ピンクブロンドの男爵令嬢の魅了か?的な話
「サリー様、放課後紳士倶楽部に来てくれますか?」
「いいのだからねっ!」
「「「やったー!」」」
男爵令嬢サリー様の周りに殿方が集まっておりますの。
彼女の髪の毛はピンク、艶のあるピンクだわ。光の輪が出来ているわね。
そして、私の婚約者も・・・・
「やあ、サリー嬢、放課後、どうかな?」
「いいのだからねっ!」
「「「やったー!」」」
「楽しみにしているよ」
側近達も止める様子がない。
たまらず声をかけた。
「殿下、放課後、サリー様は何をなさるのですか?私も参加しますわ」
すると、斜め上を向いて殿下はとぼけた。
「いや、令嬢にはキツいのか」
「わ、私にも言えないことですか?」
「あ、そうだ。用事を思い出した」
殿下はそそくさと背中を見せて去ったわ・・・・・
何かしら。
怪しい。
学友達も婚約者を心配しているわ。
「何か良からぬことをしているのかと心配ですわ」
「デートやお茶会をしてくださるけど、サリー様のことを聞いても答えてくれないのですわ」
「分かったわ。私に任せて」
メイドに相談したわ。
「ケリー、どう思う」
「そうですね。聞いた話ですけど・・・」
「何かしら?」
「殿方の間では淫らなドレスの女性のダンスを鑑賞する催しがあると聞きますわ」
「何ですって・・・!」
「ええ、ポールを立ててその周りをグルグル回ったりして、お金をその女性の衣服に入れたりするようですね。私も詳しくないのですが・・・」
これは一大事だわ。
お父様に聞くわ。
「お父様、淫らなドレスの女性のダンスについてお聞きしたいのです」
「あ、エリザ、その、どこで知った!ワ、ワシはもう行っていないぞ!」
「あなた!『もう』とは何ですか?」
「ヒィ、マリア、耳をつまむな!」
お母様に耳を引っ張られて連れて行かれたわね。
「どうしたらいいのかしら。ケリーどう思う?」
「お嬢様、坊ちゃんが知っております。掃除の時にベッドの下にそのような雑誌がおいてありました」
「ハンクスね」
弟の部屋にノックをして入った。
「姉上、どうされたのですか?えっ、何故、ベッドの下を・・・やだな。そこには何もないですよって、ちょっとやめてよ!」
ベッドの下に確かに本があった。
「あら、王都美人給仕がいる店案内、王都美人令嬢絵姿集・・・紳士恋愛指南書・・・美人メイド図鑑、裸踊りの本はないわね」
「そうですね。私の早とちりだったみたいだわ」
「ヒ、ヒドいよ」
「あら、お嬢様が美人令嬢絵姿に載っていますわ」
「あら、ケリーも美人メイドに載っていますわ」
「「まあ・・」」
「「困るわぁ」」
【出て行ってよ!】
弟が激怒したわ。ケンカは小さい頃以来ね・・・・
結局、私はローブを羽織り男装で放課後倶楽部に行くことにした。
夕方、男子学生棟に人が集まっていた。
棟の前に行列が一列出来ている。
「並んで、列の最後尾はここだよ。あ、新規さん。あ~あ、素人か」
列の最後尾の者に言われた。情報を聞き出すべきね。
女と声でバレないように無言でコクと頷いた。
どうやって情報を聞き出そうかしら・・・
迷っていると、向こうから話し出した。
「え、とロットは12だから、あんたが最後で良かった。コール知っている?」
意味分からないから首を横に振る。
「入れますか?と聞かれて、『はい』じゃなくて、『大』『中』『小』と答えるんだよ」
・・・入れる?まさか、そこまで淫らなことを、大中小は、もしかして殿方のあれの大きさ・・・
「おい、ちょっと待てよ!」
「ブヒー!並べ!」
私は罵声を無視して学生棟に入った。
独特な匂いがするわ。
呪文が聞こえて来た。これは・・・
‘’マシマシ~、ヌキ~’’
魅了!?
「おい、順番守れよ」
ドアを開けたら・・・
「マシマシ~」
「分かったのだからねっ!」
殿下達がいたわ。
何かを食べている。調理しているのはサリー様ね。器から出るように盛り付けさせているわ。
それにしても臭い。
「殿下!」
「あ、エリザベータか?」
「何をなさっているの?」
「うむ。ラーメンを食べているのだ。ちょっと、待て、時間内に完食しなければサリー嬢が迷惑する」
「そうじゃありませんわ!」
私よりも食べるのが優先・・・・
「入れるのだからねっ?!」
「中」
一人が中と言ったら、サリー様は何かの食材を入れる。
これは・・・ニンニクを刻んだもの。
常連客が省略しているのね。それが初めてきた客にも求めているわ・・・何て傲慢な世界かしら。
「エリザベータ様、食券を買うのだからねっ!特別に殿下が代表並びでいいのだからねっ!」
「買いません!」
「お薦めは小だからねっ!これでも普通のラーメンの大盛りだからねっ!」
「ですから、買いません!これは何ですの?」
「サブロー系ラーメンだからねっ!」
何か、魔道機械が置いてある。
そのうち。煙が入ってきたわ。火事?
「火事だわ!皆様、避難して下さいませ!」
しかし、殿下達は・・・
ズズーとヌードルを啜っているわ・・・
「火事?そうか。なら早く食べなくては」
ですから、私は思いっきり。
【避難せんかい!】
「ウプシ!」
バシッと殿下の頭をはたいたわ!
「エリザベータ、ラーメン・・・」
「いいから来て下さいませ!」
首根っこを掴んで連れ出したわ。
結局、火事はサリー様の厨房とは関係なかった。
魔道灯が熱を持ちすぎたらしいが・・・
学園長が魔道師を呼び検証したら、魅了薬は鑑定されなかった。
試食した魔道師は・・・
「これはけしからん食べ物だ!もっと検証する!サリー嬢、もう一杯」
「作るのだからねっ!」
「フウ~、もう食べられない。今度はどこでいつ営業する?」
「未定だからねっ!」
「うむ、この食べ物には中毒性がないから営業を許可するべきだ!」
「いや、ございますわ!魔道士様、しっかりなさいませ!
「ウギャ!」
扇で魔道師の頭をひっぱたいた。
すっかり魅了されているようだわ。
そして、サリー様には有志がお金を集めて、屋台なるものを作った。
人が引く荷車だ。あのピンク頭で引いているから目立つわね。
休日、王都で営業をしている。
殿下達は・・・
「いらっしゃいませなのだからねっ!」
「おい、並べ。一列だ!」
列を並ぶように指示しているわ。
これで良いのか分からないがしばらく放っておくことにしたわ。
最後までお読み頂き有難うございました。




