気づいたら再会してました。
バトル………描写が………上手く………書けない………ぐふっ
それは突然の出来事だった。
兵を束ねるリーダーであるユーリは日課である城周辺のパトロールをしていた。今日も異常なしだなと帰ろうとした時、
「ッ!?」
咄嗟に腰に差していた剣を引き抜いた。
「なんだ、何が来る」
剣を引き抜いた理由。それはこちらに向かってくる魔力を感じたからだ。どのようなものが来るかまでは分からなかった。しかし確実に強い魔力がこちらに猛スピードで向かってきている。
「来るならこい!」
ユーリが臨戦態勢に入った瞬間、
バキンッッッ!!
10メートルはある門に何かが衝突し破壊された。
その時ユーリは見た。はっきりとは見えなかったが黒い翼を持つ何かが門にぶつかり破壊したところを。
「黒い翼?ということは魔族か!?」
どんな魔族かは見えなかったし、考えてる時間もない。
ユーリは走り出し黒い翼を持つ何者かに向かって飛び上がった。そして目の前まで行き横なぎの一閃を放つ。しかし、
「速い!?」
剣を振った時にはもう、敵はユーリの後方にいた。真っ直ぐと魔王城へと向かっていく。
「くっ!行かせるか!!」
手を天に掲げ出現したハルバードを掴む。地面へと着地すると敵に向かって走り出す。しかし敵との距離は離される一方だ。
「やはり追いつけないか……….なら!」
走るのをやめハルバードを片手で持ち後ろへと引いた。そして槍を投げるかのように敵に向かってハルバードを投げつけた。
(これなら少しは時間が稼げるはず━━)
だが、そこでユーリは見た。敵がハルバードに向かって手をかざしたことを。そして、
「な……に……」
ハルバードの勢いがどんどん失われていったことを。とうとう投げたはずのハルバードは地面に突き刺さった。
「そんな………」
ユーリが立ち尽くしている間に黒い翼を持つ何者かは魔王城へと入っていった。
「はっ!私は何を突っ立っているんだ!このままじゃ………!」
確証はない。しかし可能性は十分にありえる。
「このままじゃメディスが危ない!」
***
「いや〜平和だな〜」
「そうですね〜」
「ね〜」
俺たちは現在執務室でまったりティータイム中である。いやぁ、魔界でも紅茶は美味しいんだな。なんか感動だ。
「そういえば美味しいクッキーがあるのですよ」
そう言うとミーアは赤い上品な箱を持ってきてくれた。蓋を開けると赤や青、黄色や緑、はたまた紫などさまざまな色をしたクッキーが入っていた。
「どれを食べるか迷うなぁ………色んな意味で」
無難な色をしたクッキーを口へと運ぶ。お、案外いけるなこれ。そして再び紅茶を喉に通す。
「はぁーなんという落ち着いた時間。最高だ」
思い返せばいつもバタバタしていた気がする。別に嫌じゃないけど、たまにはこういう時間をゆっくり楽しむのもいいものだ。
そんなまったりぐったりモードでいると、
『メディス!聞こえるかメディス!』
「ん?ユーリの声?」
この場にいない人物の声が聞こえた。あ、今のはテレパシーか。
どうしたんだ?そんなに慌てて。
『いいから私をそっちに呼んでくれ!』
え?どうして?まさかまったりティータイムをどこかで聞きつけてきたとか?言ってくれれば誘ったのに。
『そんなことはどうでもいいから早く呼べ!時間が無いんだ!』
あまりにも切羽詰まった様子なので大人しく従うことにする。服をたくし上げ竜の刺青に触れて、
「ユーリ、来い!」
そう叫ぶと目の前にユーリが現れた。これは契約魔法により主が使うことのできる『呼び出し』だ。
「で、そんなにどうし━━」
「逃げるぞ!」
「え?」
逃げる?一体どういうことだ?突然のことで戸惑っている俺の腕をユーリは掴んだ。
「ちょ、ちょっと待て!一体何があったんだ?」
「説明は後だ!今は逃げ………いや、逃げても無駄か。ここでメディスを守ったほうがまだ………」
ブツブツと呟くユーリ。ねぇ、ホントに何があったの?
