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両片想いは嫌われたくない!  作者: ゆきやこんこん
1章 嫌われたってよ
17/19

謝るの大事(柊 花蓮視点)


 〜5分後〜


「ハァハァ…ふぅ…」


 めっちゃ久しぶりに笑った、楓斗と話せるのが久しぶりってのもあって、テンションが上がってたってのも理由の一つだとは思うけど、よく分からんことで大笑いしたわ。


 よく分かんないことで大笑いしてお腹がよじれることたまにあるよね?


 話が逸れたけど、楓斗もなんかテンション妙に高いから、落ち着いたかどうか確認してみる。


「落ち着いた?」


「そっちこそ、落ち着いた?」


 なぬ!カウンターだと!?


 いやいや、楓斗が先によく分かんない状態になったんじゃんね?私は落ち着いてるよ!


「当たり前じゃん!ハシビロコウと同じぐらい落ち着いてるし!」


「…ハシビロコウ?まぁ、なら良かった」


 なんかピンと来てないね?


 いいじゃんハシビロコウ可愛いし、すっごいジッとしてて落ち着いてる動物第一位って感じがするし。


 正直ハシビロコウって結構可愛いよね……


 ハ〇ズとかヴィ〇ッジ〇ァンガード売ってたハシビロコウの筆箱買おうかな……、どうしよ……。


 いやいや、そんなことはいいんだよ!


 なんか、楽しく笑いあって有耶無耶になっちゃってるから、改めて謝ろ、なんかこのまま解散してもなんかモヤモヤするし。

 

「え〜と、また改めて…ごめんね?」


 ……くどいかな?


 でも、謝っておかないと、こっちの気が済まないからね。


 ……まあ、その謝罪が受け入れられるかどうかは楓斗次第なんだけどね?


 そんなことを考えていると、楓斗が思いがけないことを言ってきた。


「さっきも言ったけど僕は何か謝られる様なことされた記憶がないし、逆に謝らなきゃいけないことしちゃったのはこっちだと思ってたんだけど……」


 え!?!?


 もしかして、酷いことされたという自覚がないの?しかも、楓斗の方が謝ろうとしてるし……なんで?


「え…?あれだよ?あれ」


「どれのこと?」


 ほんとに覚えてないの?


 優しさから、無かったことにしようとしてくれてるだけだとちょっと思ってたけど、これほんとに覚えてないやつだ。


 とりあえず、何しちゃったかを言わないと何に着いて謝ってるかわからないよね。


「あの……入学式の日朝会って話したときに、私が感想を求めたのに、言われたら酷いこと言って逃げちゃったから………」


 覚えてなかったらそっちの方がいいんだけど……まあ、覚えてるよねぇ。


 ――すると、楓斗が思いがけないことを言ってきた。


「それって、僕が褒めるタイミング間違えて、みんなの前で褒めすぎて恥ずかしいかったのと僕の褒め方が気持ち悪かったのかと……」

 

「なわけないじゃん!!!……まぁ、ちょっとだけどね?ちょっとだけど……嬉しいかったら…//あと、恥ずかしかったのは恥ずかしくて逃げちゃったけど、そこまでいじられてないから今はもう気にしてないし大丈夫だよ!」


 覚えてたんだ……とも思ったけど、褒めてくれたのは普通にだいぶ嬉しかったから、考えることなく脊髄反射で言葉が出てしまった。


 あとさ、“ちょっと”ってなによ!ちゃんと“めっちゃ嬉しかった”って言えばいいのにさあ……、なんでいつも私は蛇足な一言が着くかなぁ……。


 そんな1人で後悔してる私とは裏腹に楓斗が安心した表情で言う。


「なら良かったぁ〜気持ち悪かったから逃げられたのかな?とか考えちゃったりしたし」


 ……楓斗は優しいからなぁ、なんか気にしちゃってるのはとても解釈一致すぎる。


 いや、全然私が悪いんだけどね?


 普通に逃げずにその場であの褒め言葉を素直に受け止めていたら、こんな事にはなってないかもしれなかったけどね?


