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気づいたら吸われてました。

小さい子にどこまでやらせるとアウトなんでしょうか?

どうしてこうなった。俺は今そう叫びたい。


「ん、ちゅぱ」


何故だ。どこで間違った。


「れろ、ちゅぷ」


嫌なわけじゃない。でも心が痛むんだ。どうして、


「どうして俺の指をナウラが舐めてるんだぁぁぁああああああああ!!!!」


「んー♪おいしー♪」


両手で頭を抱えようとしてナウラが片方の指を舐めていることを思い出し、さらに心が痛くなる。こんな小さい子にこんなことをさせてしまっていいのだろうか?

何故こうなってしまったか。それは今朝の出来事から振り返らなくてはならない。


***


明確な熱を感じた。今、俺の前には手のひらサイズの炎の玉が迫っている。手のひらサイズといっても当たったら軽傷では済まないだろ。

そんなものに対して俺は手を突き出した。すると、キュインと音をたてながらまるで俺の手に吸い込まれるように炎の玉は消えた。


「すごいな。本当にできた」


思わずそう口からもれてしまった。本に出来しまったからだ。


「これがアルラウネとの契約効果ですよ」


炎の玉を放った主、ミーアはそう俺に教えてくれた。

俺たちが何を行っていたかというと、ナウラとの契約効果を検証していたのである。

『花人族の加護』は魔法を吸収し自分の魔力へと還元できるようになるらしい。

これだけ聞くと万能そうだが、相手が魔法にこめた魔力の半分しか吸収できず、また自分の魔力が満タンの時は吸収できないようだ。つまり現在の俺にはなかなか使う場面が無さそうな能力だなぁ、というのが正直な感想である。


「俺にはなんかもったいないな」


「そんなことはありませんよ?例えば私が魔法を撃ち、それをメディス様が吸収します。そしてメディスが魔法を放つ。この一連の動作を行えば半永久的にメディス様は魔法を撃ち続けられます」


「でも普通にミーアが魔法使った方が強いよね?」


「そうですね」


「きっぱりはっきりありがとう」


この情けない感じはなんだろうか………一応俺って魔王なのに。


「まお様ーーー!」


すると俺のことを呼ぶ声がした。声の方に振り返ると、ナウラがこちらに手を振りながら駆けてきた。

ちなみに彼女は変身しているが、ちゃんと服を着ているので大丈夫。何が大丈夫かって?俺の身だよ。


「えーい!」


ナウラは俺の目の前まで来て飛びついてきた。しかし彼女は今変身後の姿。当然うまく受け止めることができず、その場で倒れてしまいナウラに上に乗られる形になってしまった。


「まお様ぁ」


しかしそんな体勢を気にした様子はなく、彼女は俺の胸に頬を擦り寄せてきた。そんなナウラは可愛いしここまでなら微笑ましい光景だ。しかし、


「………いい匂い……」


あ、ヤバイ。


「我慢できない!」


ナウラがそう言った瞬間、五本のツルが出現し俺に絡みついた。


「ちょ!ナウラ待っ━━」


「いただきまーす!」


ナウラが笑顔でそう言うと、


「や、やめて……くれ……」


俺の身体から力が抜けていった。


「契約魔法による加護はその魔族の本質を表します。つまりアルラウネの本質とは『魔力を吸収する』ということです。そして現在アルラウネであるナウラはアルラウネらしく生きています」


「長々と説明してないで早く助けて!」


あ、段々と目の前が真っ白に………


「しょうがないですね」


溜息をつきつつミーアはナウラの身体に触れた。すると、


「きゃう!?」


悲鳴を上げながらナウラは飛び上がった。それと同時に俺はツルから解放される。


「あ、ありがとうミーア……」


「いえいえ、配下としては当然です」


「ならもうちょっと早く助けて欲しかったんだけど」


「もう一回吸われます?」


「本当に助かったよミーア!」


ナウラが飛びついてくる→俺が吸われる→ギリギリのところでミーアが静電気程度の雷魔法をナウラに流す→ギリギリ生存

これがこの頃日課になっている。いや、なってしまっている。

ことの発端は俺が二人にヤられた夜のことだった。ナウラも二人の例に漏れず、俺の部屋で寝ることになったのだ。というかナウラは魔王城に住むことになった。まぁその時揉めたことは今は割愛しておこう。

そういうわけで夜になり就寝したまではよかったのだが、俺が寝ている時にナウラが俺のベッドに潜り込んできたらしい。そしてさっきのように頬ずりした後、俺は魔力を吸われてしまった。朝になった頃には俺は干からびていた。冗談抜きで。

魔法吸収ができるかを試していたのはこのためでもあるのだ。もう俺の身体にある魔力は自分の一部として定着している。なので魔力を吸われると本当にヤバイというか。だからすぐに補給できる手段として今日の実験を行なったのだ。