「ミーア、お前は何か知って………」
るか?と続けようとしたが言えなかった。なぜならミーアがこの部屋のドアを睨むように見つめていたからだ。
「お、おい。ミーアもどうした━━」
「メディス様。ナウラを何処かに隠してしてください。今すぐに」
「え?」
「ミーア殿。メディスも隠した方がいいんじゃないですか?」
「え?え?」
「いえ。狙いはメディス様でしょうから向かって来たところ仕留めましょう」
「何の話??」
だからホントに何なの?とりあえず言われたのでナウラを机の下に隠した。ナウラから離れようとすると、
「怖いよまお様」
「え?何が怖いんだ?」
「怖いよぉ………」
ギュッと抱きついてくるナウラ。そんな彼女を安心させるため背中を撫でる。そんな俺も何があるか分からないから不安なわけだが。
「なぁ二人とも。一体何があ━━」
ナウラを隠し二人に尋ねようとした時だった。
突然何者かによって執務室のドアが破壊された
「な、なんだ!?」
何か黒いものが入ってきたのは分かった。だが、動きが速すぎて相手の正体が何かまでは分からない。
「私が動きを止めます!ユーリはそこを狙ってください!」
「はい!」
いつでも攻撃できるようにユーリがハルバードを取り出す。
ミーアはというと、両手を前へと突き出し目を瞑っていた。そしてカッ!と目を開いた瞬間、
「止まりなさい!」
目の前に三本の稲妻が走り抜けた。稲妻は黒い影を囲むように三方向から狙う。だが、
「くっ!速い!」
稲妻同士がぶつかる音だけがこの部屋に響いた。
「………これならどうです!」
するとミーアは何かを構えた。何をするだ?と思った瞬間、パキパキと音をたてながら氷の弓がミーアの手に現れた。
ミーアは片手で弓を持ち、黒い影に狙いを定める。そしてもう片方の手で氷の矢を生成した。それも一本ではなく五本もだ。ミーアは五本の弓を同時に引き、黒い影に向けて一気に放った。
氷の矢の一つを黒い影が避けた。が、氷の矢はすぐに方向転換して再び黒い影を追いかけた。つまりあの矢は追尾型ということか。これは避けようがないだろうと思った時だった。
今までこちらに一直線に向かってきていた黒い影が、突然天井に向かっていった。当然氷の矢も黒い影を追いかけ天井へと向かう。そして黒い影は天井にぶつかりそうになった瞬間、一瞬動きを止め急降下しだした。
そのあまりにも急な動きに氷の矢はうまくついて行けず、天井にぶつかりバラバラに砕けてしまった。しかし一つだけ砕けなかった氷の矢が黒い影に向かって急降下し、勢いよく黒い影にぶつかった。
氷の矢が当たった場所を中心に氷が広がっていき、黒い影の身体を凍らしていく。そのためどんどん黒い影のスピードが失速していった。
「今です!ユーリ!」
「はい!ありがとうございます!ミーア殿!」
その瞬間、目に止まらぬ速さでユーリが黒い影に向かって跳び上がった。彼女は空中で一回転して、その勢いをハルバードにのせて思いっきり黒い影へ振り下ろした。
バキバキッ!!と氷が砕かれる音が部屋に響く。この場にいる誰もが黒い影を仕留めたと思った。だが、
「な……に………!」
黒い影は元の速さ、いや凍りつく前よりも速くこちらに向かってきていた。
「……………ぃちゃん」
「え………」
今……誰かに呼ばれた?
「くそッ!行かせるか!!」
叫ぶと同時に、黒い影めがけてユーリはハルバードを横薙ぎに振った。しかしその攻撃を察知したのか、黒い影はさらに速さを増してハルバードの攻撃範囲外へと移動し避ける。
「………いちゃん」
はっきり聞こえないがやっぱり誰かに呼ばれてる?まさかあの黒い影が?
「くッ!ここは通しません!!」
その瞬間、部屋全体の温度が上がった。なんと無数の火の玉が黒い影に向かって飛んでいったからだ。
だが今の黒い影に、そんなものは何の障害にもならなかった。
黒い影は何も変えず、真っ直ぐ、ただ真っ直ぐこちらに向かってきた。ただそれだけだった。なのに、まるでロウソクの火を息で吹き消すかように、黒い影の動く速さだけで全ての火の玉が消失した。
「そんな……」
呆然とするミーアの横を黒い影が通り過ぎた。そして目前に迫る黒い影。
「………いちゃん」
黒い影との距離が近くなるにつれ大きくなる声。
「……にいちゃん」
この声を、この呼び方を、俺は知っていた。
そして━━目の前に誰がいるかも理解した。
「お兄ちゃん!!」
「ユ━━がふッ!?」
……………しかし彼女の無数の火の玉を消す程の速さは理解できていなかった。
え、ちょっと待て。これってシリアスな展開からの感動再開ってパターンじゃないの!?なんで抱きつかれただけで気絶しかけてるの俺!?起きろ!!まだちゃんと名前呼べてないから!!根性見せろメディスーーー!!!
しかし身体は動かず、瞼は重くなり、目の前が真っ暗になった。つまり俺は気絶した。
最後に見えたのは気絶する俺を呆然と見下ろすユメの姿だった。
ユメ「お兄ちゃん!?しっかりしてお兄ちゃん!ねぇ!あなたたちどうしてそんなに平然としてられるの!?」
ユーリ「いや……だって……」
ミーア「いつものことですし……」
ユメ「え!?」
ナウラ「まお様ぁ、お腹すいたー」
ユメ「え?何この幼女」
ナウラ「いただきまーす、パクッ(メディスを指を咥える)」
ユメ「ちょっ!?いきなりどうしちゃったのこの子!?頭でも打っちゃったの!?」
ミーア「いや……これも……」
ユーリ「いつものことだからな………」
ユメ「どんな日常送ってるのあなたたち!?」
ミーア&ユーリ「(ツッコんでる。さすが兄妹)」
ナウラ「ちゅぷ、れむ、おいしぃ♪」




