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激闘なぅ

はい、第8話めです。

でわどうぞ。

俺は今人生で一番と言っても過言ではないほどのピンチに陥っている。

いきなり異世界?的な所に落とされて、今現在進行形で俺の目の前に悠然と二本の足で立っている白と黒の鱗が特徴的なドラゴン。

こいつは信じられないほどでかく180cmちょっとある俺とくらべてもそのドラゴンの足ぐらいまでしかない。

これは夢でもなく幻想でもない。だから俺が自分のほっぺを思いっきり抓っても痛いだけだ。

しかも、こいつは驚いた事に日本語を話すのだ。

そして、もちろんの事ここは、俺が住んでいた日本でもないし、ましては地球でもない。

ではここはどこか?

ここはおそらく小説とかに出てくる異世界のような世界だと俺は踏んでいる。

なぜ、俺がこんな頭のおかしい事を言っているかと言うと、このドラゴン様はエレベーターの存在を

知らないらしい。

だいたい、ここが地球だったらエレベーターの存在くらい知っているはずだ。

まぁ1億万歩譲ってここが地球だとしてもだ、いきなりエレベーターから迷宮に来るとか意味不明すぎるし。

まぁいろいろこいつに聞いてみるか。なんかこいつ博識ぽっいし。

「なぁあんた、ここどこか知ってんの?」

「ん?ここか?ここは、シエルがあふれる世界、グラスフィアだ。」

ドラゴンがたんたんと答えたが、俺はグラスフィアなんて国を知らないしそれ以前にシエルってなんだよ。

「シエルって何なんだ?」

「人の子よ。シエルを知らぬのか?」

「あん?知るか。なんだ?元素かなんかの仲間か?なら勘弁してくれよ?俺、物理とってないからわかんないぜ」

「人の子よ、お前が何を言っているのかはわからんが、お前もしかして、贄の子か?」

「嫌、こっちだってあんたが言ってる事、さっぱりわかんねぇぜ?」

「ふむ、そうか。ならばお前どこから来たんじゃ。」

「地球ってとこ。知ってる?」

「!!フフ、ハハハそうか。そう言う事か。」

「一人で納得してんなよ。」

「嫌、もういいのだよ贄の子よ。どうやら私はお前を殺さなければならないようだ。」

え?何言ちゃっての?こいつ。俺はまったく話が見えない上いきなり死刑宣告されたので困惑してしまってツッコンでしまった。

「どうやらじゃねぇよ。なんだ腹でも減ってんのか?俺なんか食ってもまずいぜ?」

「そういう問題ではないのだよ。お前はわかってない。お前が存在する事、事態があり得んのだよ。」

え?話見えない上に存在否定された!!

結局俺ってなんなの?

