を解いてもらおうと彼女を見た時に気づいてしまった。ユメのやつ、寝相かわざとかは分からないけど、俺に足を絡ませていた。それだけならよかった…………こともないが、それに加えてユメは俺にあることしていた。

首筋あたりに何か違和感を感じた。と思ったら、ミーアがすでに鏡を持っていた。なんでミーアがそんなものを持ってるのかを疑問に思いながらも確認すると、背筋に悪寒が走った。

キスマークも驚いたが、鏡に映ったユメがニヤッと笑っていたのだ。こいつ!嵌めやがったな!?

その後俺は………………………五体満足でいれて安心したとだけ言っておこう。

もしものショートストーリー帰宅編

ユメの場合

※不適切な表現が含まれます。苦手な方ごめんなさい。


ガチャ


ユメ「おかえりなさい」

メディス「ただいま」

ユメ「おうちでする?ホテルでする?それとも………お・そ・と?」

メディス「帰って来て早々何聞いてんだよ!?」

ユメ「そ、そうだよね。もっと大切なことがあるよね」

メディス「そうそう」

ユメ「おててにする?お胸にする?それとも………お━━」


バタンッ!!


メディス「…………今日は外で寝るか」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