 またしても、楓斗が言う。


「でも改めてこっちもごめんなさい、気にしてないって言ってくれたけど、恥ずかしいと思うようなことしちゃったのは事実だから……」


 そこまで気にしてたとは……ほんとにごめんなさいとしか言いようがない。


 素直じゃないことを言う癖……?を辞めなきゃ行けないなぁ。


 そんなことを考えながら、私は返事をする………が、あることを忘れていたことを思い出してしまった。


「そんなに気にしなくていいのに…………あっ!」


「???」


 ――昨日のこと謝ってなかった!!


 結構直近のことなのになんで忘れちゃうかなぁ……


「もう1つごめんなさいしなきゃダメなやつあった」


「あ〜…」


 なんか楓斗も理解してる感じだから、その事については実は楓斗は最初から思い出してたかな?


 …………それだったら、急に謝ってくれたのはいいけど、一方的にこっちが悪いことは謝らない性格終わってるやつにならないかな…?大丈夫だよね?


 なんか怖いからはよ謝らないと……


「昨日さ、帰りの時話しかけてくれたのに、すごく酷い対応しちゃったから……それもごめんね」


「あれね、あの時はちょっと怖かったというかこの前のことでかなり嫌われたと思ってたから、ショックだったけど、今こうして謝るきっかけにもなったから全然気にしてないよ!」ブンブン


「ほんとに?それなら良かった……」


 必死に手をブンブンして、気にしてないことアピールしてるのかわよぉ……って、そうじゃなくて!


 今回は許して貰えたというか、気にしてないって言って貰えたけど、また同じようなことを繰り返したら流石の楓斗も怒っちゃうかもしれないから注意しないとね。


 ……いやぁ〜ほんとにやっちゃったなぁ…、毎度毎度なんでこう、タイミングやら対応やらが全部揃ってダメダメなのかなぁ?そういう星のもとに生まれた、そう定められた人生を歩んでいるのかもしれない……


 そもそもなんでいつも楓斗相手の時だけタイミング悪いんだろうね……、酷いよね!ほんとに!神はいないのか?


 まあ、今こうやって文句言ってるけど結局は自分が最初に酷いこと言ったり、対応をしちゃったのが原因だから、自業自得と言えばそうなんだけどさぁ……。


 ……待てよ、昨日なんか楓斗が話しかけてくれようとしてた時ってもしかして、今日みたいに謝ろうとしてた……?そして私はそこでまた罪を重ねた……?


 ……ぐわぁぁぁ!じに゛だい゛!!!


 唐突な1人反省会で自傷ダメージを食らっていると――


「柊さん、1つ気になったんだけど……」


 ――お?なんだね?


「なに?」


「あの時ニコニコしてたけど、何考えてたの?」


 ――君との将来のこととか、君との色んな言えないようなことを学校で本人近くにいるのに妄想して楽しんでました!!!――――


 ――――なんて言えるはずないでしょぉぉぉぉ!?!?


「…っっ//楓斗には関係ないでしょ!ちょっと考え事してただけ!」


 誤魔化し方ミスったぁ!?


「ご、ごめん!あの時話しかけちゃって機嫌悪くなったから、なんか楽しいこと考えてたのかなぁ〜って思って……」


 なーんだ笑……じゃないよ!


 何謝らせてんの???終わってんな?私。


「ほんとになんでもないから!考え事に熱中してただけ!……はい!この話おしまい」パチン


 手を叩いて、この話を終わらせることを宣言する。


 何はともあれ誤魔化せた……?


 ……いや、なんかまだ楓斗気になってんな?


『そこまで隠されると逆に気になるんだけど……』みたいな顔してるな?(多分)


 私には分かるんだからな?


 他の方法は…………あっ!


 …思いついたけど……、いきなりだと変かな?


 思いついたのは、今まで喧嘩してるみたいになっちゃってるから、仲直りの証明と称して、握手する……みたいな///


 どうしようか……?でも、このまま楓斗に気になるから教えて〜って来られて話しちゃったら流石の楓斗でも『うわぁ……』って顔しそうだし……。


 いや、やるんだ!このまま誤魔化すために!そしてスキンシップも大事ってネット記事に書いてあったし!…………あわよくば楓斗の手を堪能するために!


 顔が赤くなっているのを感じながら、私は口を開く。


「じゃあ、仲直りの……あ、握手!」

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