「うぅ、ビリビリするー」


身体をおさえながら涙目のナウラ。


「ナウラ。メディス様の魔力を吸ってはいけないと言ったはずですよ?」


「うぅ、ごめんなさい」


「まぁそれがアルラウネの性なのですから仕方ないのかもしれませんが」


あまり強く言えないミーア。どうやら彼女も幼い子の涙目には弱いらしい。


「でも実際どうしたらいいんだろうな」


「メディス様の作った白く濁った液体ではダメなのですか?」


「頼むから魔力増強剤って言ってくれ。俺捕まっちゃうから。あれを作るのは材料を集めるのも大変だし、大量作るのは無理なんだよ」


「ならこれからもメディス様が吸われ続けるということで」


「何終わらせようとしてんの!?」


「ナウラもそれがいいー」


「俺がよくないよ!」


本当にどうにかしないとまずいな。このままじゃミーアでもユーリでもなくナウラに命を奪われてしまうかもしれない。


「あれ?まお様怪我してるよ?」


そう言ってナウラは俺の左指を指した。よく見ると軽く切れている。たぶんツルが絡みついた時に無理矢理離れようとして暴れてしまったからだろう。


「いや、これぐらい大丈夫だよ」


「ダメ!すぐに治さないとバイキンが入っちゃうよ!」


するとナウラは傷のある指を手にとった。何かアルラウネ特有の治す方法があるかな?と思った瞬間、


パクッ


俺の指を咥え込んだ。


「ナ、ナウラ?何してるのかな?」


「こうやったら血は止まるんだよ?」


それだけ言うと再び俺の指を咥えるナウラ。いや、その心遣いはとても嬉しいのだが、


「………………………………」


瞳孔が開ききった目で俺を無言で見つめるミーアが怖すぎるんです。ミーアの方見えないんだけど。

しかしそんなことを口に出せるはずもなく、ナウラにされるがままになる俺。傷口を舌で舐められているため非常にくすぐったい。『幼女に指を舐められる』これってセーフなのか?絶対アウトだよな………

そんなことを思うこと数分。


「ナウラ?たぶんもう血は止まったと思うんだけど………」


俺の言葉に耳を傾けずに、彼女まだ指を咥えていた。なんだろう。無視しているというより夢中になって聞こえてないというか。


「えーっと………」


とりあえずどうしよう?原因なんだ?この指か?………絶対これだよな。それじゃあちょっと痛いかもしれないけど。


「ごめんナウラ!」


「あっ」


俺は舐められている指をおもいっきり引き抜いた。思ったとおりとっくに血は止まっている。


「もっとぉ!」


両手を伸ばして俺の指を掴もうとするナウラ。まだ舐めようとしてるのか!?


「ミ、ミーア!ちょっとナウラを抑えてくれ!」


「………………………………」


「いやいつまでその状態なんだよ!?お願いだから戻ってくれ!!」


「…………はいはい分かりましたよ、ったく」


「そんなキャラだったっけ!?」


本当に面倒くさそうにだが、ミーアはナウラを抑えてくれた。指を咥えられたのがそんなに気に入らなかったのか?………気に入らなかったんだろうな………。


「うー!離してー!」


「ナウラ?どうしてずっとあんなことをしてたんだ?」


「おいしかったから!」


「…………………ちょっと考える時間くれ」


「十中八九アウトですよね。ここには牢獄があるのでそこ行きます?」


「気づいたら俺犯罪者!?」


「まぁ本当のことを言うと指から魔力を吸収していたってことですよね?ナウラ」


「うん!」


「分かってたなら不吉なこと言わないでくれ!」


はぁ、なんかすごく疲れた。でもこれで納得がいった。まさかあれで魔力を吸収できるとは。全く分からなかった。


「あれ?この方法なら俺が干からびる必要がないんじゃ?」



………俺はこんな発言したこの時の俺をぶん殴ってやりたい。そう後悔するのに時間はかからなかった。


***


あの発言後、


「まお様ー!」


「お、ナウラ。おはy━━」


「いただきまーす!」


「」


挨拶する前に吸われたり、


「れろ、んちゅ」


「う………うぅん………ん?」


「ちゅぱ、ん、あ!まお様おはようー」


「oh………」


起きた時には既に吸われていたり、


「なぁ、ナウラ」


「ちゅぷ、んちゅ、なぁに?まお様?」


「あの、歩きづらいんだけど」


移動中でも構わず俺の指を吸っていたり、と。

ミーアとユーリは『はいはいもう私たちは何も言いませんよ』みたいな目で見るだけで何も言ってこないし!文句言う人いなくなったらこのままになってしまうじゃないか!これも主の務めってことなのか!?どうして、どうして!


「どうしてこうなったーーーーー!!!!」


***


その時、


「ふう、やっと来れた」


魔界に一人の少女が降りたった。


「これでやっと会えるんだね」


少女は黒い翼を羽ばたかせ飛び上がる。


「待っててね、お兄ちゃん」


彼女は魔王城がある方角へと飛んで行った。

もしものショートストーリー帰宅編

ナウラの場合


ガチャ


ナウラ「おかえり!」

メディス「ただいまー」

ナウラ「ご飯にする?お風呂にする?それとも………」

メディス「え?まさか!?」

ナウラ「あ・そ・ぶ?」

メディス「な、なんだ。よかった」

ナウラ「どれにするの!」

メディス「それじゃあ遊ぼうか」

ナウラ「やったー!それじゃあ行こう!」

メディス「ナウラ?どこに行くんだ?それに何をして遊ぶかもまだ決めてないし」

ナウラ「ベッドの上でプロレスごっこするの!」

メディス「………………は?」

ナウラ「仲良しな男の人と女の人はベッドの上でプロレスごっこするだって」

メディス「」


この後ベッドの上で搾り取られました。あ、もちろん魔力をね。

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