「まぁ俺がこの世界で何者なんなのかなんてどうでもいいことなんだけど・・・」

俺はそういいながら錆きった剣を地面から抜き取った。

「俺はまだ死ぬ気はないんだわ。だからそこそこ抵抗するぜ?」

「できる事なら見逃して欲しいんだけど?」

「意味もなく戦うなんてめんどいだけだし。」

俺は剣を構えた。

「フ、贄の子よ、言動と体の動きがちがうぞ?」

「そりゃ、殺気剥き出しのドラゴンの前に立ったらなぁ嫌でも剣を構えなきゃなんねぇだろ?」

「ハハハ、私と戦う気か?やめておけ、お前では勝てぬ。」

「悪ぃけど、あんたが思ってるほど利口じゃないんだわ。」

「ハハハハ面白いなお前。私にそんな事を言ったのはお前が初めてだよ。」

「来い、ベルスタル・デルムンド、空間のエリスが相手しよう」


「東双海学園2年宇佐美八雲だ。」

「八雲か良い名だよ。」

「はっ、今日の晩飯はドラゴンの丸焼きだな。」

俺は高速でエリスの足のもとに行き剣を横薙ぎにして斬った。

しかし、バキという木が折れたような音を立てて真っ二つに剣が折れた。

「やっぱ、鈍らじゃだめか・・」

上をにあげるとエリスの口には黒色の炎が溜まっていた。

「チッ!!」

俺は舌打ちを打ちながら右に体をずらした。

近くに黒い炎弾が着弾する。

ドゴォォォンという耳を防ぎたくなるような音がしたがそれを我慢してすぐさま連続でバックステップを行い着弾を回避する。

爆風を利用して後ろに体を投げ出す。

それで次の着弾を逃れる。

そこで攻撃が止んだ。

はっきり言って、無茶苦茶だ。

こんなにボンボンと炎弾を打たれたら、いつかは当たってしまう。

まぁそう簡単に当たる気はないけど。

さて、どうしたもんかねぇ。

せめて刀があればなんとかなるんだけど。

俺がない物ねだりをしている頃、当の俺の相手様は余裕そうだった。

「すばらしい動きだな。お前のアーツはいったい何なんだ?ノーマルってわけではないだろう?」

「ハァハァ、アーツってなんだよまったく、だいたいシエルとか贄の子とかベルスタル・デルムンドとか意味分かんねーだよ。」

「ハハハすまぬな。お前がアースの住人だという事を忘れていた。」

「はん、こっちは結構へろへろなのに、余裕なのな。」

「んで、アースってのは地球って解釈でいいのか?」

「そうだ。」

「俺はなぜここにつれてこられたんだ?」

「それは私にもわからないし、お前が求めようとしている答えを私は持ち合わせてない。」

俺はドラゴンを少し見つめていたが、こいつが嘘をついているかどうかなんてわからない。

「じゃぁなぜ俺はお前に殺されなければならない?」

「よくしゃべるな。お前は。」

「まぁな。で質問には答えてくれないのか?」

「そうだな。いろんな意味でお前は危険なのだよ。」

「は?意味分かんねーんだよ。あんたが言ってる事はいちいち抽象的すぎて理解できない。」

「理解する必要はない。なんせお前はすぐにこの世から消えるのだから。」

「上等、もし俺が勝ったら全部話してもらうぜ。」

「ああ、いいだろう。まぁお前が勝つことなど万に一つもないがな。」

「みせてやろう、私のアーツの力を。」

エリスの横にブラックホールのような穴が形成されていた。

その穴はどんどんでかくなりエリスはその中に入ってしまった。

俺はその異様な光景に攻撃するのを忘れていたのだ。

俺は魅入ってしまったのだ。

「これがあいつの言ってたアーツか。すげぇ。どこにいるかまったくわかんねぇ。」

俺は完全にエリスを見失っていた。

とりあえずいつでも攻撃が来てもいいようにボロボロの盾を拾って構えた。

構えた、瞬間だった。

左から無数の炎弾が殺到した。

盾を構えた一瞬の気の緩みをエリスは突いたつもりだったのだろう。

普通の奴だったら、完璧にTHE・ENDなタイミングだった。

が、

「そうくると思ってたぜ。」

俺は炎弾を右へ左へ避けた。

が、おもったより炎弾の量が多かった。

「糞がぁ!!」

俺は盾を投げ捨てた。

炎が盾に着弾する。

ドゴォォォンとけたたましい音が俺の頭をの中を占領する。

やばい、爆風で周りが見えない。

俺はいったん視界を確保するために、そこから退避しようとした。

が、その瞬間、銃で背中を撃たれたような鋭い痛みがして50mくらい吹き飛ばされた。

肺から酸素をすべて叩きだされたような気がした。

口から大量の血がゴポッっと溢れだし地面にボタボタと落ちていった。

チッ、内臓が逝っちまったか?なんにせよこれじゃなぶり殺しだ。

愚痴ってると間髪いれず、後ろから大きく口を開けて突っ込んできた。

どうやら、俺を喰うつもりだったらしい。

「なっ!!速ぇ。」

でかい図体の割にはエリスのスピードは俊敏だった。

しかも、瞬間移動のようにいきなり出てくるから避けらんねぇ。

「避けられんねぇなら!!」

俺は暗器として忍ばしておいたナイフをカウンターの容量でエリスの舌に叩きつける。

それと引き換えに俺はエリスの頭突きを受けて、車に轢かれたかのような衝撃を受け後ろに吹き飛ばされる。

あまりもの衝撃に声が出ない。

体のいろいろなところから血が出てやがる。

こりゃ久しぶりにやべぇかもな。

俺はまるで他人事のようにつぶやいた。

そういえば、糞爺はこんな事言ってたな。

「どんな危機的状況でも決して諦めるな。生きるという希望を持て。その為に這ってでも足掻け。」

ってな。

うんじゃ、生きるためにもう少し足掻きますか。

俺はてみじかにあった剣を杖にして立ち上がった。

立っただけで左手に激痛が走った。

左手は完全におかしな方向に曲がっている。

やっぱ、折れてるよな。

俺は歯を食いしばっておかしな方向に向いている骨を無理やり戻した。

なんとも言えないような痛みが俺を襲った。

それを気合いで我慢してエリスの方へ向き直った。

気分ははっきり言って最悪だった。

骨を折ったせいか、頭がガンガンなりやがるし変な汗が洪水のように出ている。

だが、生き残るために、こいつに勝って俺が何者なのか知るために俺は全てを我慢して、さっきから

耳を塞ぎたくなるような、咆哮しているドラゴンに話しかけた。

「どうだ?効いたろ?俺のナイフ?」

「人間如きがぁぁ!!私に傷を付けるなど許せん。」

「傷どころか、殺してやるよ。」

「ハハハハハ、立つのもやっとのくせに私を殺すというのか?」

「ああ、あと10分後にはお前は俺の胃袋ん中だ。」

「ならかかってこい殺してやる。塵も残さずにな。」

「アーツとか言うのは使わないのか?」

「今のお前に小細工などいらぬ。」

「上等、絶対泣かせてやる。」

俺はナイフを数本懐から取り出しエリスに向かって投擲した。

狙いは翼。

一寸の狂いもなくナイフは翼に向かっていったがエリスは翼をブォォォォンという音ともに翼を前後させるだけでいとも簡単にナイフを退ける。

さらに俺もその風圧でブッ飛ばされる。

ほぼ、無抵抗で、ゴロゴロと地面を転がる。

これが案外痛い。

ゲボォッっとまたしても血の塊を吐く。

だが、諦める訳にはいかない。

またしても俺は近くにあったボロボロの槍を杖にして立ち上がる。

「ハァハァハァ、まだだ、俺はまだあいつに復讐していない。こんなとこで死ぬわけにはいかねーんだよ。」

「諦めよ。これでチェックメイトだ。」

いつの間にか、尻尾が近くにあって俺の脇腹に会心の一撃と言うべきか、クリティカルヒットと言うべきか俺はノーガードでその一撃を食らってしまった。

自分でもわかるくらいの音でゴキゴキバキゴキという嫌な音がして、俺の意識はブラックアウトした。

耳には勝利を確信したのか、竜の雄たけびが、こびり付いた・・・



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